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テラーノベルの小説コンテスト 第3回テノコン 2024年7月1日〜9月30日まで

わたし

誰?誰が来たの…?

Ut氏

開けるぞ!

わたし

ひゃっ!

間を置かず勢いつけてカーテンを開かれてびっくりした

しかし青いヨレヨレのスーツを着た男性は 黒髪の下に大粒の汗を滲ませ、肩で荒く呼吸していて わたしが起きているのを確認するとホーッと息をはいて脱力した

Ut氏

はーーーーーーっ…お前…お前ぇ…

わたし

…?あの、もしかしてUt先生でしょうか?

Ut氏

お前ッ、世界で一人だけの兄ちゃんつかまえて、なんでそない他人行儀やねん。俺がどれだけっ…はぁ、めちゃめちゃ心配したわ…!

わたし

に、兄ちゃん!?えっ!Ut先生、妹がいるのは嘘じゃ…?

Ut氏

お前がおるやん。俺、俺ナースにやかましい怒られながら走ってエレベーター乗ってきたのにあんま無下にされると泣けてくるわ

わたし

ごめんなさい!そんなつもりじゃなくて、ええとその、記憶が混乱しててよく分からなくて…でもわたしのお兄さんなんですよね、すみません

Ut氏

ええてええて、こない兄ちゃん恥ずかしいやろて。あ、ナチュラルにタバコ吸うとこやったわ…あかんあかん。

Ut氏

いや、まあ意識はあるみたいで安心したよ。今まで見たことないくらい包帯グルグル巻きでビビってゲ■出そうになったのはマジなんだが。

わたし

どうぞ、椅子座って、ゆっくりしてください

Ut氏

ありがと座るわ。ヨッコイショ…大丈夫?気分悪いとか頭痛いとかない?

わたし

少し痛みますけど、大丈夫です。

Ut氏

お前な、昔からあかん時ほど「大丈夫です~」言う癖直ってへんやん。痛いならそう言うてくれ。ナースコール押すか。

わたし

っ!

普段なに考えてるか分からない風だけど… 意外としっかり見てくれてるんだ…

わたし

ありがとうございます。でも今は本当に大丈夫みたいです。

わたし

なんだか、わたしよりUt先…お兄さんが慌ててるから逆に冷静になっちゃって。

Ut氏

なんそれ、俺バリピエロやん。まあええわ、ひどくないんやな。

わたし

はい、我慢できなくなったらナースコールします

Ut氏

分かってへんやんけっっっ!

Ut氏

ええか、我慢するまで耐えるな言うとんねん。痛みはじめたらすぐナースコール!はい復唱!

わたし

ええと、痛くなったらすぐナースコール!

Ut氏

よろしい!はあなんでほんま、俺みたいな兄ちゃんの妹がこんな、真面目でええ子に育っちゃったんやろ。

Ut氏

兄ちゃん心臓いくつあっても心配事尽きなくて寿命縮みそうやわ。

わたし

それは困ります…長生きしてください

Ut氏

なんやえらいしおらしいのぉ、口喧嘩の時は羅刹かって迫力やのに…ふふ、冗談やで。落ち着いたから一旦タバコ吸うてくる。

Ut氏

なんか飲みたいもんとかないか?

わたし

大丈…喉渇いてないです、今日はありがとうございました。

Ut氏

必要なもんとか、何かあったら連絡してや。今度こそタイム縮められそうやねん。

わたし

廊下は走ってこないでくださいね…?

Ut氏

ンフフフ、分かった。あ、これだけは先に言っとかやんかったわ。

部屋を出る直前、重大なことを思い出した様子のUt氏が戻ってきた

わたし

何?兄さん

Ut氏

マジで可愛いナースおったら教えてな?

わたし

………。

キャラぶれないなぁ、と呆れ通り越して苦笑いした。

おわり

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