二人は付き合ってる設定です
最原
店に入ってからずっと悩み続けて30分が経つ
最原
王馬
最原
ブツブツ呟きながらウロウロしていると、誰かがいきなり抱きついてきた
王馬
振り返ると悪戯が上手くいった子どものように笑う王馬くんがいた
最原
最原
王馬
王馬
王馬くんはぱっと手を離し僕を開放する
最原
王馬
最原
王馬
最原
僕は無言で王馬くんを睨む
王馬
最原
王馬
最原
王馬
最原
王馬
王馬
最原
王馬
王馬くんは僕の顔を覗き込むようにして
王馬
最原
王馬
王馬くんは僕に背を向けると
王馬
と言って、歩きだす
少し歩いたところで首だけ後ろを向いて
王馬
といい、手を振りながら歩いていってしまった
最原
僕はさっさと買うものを決めて店をあとにした
最原
僕は買ったものを見てため息をつく
今日は6月20日だった
最原
僕は家を軽く飾り付けしながら昨日のことを思い出しため息をつく
今の時刻は15時半
飾り付けを初めて早4時間 自分の不器用さには呆れる
最原
そして、ようやく最後の飾りを付け終わった
最原
まあ、準備といっても予約しているものを取りに行くだけだが...
それにしても昨日の僕はなかなかツイていなかった
そしてツイてない日が昨日だけで終わるわけがない
ピンポーン
最原
玄関の扉を開けると案の定彼が立っていた
王馬
最原
最悪だ こんなことなら最初から何もしない方が良かったのではとまで思う
王馬
最原
王馬
最原
こうやって彼は自分の心の底を見せてくれない
僕のことが好き...なのは本当だと信じたい
彼と付き合い始めて1年
そんな僕でも彼の言葉が本当なのか嘘なのか分からないときがある
王馬
最原
王馬
最原
王馬
王馬
王馬
最原
王馬
王馬くんは軽々しく好きだとかかわいいだとか言ってくる 嘘とは分かっていてもドキドキする
やめてほしいって言ったってなんて返ってくるかなんて容易に想像ができるからわざわざ言うことはしないけど...
最原
王馬
王馬
ガチャ
王馬
最原
彼を家に入れたのはいいけど、これからどうしよう
飾り付けはほとんど終わっているので問題はない
けど、飾り付け以外は全く準備できていない
王馬くんはこうなるって分かってて来たのか...
王馬
気づけば彼は靴を脱いで僕の部屋に入ろうとしていた
最原
僕が止める前に彼は部屋のドアを開けてしまった
王馬
ドアの先には気持ち程度の飾り付けがされた部屋が広がっている
最原
王馬
最原
彼に喜んで欲しくて人生で初めての飾り付けに挑戦してみたけど、やっぱり上手くはいかないものだ
王馬
最原
彼が取り出したのはいわゆるB級映画のDVDだ
王馬
最原
彼にしては珍しく素直に話してくれた
...もしかして僕が落ち込んでたから?
王馬
そうしている間にも彼はテレビの前のソファーに座って映画を観る体勢になっていた
僕はため息をつきながら彼から受け取ったDVDを再生した
王馬
映画を見終わった 内容は...まぁ、B級映画だとしか
最原
王馬
王馬
最原
王馬
王馬
最原
彼の言う通り僕は恋愛ものもホラーもあまり得意ではない
だからと前に彼がミステリーものを借りてきてくれて一緒に観たことがあるのだが、僕が推理に熱中してしまいずっと映画が進まなかったことがある
具体的に言えば2時間の映画を観るのに5時間近くかかってしまった
これは反省している
ふと時間を見るともう18時を過ぎていた
最原
ずっと前にしていたケーキの予約 その受け取り時間を大幅にオーバーしていた
王馬
最原
彼の言葉も待たず僕は家を飛び出す
最原
その店までは走れば5,6分で着くところだ
僕はその店まで全速力で走った
定員
最原
予定より1時間近く遅れてしまったが、問題なく受け取れた
それより早く帰らなくてはいけない
最原
あのときは焦ってしまって考えていなかったが、僕は彼をひとり家に置いてきてしまったのだ
今日は彼の誕生日で、彼のためのケーキだというのに...
僕はケーキを崩さないようにしながら早足で家に帰る
最原
王馬
家にはうつむき、見るからに機嫌の悪い王馬くんがいた
最原
王馬
最原
王馬
最原
彼は顔をあげると意地悪な笑みを浮かべ
王馬
最原
王馬
王馬
そうだ。彼はこういう人だった ...でも、怒ってなくてよかった
王馬
最原
僕はケーキをテーブルの上に置くと、キッチンから取り分け用のお皿とフォークを取り出す
王馬
最原
いつものやりとりをしながら僕はケーキの入った箱を開ける
王馬
最原
王馬
...あまり良くなかったのかもしれない
最原
王馬
最原
それならこのケーキはまずい
彼の好きなものがよく分からなかったから選ぶのにもとても苦労した
その結果外にも中にもブドウがたっぷり入っているケーキを選んだのだ。 なんとなく好きそうだったからなんて理由だけど
王馬
最原
そして僕は大事なものを忘れていたことに気がつく
最原
王馬
僕は昨日買ってラッピングしてもらった彼へのプレゼントを持って彼に差し出す
最原
彼は表情を変えない
タイミングを間違えた? それともラッピングが気に食わなかったのか?
王馬
とポツリと呟き
王馬
最原
彼の言葉から察するに 今日の突然の訪問は本当に僕が彼の誕生日を忘れていたんじゃないかと心配してのこと...ってことだよな?
王馬
最原
彼は丁寧にラッピングを解いていく
そして、彼への誕生日プレゼントに僕が選んだ紫色の猫のキーホルダーが入っている箱を開けた
最原
彼はプレゼントのキーホルダーを見ていたが、しばらくして僕の方を向いて笑う
王馬
その彼の言葉とは反対に彼の頬はほんのりと色づいており、その笑顔にも僕を貶そうとする感情はなかった
やっぱり、準備しててよかった
最原
王馬
最原
僕はケーキを切り分け、騒いでいる彼の前へ出す
ねえ、王馬くん。
また来年も一緒に過ごせたらいいな。
なんて言ったら君はなんて返す?
主
主
主
主
主
コメント
1件
すきです!最王もみてみたいです