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Dom👓×Sub🙂③
――Domは嫌いだ
だけどそれ以上に――
Subである自分が大嫌いだった
自分はダイナミクスなんてものとは
無縁だと思っていた
あれらは他人の目を気にする者たちが発症する
病気のようなものだと認識している
誰かを独占したい――
誰かに見てほしい――
誰かを所有したい――
誰かに愛されたい――
そんな欲がダイナミクスを駆り立て
DomとSubという力量関係を作り出す
スマイルは他人の目などあまり気にしない
好意も愛も抱いたことなどない
アセクシャル――
スマイルは自分を
そう呼ばれる人間だと思っていた
そんな自分がSubだと診断された時は
心底驚いた
信じられなかった
スマイル
スマイル
スマイル
疎んだ
信じなかった
スマイルは自分のSub性を信じず
自らCareを怠った
結果的にスマイルは――
慢性的な精神疾患に陥った
毎日眠れない
毎日倦怠感に襲われる
危機管理能力が著しく落ちて
信号なども赤と気付かず
渡ってしまう始末だ
スマイル
きりやん
きりやん
きりやんが軽い話題のつもりで
自らをDomだと公にしたその日――
スマイルの運命は変わった
きりやん
きりやん
きりやん
スマイル
スマイル
スマイル
きりやん
きりやん
きりやん
Domは嫌いだ
傲慢な奴は常に
Glareを放ちながら話す
そんなDomに常に怯えてしまう
だから、きりやんみたいな軽いDomは
都合が良かった
きりやん
スマイル
きりやん
スマイル
きりやん
スマイルはきりやんのコマンドを
跳ね除けた
きりやんも軽い気持ちだったからこそ
効かなかったのだろう
スマイル
きりやん
きりやん
スマイル
きりやん
きりやん
なんてことのないDomからのコマンド
スマイルはそのくらいなら、と思い
きりやんに近付いた
きりやん
視線を上げて
きりやんを見つめる
いつものきりやんが
気前よく笑みを浮かべた
きりやん
スマイル
スマイルは目を細めた
褒められたスマイルは
満たされる感覚を初めて覚えた
スマイル
スマイル
とても健常者とは言い難い難病だ
スマイルは憂鬱だった
しかし、きりやんのおかげで
Sub性についての悩み事は吹っ飛んだ
きりやん
きりやん
きりやん
スマイル
きりやん
スマイル
きりやん
きりやん
きりやん
ただ視線を合わせるだけで
きりやんはにっこりと笑う
きりやん
スマイル
きりやん
スマイル
スマイル
きりやん
きりやん
スマイルに嬉しいと言う気持ちはない
命令されて
支配されて
スマイルのSub性が喜んでいるだけだ
そのおかげで体調が良くなる
スマイル
Collarの話は
そういえばそんなものもあったな――
という程度だった
きりやん
きりやん
きりやん
スマイル
スマイル
きりやん
きりやん
きりやん
スマイル
きりやん
スマイル
スマイル
きりやん
きりやん
きりやん
スマイル
あくまでSub性が嫌いなのは自分自身だ
自分がSubである事を他人に知られて
どう思われようがどうでも良かった
きりやん
きりやん
スマイル
スマイル
きりやん
きりやん
スマイル
スマイル
きりやん
きりやん
スマイル
きりやん
きりやん
きりやん
スマイル
スマイル
スマイル
きりやん
きりやん
きりやん
スマイル
きりやん
パートナーになったのも
本当に軽い気持ちだった
軽いコマンドだけで満たされるなら
スマイルの意に沿わない
屈辱的なコマンドもされないだろう
他のDomに狙われる事もない
きりやん
きりやん
きりやん
そうして二人でCollarを買いに行った
スマイルがCollarをする事によって
案の定家族にSub性がバレたが
家族にはDomもSubもいなかった
その他に特別変わったことなんてなく――
週に一度コマンドを出すくらいで
穏やかに過ごしていた
しかしスマイルのSub性は
日を追うごとにその欲を増していった
きりやん
きりやん
スマイル
スマイル
きりやん
きりやん
スマイル
きりやん
きりやん
スマイル
スマイル
スマイル
スマイル
スマイル
自然とそう考えて
スマイルはゾッとした
スマイル
スマイル
褒められるために、だなんて
今まで考えたこともなかった
スマイル
スマイル
スマイル
Playが終わって体調は万全になったはずなのに
スマイルのSub性は満足したはずなのに
気分が沈んでいく
スマイル
軽いSubdropを引き起こしつつ
スマイルは一人でそれを耐え忍んだ
きりやんのCareに
不満を感じるようになった
きりやん
スマイル
きりやん
スマイル
きりやん
スマイル
きりやん
スマイル
羞恥心と、こんな上辺だけのPlayをさせている罪悪感で不安になる
スマイル
スマイルのこの不安な気持ちを伝えて
拒絶されたらどうなるだろう――?
スマイル
スマイルは怖くて
きりやんに相談ができなかった
こんな不安な気持ちすら相談できない――
それはパートナーを信頼できていないという証拠だ
パートナーを信頼できていない事実に
スマイルは苦しんだ
スマイル
スマイル
軽い気持ちできりやんとパートナーを結んだことを
初めて後悔した――
週に一度のPlayの日が待ち遠しくなった
毎日渇望して
毎日きりやんへの連絡先を開いて
一日中きりやんの事を考えていた
スマイル
スマイル
スマイル
スマイル
スマイル
スマイル
スマイル
俺にはパートナーであるお前しかいないのに――
スマイルは気怠さと食欲不振と睡眠不足で
外に出ることすらできなくなった
――限界だった
これ以上我慢すれば命に係わる
スマイルは意を決して
きりやんに監禁生活の話を持ち掛けた――
きりやん
きりやん
きりやん
きりやん
軽い気持ちで返事をくれたきりやん
スマイルの一大決心など知る由もない
その気持ちの違いに心が痛んだ
だけどその胸の痛みももう終わりだ
スマイル
スマイル
スマイルは全力で
己のSub性と向き合った
監禁生活はとても快適だった
きりやんがスマイルの世話をしに
毎日会いに来てくれる
毎日コマンドを出してくれる
時には強いコマンドでスマイルを制御してくれる
スマイルの計画は完璧だった
体調不良はすぐに改善した
それと同時にスマイル自身は
罪悪感に苛まれていった
スマイル
スマイル
スマイル
スマイル
スマイル
スマイル
……もっともっと、気を惹かなきゃ――
この監禁生活はスマイルにとっての賭けだ
きりやんにセーフワードを言われるまでに
きりやんのDomのレベルを
スマイルのSubのレベルと合わせる
そうすれば今まで通り
パートナー関係を続けられるはずだ
スマイル
スマイル
スマイル
もっと俺を見て――
もっともっと――
毎日、一日中――
俺のことを考えて――
俺と同じところまで堕ちてきて――
スマイル
スマイル
スマイルはその全てを
打ち明けることができなかった
まだきりやんは
同じところまで堕ちてきていない
きりやん
きりやん
スマイル
スマイル
きりやん
きりやん
スマイル
きりやん
スマイル
きりやん
きりやん
有無を言わせない強いGlareに
スマイルは目を見開いた
言いたくても言えなかった
気にしてほしい――
だけど言えば気を遣われるだろう
そんな気の遣われ方は嫌だ
きりやんが自ら
スマイルに構いたいと思わないと
意味がない
スマイル
スマイル
スマイル
きりやん
スマイル
きりやん
きりやん
きりやん
スマイル
こんな反応を見せてしまえば
酷い体調不良を起こしていたと
言っているようなものだ
ぽんぽんと頭を撫でられる
そんな行為に安心感を覚える
スマイルはきりやんにあやされて
ようやく落ち着いた
きりやん
きりやん
スマイル
きりやん
きりやん
きりやん
スマイル
きりやん
きりやん
スマイル
きりやん
きりやん
きりやん
スマイル
きりやん
きりやん
ドンッ――
スマイルは思わず
きりやんの胸を叩いた
スマイル
スマイル
きりやん
震えたスマイルはゆっくりと顔を上げた
その目には涙が滲んでいた
きりやん
きりやん
きりやん
スマイル
きりやん
きりやん
きりやん
きりやん
スマイル
スマイルはきゅっと目を閉じると
涙が頬を伝った
スマイル
きりやん
スマイル
きりやん
今、自分は何を言われたのだろうか
いや、スマイルはなんと言ったのだろうか――?
スマイル
きりやん
スマイル
スマイル
スマイル
きりやんは思わず自分の口を塞いだ
きりやん
きりやん
きりやん
スマイル
スマイル
きりやん
きりやんの脳内が
スマイルかわいいで埋め尽くされる
あまりにもかわいすぎた
もうめちゃくちゃに愛でたくなった
スマイル
スマイル
スマイル
きりやん
スマイル
きりやん
きりやん
スマイル
スマイル
スマイル
スマイル
きりやん
きりやん
スマイル
きりやん
きりやん
きりやん
スマイル
スマイルはわかりやすく
ぼんっと顔を真っ赤に染めた
きりやん
きりやん
きりやん
スマイル
スマイル
スマイル
きりやん
きりやん
スマイル
スマイル
スマイル
きりやん
きりやん
スマイル
ビクビクッ――!
強めのGlareと共にコマンドを出す
きりやん
きりやん
スマイル
スマイル
スマイルはきりやんのコマンドに悶える
きりやんはそんな反応を楽しみつつ
冷静にスマイルの反応を分析した
きりやん
きりやん
きりやん
スマイル
スマイル
スマイル
きりやん
スマイル
きりやん
スマイル
スマイル
スマイル
ゾクゾクッ――
きりやんの背筋に悦びが這う
きりやん
きりやん
そう考えるだけで
きりやんはニヤけそうになった
きりやん
スマイル
とろんとした顔でスマイルは
きりやんを見つめる
きりやんはそんなスマイルの表情を見て笑った
きりやん
スマイル
きりやん
きりやん
スマイル
きりやん
きりやん
きりやん
きりやん
スマイル
スマイル
スマイル
あまりの可愛さに
きゅんきゅんと胸が締め付けられる
きりやんは思わずスマイルを
ぎゅうっと抱きしめた
スマイル
きりやんの耳元でスマイルが喘ぐ
不覚にもずぐんと
下半身に熱が籠る感覚を覚えた
きりやん
スマイル
先ほどからスマイルの呂律が怪しい
恐らくスマイルはSubspaceに入っている
きりやん
きりやん
スマイル
スマイル
大きくびくびくと震えたスマイルは
ぎゅぅっときりやんにしがみついてくる
Subの褒められる快感は
とてつもないらしい――
きりやん
スマイル
スマイル
きりやん
スマイル
呼びかけに小さく顔を上げたスマイルの目尻に
きりやんはキスを落とした
ちゅ、とリップ音が鳴ってそれは離れる
スマイル
きりやん
スマイル
スマイル
スマイルはふにゃりと笑った
スマイル
きりやんはギリッと唇を嚙み締めた
きりやん
きりやんがスマイルの可愛さに悶えている間に
スマイルは眠ってしまった
きりやん
きりやん
きりやん
きりやんの腕の中で眠りこけるスマイルを見て
きりやんはスマイルの鼻をつんとつついた
きりやん
きりやん
きりやん
きりやんはスマイルの額にキスを落とす
スマイルの体を抱き上げて
ベッドへと寝かせた
おしまい