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希望

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希望

2 - ー莉子のことー

♥

46

2022年01月07日

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病院の屋上

莉子

…っ…うぅ…

莉子

ひっく

莉子

うぅ…

喜代さん

そんな事があったのね

莉子

喜代さぁん…うぅ…

喜代さん

ほら、もう泣かないで

喜代さん

可愛い顔が台無しよ?

莉子

だっ…てぇ…うぅ…

「どうせ死ぬんだろ」

その言葉を思い出しただけで

涙が止まらなかった

五十嵐(院長)

あれ、喜代さんと莉子さん

喜代さん

あ…い、院長

莉子

五十嵐先生…!

五十嵐(院長)

莉子さんこんなところで何泣いてるんですか?

莉子

ちょ、ちょっといろいろあって

五十嵐(院長)

あー新しい子の事かな?

莉子

え!なんでわかったんですか?

喜代さん

ちょっと院長…))ボソッ

莉子

??

五十嵐(院長)

まぁ思春期の男の子はトゲトゲしてますしね

五十嵐(院長)

あんま気にする事ないですよ

莉子

あ、ありがとうございます…

五十嵐(院長)

あ、ちょうどさっきいいの見つけて…

院長は手にしていたビニール袋から何かを取り出す

五十嵐(院長)

はい、あげる

莉子

…!モンブラン!

莉子

私が1番好きなやつ!!

莉子

ありがとうございます!

喜代さん

いえいえー

莉子

え?喜代さんが?

喜代さん

……え?なんのことー?オホホ

五十嵐(院長)

いや、私が買ったんだ

莉子

でもなんで私がモンブラン好きって知ってるんですか?

五十嵐(院長)

えーとな…

五十嵐(院長)

勘だよ

五十嵐(院長)

男の勘ってヤツ

莉子

えー??なんか怪しい…

莉子

あー!さては2人でなんか仕組んだんでしょ!?

喜代さん

えーそんなことないわよ?オホホ

莉子

おかしいと思ったのよ!

莉子

なんで院長は私がここにいることを知ってるのかなーとか

莉子

しかもタイミングよくモンブランなんか買うわけないし!

莉子

五十嵐先生甘いの嫌いじゃん!

五十嵐(院長)

………

五十嵐(院長)

はぁ…喜代さん演技下手すぎ

莉子

やっぱり!!

喜代さん

はぁ!?院長の方が下手です!

五十嵐(院長)

実はこうなって今に至るんだ

院長が莉子にスマホを見せる

五十嵐(院長)

莉子さんがここにくる前の会話ね

喜代

院長!

喜代

院長!

喜代

院長!

喜代

院長!

五十嵐

うるさい

喜代

院長!

五十嵐

ブロックするぞ

喜代

莉子さんが大泣きしながら屋上に行ったんです!

五十嵐

五十嵐

屋上?

五十嵐

まさか

五十嵐

早く止めて

喜代

今走りながら打ってるかや

喜代

打ちにくち

喜代

応答なし

応答なし

喜代

応答なし

応答なし

喜代

電話出てくださいよ!

五十嵐

悪い今電話出れない

喜代

もーう!!

五十嵐

まぁでも莉子なら心配いらないな

五十嵐

多分落ちたりとかはしない

喜代

おねがいがあるまますう

五十嵐

喜代

応答なし

応答なし

五十嵐

だから出れないって言ってるだろ

喜代

走ってんだよこっちは!!

喜代

あーしんど

喜代

これは痩せるわ

五十嵐

お願いってなんだ?

喜代

読めたんかよ!

喜代

モンブラン買ってください

五十嵐

は?

喜代

私にじゃなく莉子ちゃんに

五十嵐

なるほど

五十嵐

わかった

喜代

あざっす

五十嵐

喜代さん

五十嵐

喜代さん

五十嵐

おい喜代

喜代

うるさいです!

喜代

ってか院長だからって呼び捨てしないでくださいます?

喜代

タメ口はいいけど歳の差2つしかかわらないんですよ?

五十嵐

それでも私の方が歳上だ

喜代

はいはい

喜代

で、なんですか?

五十嵐

悪い金ない

喜代

はぁ?

喜代

じゃあ私のバックから取っていいですよ

五十嵐

悪い

喜代

屋上に来てくださいね

五十嵐

わかった

五十嵐

モンブランだな?

五十嵐

おい

五十嵐

喜代さん

五十嵐

喜代さん

五十嵐

おい喜代

喜代

うるさ

喜代

はいそうです

五十嵐

了解

莉子

わぁそう言うことね

五十嵐(院長)

悪い。からかうつもりとかじゃなかったんだ

莉子

いいよいいよ

莉子

久しぶりのモンブラン、嬉しい!

莉子

喜代さん、五十嵐先生ありがとう!

喜代さん

いえいえ

私は久しぶりのモンブランを口にした

最近は食事制限が多くて食べれなかったから

すごく嬉しかった

莉子

(2人とも、私を元気付けるためにしてくれたんだろうな)

莉子

(嬉しいなぁ…)

またポロポロ涙が溢れてくる

喜代さん

ど、どうしました!?

五十嵐(院長)

大丈夫か?

莉子

うん、大丈夫

莉子

ちょっと嬉しくて

喜代さん

そうですか…

喜代さんは優しく微笑む

私はこの笑顔が大好き

五十嵐(院長)

喜んでもらえたのなら良かった

五十嵐先生も微笑む

かっこよくて頼りのある先生だ

ピピピ

喜代さん

あっ、いけない

喜代さん

呼ばれちゃった

喜代さん

ごめんね莉子ちゃん

莉子

いいえ大丈夫です!

莉子

ありがとうございます

五十嵐(院長)

私もだ

五十嵐(院長)

すまないね

莉子

いえ、大丈夫です

そうして2人は病室へ戻っていった

莉子

……

莉子

はぁ

私は深いため息をつく

そして、最近の出来事を思い出す

2週間前

喜代さん

莉子ちゃん、手術おつかれー!

私の手術が終わった後の出来事

五十嵐(院長)

今回もよく頑張った

莉子

ありがとうございます

喜代さん

当分痛んじゃうけど

喜代さん

薬があるから大丈夫よ

莉子

はい

五十嵐(院長)

なんかあったらすぐ私たちを呼びなさい

五十嵐(院長)

すぐ駆けつけるから

莉子

わかりました

喜代さん

これ、頑張ったで賞

私にジュースをくれた

莉子

わぁ

莉子

ありがとうございます

五十嵐(院長)

じゃあ、私たちはこれで

喜代さん

今日はゆっくり休んでね

莉子

はい

2人は部屋の外へ出ていった

莉子

はぁ…痛むな…

喜代さん

ーーーー

五十嵐(院長)

ーーーーー

莉子

あれ?まだドアの向こうにいるのかな

莉子

話し声が聞こえる…

喜代さん

喜代さん

先生、今回の手術どうでした?

五十嵐(院長)

五十嵐(院長)

やはり悪化してた

莉子

えっ

莉子

うそ…

莉子

手術の後、大丈夫って言ってたのに

ドクンドクン

自分の鼓動が聴こえてくる

喜代さん

莉子ちゃん元気なかったですね

五十嵐(院長)

まぁ何回も手術してるしな

五十嵐(院長)

体力的にも精神的にも疲れるだろ

喜代さん

先生

五十嵐(院長)

なんだ?

喜代さん

莉子ちゃんは、、

ドクンドクン

喜代さん

どう、なりますか…

ドクンッ

急に鼓動が激しくなる

ドクドクドク

五十嵐(院長)

……………

五十嵐(院長)

五十嵐(院長)

2年は持たないだろう

ドクンッッ

莉子

えっ…

莉子

ウソ…でしょ

五十嵐(院長)

ここでする話じゃない

五十嵐(院長)

行くぞ

喜代さん

…はい

2人は去って行く

莉子

えっ

莉子

なんでっ

ボロボロ涙が溢れてくる

莉子

なんでっ…

莉子

ついこの間まで

莉子

私が…

莉子

私が後何年くらい生きられるかなって聞いたらっ…

莉子

ねぇ喜代さん

喜代さん

んー?

喜代さん

どうしたの?

喜代さんはまたいつもの笑顔で

微笑みかける

莉子

私さ…

喜代さん

うん?

莉子

私っていつ、死んじゃうのかな

喜代さん

…!

喜代さんは驚いた顔をした

でもすぐいつもの笑顔にもどって

喜代さん

何言ってるのよ

喜代さん

莉子ちゃんは死なないのよ

莉子

…えっ?

喜代さん

そのために私たちがいるんだから

喜代さん

ねっ?

そう言ってまた微笑みかける

莉子

…うんっ

喜代さん

さ、部屋戻りましょ

莉子

そう言ってたのに…

莉子

なんでっ…?

ボロボロ涙が溢れる

シーツをビチャビチャにしちゃうくらいの涙が頬を何個も伝う

莉子

なんでよっ…!

莉子

私、、死んじゃうの!?

莉子

やだよ…っ!

莉子

誰かっ…

莉子

助けてよ…

シーツをギュッと握りしめる

莉子

なんでっ…

莉子

なんでよぉぉぉおー!!

莉子

うわぁぁぁー

その日は多分今までで1番泣いたと思う

眠りにつくまで

ずっと

1人で泣いていた

莉子

きっとあの2人は

莉子

私にすごく気を使ってくれてるんだろうなぁ…

莉子

理玖君の言う通りだ

莉子

私、もうすぐ死んじゃうんだ…

莉子

あの子の言う通りなのに

莉子

私、酷いことしちゃったな…

ポロポロと涙がこぼれる

莉子

あはは…

莉子

最近私泣いてばっかりだ…

莉子

良い事ないなぁ

空を見上げてると

キィィ

とドアがなったから

目を向けてみると

そこには彼がいた

莉子

…!

莉子

どうして…

理玖

……

理玖

あの、さ、、

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