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屋上の手すりに寄りかかりながら 俺は遠くの景色を眺めていた

etさんが初めて自分の過去を 話してくれた昨日が忘れられない

喧嘩が絶えない家族....

yan

そりゃあきついよな.....

etさんの言葉は短かったけど 一つ一つが重く感じる

あの時もっと何か 言うべきだったんじゃないか

そんな後悔が胸に残る

ガチャ____

屋上の扉が開きいつものように etさんが現れた

yan

あ、etさん!

et

.....おはよう

etさんの声は相変わらず小さいけど 少し柔らかくなった気がする

yan

今日もいい天気ですね

et

.....そうだね

俺たちはいつものように並んで立つ

でも今日は、いつもと違う空気を感じた

昨日、自分の過去を話してしまったことは自分でも驚きだった

でも、不思議と後悔はしていない

et

.....yanくん

彼が隣にいるだけで 少しだけ安心する自分がいる

et

昨日のこと忘れて.....

yan

え?

yanくんが驚いた顔でこちらを見た

et

別に大したことじゃないし、昔のことだから

話すべきじゃなかったかもしれない

yanくんがどう答えるか待つ間 心臓が少しだけ早くなる

yan

忘れませんよ

et

.....どうして?

その答えに私は思わずyanくんを見る

yan

俺、忘れるつもりないです。それだけ話してくれたんですから、大事に受け止めたいです。

yanくんの真剣な目に、胸がざわついた

et

....別に大したことじゃないって言ったでしょ?

yan

そう言うけど、俺はそうは思わないです

その言葉がなぜか胸に響いた

yan

俺も色々抱えてますから

その一言に私は目を丸くする

et

....抱えてる?

yan

はい。まぁetさんほどじゃないと思いますけど

yanくんの言葉は軽い調子だったけど その笑顔にはどこか影が見える

et

....そうなんだ

この子も何かあるんだ

yan

だからお互いあまり、無理しないようにしましょうね

yanくんが笑って手を伸ばし 軽く空を指差す

yan

俺たち似てるかもしれないですね

その言葉に私は少しだけ目を細めた

et

......そうかも

昼休みが終わり私たちは屋上を後にする

でも階段を降りながら私は小さく呟いた

et

......ありがと

yan

またそれ言うんですか?

yanくんが振り返り、笑って言う

et

......なんでもない

それ以上は言わない

だけどyanくんの笑顔が安心感をくれる

etさんが「ありがと」と言ってくるたび

俺は少しずつ救われている気がする

俺も少しずつ、自分のことを 話すべきなのかもしれない

いつか俺の過去も全部話せるかな....

その思いを胸に、俺は教室に戻った

私はもう一度歩いて、君とその先の未来を目指すよ

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