あの時と何ら変わらない 街の見回り。 商店街は、賑やかさを 失うことなく動いている。
少し風景は違うものの、 ほとんど見知った物だった。
同級生
桜
桜
同級生
同級生
桜
最後尾を歩いている白いTシャツに白衣というなんとも決まらない格好をした 保健室の先生を 同級生たちが 振り向きながらもからかっている。 顔を真っ赤にしながら 起こっている姿は、 学生時代の君を 思い浮かべさせた。
同級生
フンっとあからさまに 不機嫌な態度をとる桜君 成人していても少し子供っぽい。 こういう大人は嫌いだと思っていたのに 君だからかな、 なんだか可愛らしく見えてしまう。
最後尾に2人でゆっくり歩き 同級生達が ワイワイ話しながら歩いているのを 見ていた
桜
蘇枋
桜
桜
隣に並んで歩いていたのに、 桜君の声は小さく 突然な事で聴き逃してしまった。
蘇枋
桜
聞き返したはずの言葉は、 桜君の大きな声に 呑まれてかき消されてしまった。 桜君の且つある一言に、 同級生達は威勢良い返事をしていた。
その後は 各々困っている街の人や、 壁に落書きされた ペンキの後を塗りつぶしたり 襲いかかってきた人達を 薙ぎ倒していった。
桜君は後ろから静かに見ているだけで 手こそ剥がしてくれなかったが、 傷の手当や、街の人達に 挨拶等をしていた。
下手くそな笑顔を 久しぶりに見れた気がして なんだか嬉しくなった。
桜
気がつけば街は 夕日に染まり、 暗くなっていた チカチカ街灯が光だし、 夕日と共に暖かに照らし始めた。
先輩も居ないこのグループに 一声掛けたのは 白衣を着た白と黒の ツートーンカラーの髪を持つ 先生。
同級生
同級生
早い一日の終わりに 同級生達は 名残惜しそうに その場を解散していった。 その場に留まったのは 街をじっと見つめ 立ち止まっている 桜君と俺のみ。
蘇枋
桜
街を見渡していた目は、 ぐるりと俺の方をみた。 バチッと音が鳴るように 目が合った。 黒と琥珀色の綺麗な瞳が じっと俺の言葉を待つ。
蘇枋
桜
桜
蘇枋
桜
蘇枋
桜
桜
蘇枋
夕日に紛れた桜君の 頬は、赤く染っていた。 この赤さは、夕日の物か 彼の物かは、答えずとも 分かりきっていた。
そして俺の顔に熱が上っているのも どちらのせいか、 考えずとも分かるだろう。
桜
蘇枋
差し出された手は、 あの時の彼を思うと 全く想像出来なかった出来事だろう。 きっと俺の事を 守らないと行けない 子供としてみているのだろうか。
いつか平等の土台に立ちたい。 彼の優しい笑を見つめながら、 俺よりも大きく 体温が籠った優しい手を取った。
コメント
8件
桜くんの方が身長高い光景...見てみたい✨どこか薄く蘇芳と桜くんの間に壁が感じられますね..🥲 蘇芳ちゃん悲しい顔しないで🥲🥲
甘々で満たされて最高です!
俺も溶けそうなぐらい甘かった(尊死)