テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
伊作が自分の気持ちに気づいてから数日。 以前と変わらないように振舞っているつもりだった。 だが、実際は全く変わっていた。 ○○ちゃんが近くにいるだけで緊張する。 目が合うと嬉しい。 話しかけられると顔が熱くなる。
食満 留三郎
善法寺 伊作
食満 留三郎
伊作は返事に困った。 否定できない。 むしろその通りだった。
食満 留三郎
食満 留三郎
伊作は苦笑するしかなかった。
その頃。 ○○ちゃんもまた似たような状態だった。 保健室へ向かう途中。 廊下の向こうに伊作の姿を見つけるだけで胸が高鳴る。
○○
最近は特に意識してしまう。 避けていた頃よりずっと苦しい。 好きな気持ちが隠せなくなってきた。 そんな中。 五年生と六年生の合同実習が行われることになった。 今回の任務は情報収集。 二人は偶然同じ班になった。
善法寺 伊作
○○
そして、実習が始まる。 森の中を慎重に進みながら情報を集めていく。 途中、小さな崖を超えなければならない場所に出た。 ○○ちゃんは足場を確認しながら進む。 だが、足元の石が崩れた。
○○
善法寺 伊作
伊作に腕を掴まれ、そのまま○○ちゃんは引き寄せられた。 気づけば目の前に伊作の姿が。 近い。近すぎる。 2人共固まった。
善法寺 伊作
○○
○○ちゃんは慌てて離れる。 心臓が爆発しそうだった。 伊作もどこか落ち着かない様子だった。 その後の実習は無事終わった。 けれど二人ともどこか上の空だった。
夕方。帰り道。 ○○ちゃんは一人で歩いていた。 今日のことを思い出してしまう。 伊作に助けられたこと。 近くで見た優しい顔。 心配そうな声。
○○
好きな気持ちを隠しておくのが。 限界に近付いてきた。 卒業の日も少しずつ近づいてきている。 このまま何も伝えられなかったら。 きっと後悔する。 ○○ちゃんは空を見上げた。 夕焼けが広がっている。
○○
勇気はまだ出ない。 それでも。 少しずつ決意は固まってきた。
一方その頃。 伊作も同じ夕焼けを見上げていた。 今日、○○ちゃんの腕を掴んだ感触が忘れられない。 無事で良かった。 その気持ちが真っ先に浮かんだ。 そして。
善法寺 伊作
もし誰かに先を越されたら。 もし卒業までに伝えられなかったら。 そう考えるだけで胸が苦しくなる。 伊作は小さく笑った。 不運なことには慣れているはずなのに。 恋は思った以上に難しい。 だが一つだけわかっていることがあった。 もう自分の気持ちから逃げるつもりはない。 夕焼けの空の下。 二人はそれぞれ決意するーー。 次にあった時こそ...。 この想いを伝えようとーー。
コメント
1件
読了しました〜!第27話、お互いに意識し合っていて、もう完全に両想い一直線ですね…!伊作が自覚してから逆に重症になっちゃってる感じとか、〇〇ちゃんが「もう無理かも」って思うほど気持ちが溢れてくるところ、すごく共感しました。崖のシーンは近すぎてドキドキしましたし、最後の夕焼けの下でお互いに「次こそ伝える」と決意するところ、とても良かったです。次が待ち遠しいです!
224
174
#暗め