桜
毎日の様に合間があれば 保健室に入り浸っている もう年齢も違う 元同級生。
蘇枋
桜
桜
にこやかな柔らかい笑みを 浮かべ、年相応とは思えない程 優雅で、綺麗な佇まい。 いつまでたっても変わらない姿に、 少し心をなで下ろした。
蘇枋
俺より小さな身長。 蘇枋が俺を見上げて見つめる姿は、 上目遣いをしている様に見えた。 ウルりと大きな瞳が揺れ、 分かってやってるんじゃないかと すら思う。 そんな動作に、 ぶわりと顔が熱く火照った。
蘇枋
桜
蘇枋
桜
楽しそうに笑うのに、 時折寂しそうに 蘇枋の瞳が揺れた。 毎日ここに来るのも、 今まで一緒にいられなかった 時間を埋める様に
蘇枋
蘇枋
桜
呆れが交じった言葉を 出したが、 顔が赤いままで 蘇枋にはふふっと笑われてしまった。 尽くムカつく奴だ。
蘇枋
桜
俺を揶揄っているのが 1番楽しいと言われている様な 気がして、 少しムッとした返しを してしまった。 全体が白い保健室の 独特な匂いがツンと鼻の奥を 刺激した。
蘇枋
桜
蘇枋
蘇枋
桜
この学校に残るために 勉強をした。 毎日勉強漬けの日々で、 とても苦痛だったのを覚えている。 それでも苦手な座学は、 コイツと一緒にいる為だと 思えば耐えられた。
それでも勉強は上手くいかなくて 授業なんか とてもじゃないが出来ないと 判断した級友達や俺は、 保険医を選んだ。 怪我の手当や、 体の仕組み等は、 喧嘩をして回った毎日で よく分かっていたからだ。
桜
蘇枋
蘇枋
蘇枋
蘇枋
"好き"そう話す男の顔は、 どこか切なかった。 窓辺にあるカーテンが揺れ、 優しい風が吹き込んできて 蘇枋の髪とタッセルピアスを 穏やかに揺らした。
桜
蘇枋
崩れてしまいそうな、 どこかえ消えて しまいそうな笑顔は 俺の心臓を締め上げた。 気づけば手を伸ばしていた。 今とは少し違うデザインの 制服。 古さと懐かしさを感じる かつての制服の裾。 気づいた時には力強く 握っていた。
蘇枋
俺の突然な行動に、 柔らかな笑みは消え、 代わりにキョトりとした 顔を浮かべ、不思議そうに 蘇枋は首を傾けた。
桜
蘇枋
蘇枋
勉強をしよう。 そう言うと 唇をほころばせ、 ぱっと優しい笑みをうかべた。 こいつそんなに勉強が 好きだったっけか? 腕を組み悩んだ無素振りを して考えてみたが、 答えは一向に見つからず、 諦めて机と椅子を取りだした
桜
蘇枋
桜
蘇枋
桜
自分の座る隣にある 椅子を指さし蘇枋を座る様に 促した。 隣でじっとノートを書き写す 姿を見るだけで 特に何も言わないだけの空間が出来上がった。
桜
蘇枋
桜
蘇枋
蘇枋
桜
蘇枋
桜
言われるがまま シャーペンを握らされ、 ご丁寧に勉強を教えられた。 立場が逆転したかの様に思える。 これでも一応教師やってんだけどな
蘇枋
桜
桜
桜
蘇枋
蘇枋
桜
蘇枋
ニッコリと胡散臭い笑顔を向け 誤魔化した様に笑われた。 絶対バカにしたなと思い 声を荒らげて言い返したくなった。 それでも一応自分は大人だと 言い聞かせ、反抗するのを大人しく辞めた。
桜
蘇枋
長い勉強時間も終わり、 明るかった外は、 夕暮れに包まれていた。 周りに人は誰もおらず、 上空にカラスが数匹飛んでいた。
桜
蘇枋
桜
桜
今迄に余り無い 優しい笑顔を向けた。 少しびっくりした様に 目を見開いた蘇枋を 不思議に思いそっと見つめた。
蘇枋
桜
蘇枋
蘇枋は諦めたらしく大人しく一緒に 帰宅路を歩いた。 途中蘇枋の顔が赤く見えたのは、 きっと夕暮れの所為だろう。
コメント
3件
この作品見てると表情筋ゆるゆるになる❀.(*´ ꒳ `*)❀.