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カナタ
何かフワフワする
カナタ
周りを見渡すと 何故かドラマで見たような まさに手術中っていう光景がそこにあった
輸血沢山用意して!
すぐ始めるよ!
血圧がかなり低いです
カナタ
カナタ
無い頭でよくよく考えたら おれは女子高生を庇って 刺されたんだった
このアマ!
女子高生
女子高生
今度こそ殺してやる!!
女子高生
カナタ
ちょうど信号を渡り切ったとき 後ろから異常な声が聞こえてきて おれは振り返った
お前が一生他の男と付き合えないように殺してやるからな!
女子高生
カナタ
辺りは暗く街灯が点々と灯るなか キラリと刃物が光るのがみえた
カナタ
許さないからな!
女子高生
おれの体は勝手に動いていた
逃げ惑う女の子と刃物を持った男の間に入り込み止めようとした
しかし既にそれは 勢いよく 止まることなく
一気に俺の体を貫いた
カナタ
う、うわぁあ! おれ…俺じゃないからな!
こいつが勝手に突っ込んできたんだ! 俺は違うからな!!
刃物男はおれを刺したことに逆に驚いて尻餅をついた
周りにいた数人の男の人が騒ぎに気付いて 刃物男を取り押さえた
女子高生
カナタ
苦しいし… 痛いの通り越してるし…
女子高生
カナタ
おれは息のしづらさを堪えながら 女の子を心配した
聞いたおれが少し気が遠のいた
女子高生
女子高生
その声は傷を負ったおれには聞こえてなかった
そして気を失った
カナタ
カナタ
おれはかなりの 呑気さを 醸し出し
その空間を楽しみ始めた
ここの外は…と
カナタ
カナタ
カナタ
カナタ
カナタ
カナタ
カナタ
カナタ
カナタ
回り込んで見た会長の姿に おれはちょっと驚いた
カナタ
カナタ
カナタ
カナタ
その悲壮感漂わせた顔が 凄く印象的だった
いつも学校では余裕な感じで 誰もが憧れるような 芯のある人だから
ケンシ
カナタ
カナタ
ヒカルに見られないようにしたのか 上を向いた会長と 目が合った ような気がした
カナタ
ただそれは気のせいで でも会長のその顔が
不謹慎にも 綺麗な格好良さを漂わせ おれは少し目を奪われた
カナタ
カナタ
しかし視界には ヒカルの姿も入っていて どっちを見れば良いのか 解らなくなった
カナタ
近付いて触れようとしたが 俺の手はすり抜けてしまった
カナタ
カナタ
カナタ
カナタ
カナタ
ドクン
カナタ
カナタ
急に胸が握りつぶされるような 重圧感が襲った
ドクン
カナタ
先生!Vfです!
ショックかけるよ! 除細動準備して!
心マしてて!
準備出来ました!
チャージ!
おれは瀕死の中の瀕死に陥っていた
もう少しみんなの見えないところで 悪戯したかったけど
何故かそれは叶わなかった
いくよー! さがって!
戻りましたが依然血圧があがりません
医療スタッフの方々はとにかくおれを 死なせないために 必死になって治療していた
ヒカル
ヒカル
底知れない不安という闇を 歩いてるかのようで ずっと怖い
ケンシ
ヒカル
ケンシ
ヒカル
ヒカル
ヒカル
ケンシ
ヒカル
ケンシ
ヒカル
ヒカル
ヒカル
ケンシ
ケンシ
ヒカル
ケンシ
ヒカル
そう 心配だからと言って 何時になるかわからない時間を
ぼくらがいつまでも待つわけにはいかなかった
ヒカル
ケンシ
ヒカル
ケンシ
そしてここを離れなければいけない時はそう長くなく訪れた
ヒカル
ぼくの姿を見たお母さんは 少し青ざめた顔をして ぼくに抱き付いた
ヒカル
ケンシ
会長は深々と頭を下げ そして少し離れたところにいた 先生たちにも挨拶をして出口へ向かった
ヒカル
ケンシ
そう言い残し 出口のドアは閉まった
ぼくはお母さんに連れられて帰路につくことになった
俺の家はそんなに近くなかった
ただ誰かと一緒に帰る気にも 誰かに縋り付く気にもなれなかった
ケンシ
ケンシ
ケンシ
本当に本当に悔しい この感情をどこにぶつければいいのか
他人には知られたくない悲愴感に満ちていた
ケンシ
ケンシ
ケンシ
カナタを刺した犯人を おれはメッタメタにしてやりたい
怒りと悲しみが交互に打ち寄せた
ケンシ
ケンシ