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ユウヤ
スズ
今僕たちの両手に握られているのは、ナイフとフォーク。
そしてそれらが元々置かれていた場所にはもう一つの武器、すなわちスプーンがある。
ユウヤ
スズ
ユウヤ
ユウヤ
スズ
スズ
スズ
ユウヤ
スズ
スズ
ユウヤ
ユウヤ
スズ
ずいっと、彼女の顔が近づく。
その目は爛々と輝いていて、いつもの冗談っぽい感じとは違って見えた。
ユウヤ
ユウヤ
スズ
立花さんは早速ナイフとフォークを傍に置き、代わりにスプーンを右手に取る。
まずスプーンで生地を突いて、いい感じの大きさに砕く。
そしてバナナやアイス、ナッツなどを一緒にすくって、そのまま口の中にシュートする。
それらは一つの具材も溢れることなく、綺麗に立花さんの口内にゴールした。
スズ
スズ
ユウヤ
口元に手をやって、もぐもぐする彼女と視線を交わす。
一瞬間が空いて、立花さんが瞳をキラキラ輝かせて興奮気味に感想を言った。
スズ
スズ
ユウヤ
スズ
スズ
スズ
スズ
何やらおかしなツボに入ったらしく、彼女は口元に手を当てながらコロコロと笑っている。
そしてその勢いのまま、僕の肩にとすんと頭を預けてくる。
ドキン、と心臓が跳ねた。
その髪から漂う甘い匂いが、鼻腔を経由して頭にまで届き、充満する。
それは夜更かしして翌日の昼間に起きてしまった時みたいに、僕の頭をポーっとさせた。
ユウヤ
僕はふるふると首を小さく振り、何とか正気を取り戻す。
スズ
ユウヤ
スズ
そう言って嬉しそうにこちらの皿にスプーンを伸ばしてくる彼女。
スズ
僕のクレープを頰張りながら、これまた幸せそうに目尻を下げる。
スズ
ユウヤ
ユウヤ
スズ
ユウヤ
ユウヤ
スズ
スズ
ユウヤ
立花さんの提案はあまりにも魅力的だったが、結局僕は普通にクレープをもらうことにする。
スズ
スズ
ユウヤ
スズ
出会ってからまだ数回目のデートだが、立花さんとのデートは食べ歩きになることが多かった。
しかもスラリとした細い体型に似合わず、彼女は結構食べるのだ。
ユウヤ
そして本人の言う通り、その時の立花さんはホワホワとした幸せオーラを放っている。
それはもう、惜しげもなく全身から。
デート中は常に明るく楽しそうな彼女だが、食べ物を頰張っている時は……
ユウヤ
スズ
スズ
スズ
ユウヤ
ストレートすぎるその言葉に意表をつかれ、思わずドギマギしてしまう。
ユウヤ
僕も伝えなければ。
彼女に伝えるべきこと。
自分の、気持ちを。
ユウヤ
ユウヤ
ユウヤ
それを聞いた立花さんは、モグモグさせていた口の中のものをゴクリと飲み込んでから、
小さく笑って、言った。
スズ
スズ
ユウヤ
その瞬間、氷のように冷たいものが、僕の背筋を撫でるのを感じた。
ユウヤ
真っ先に思ったのは、それだった。
ただの軽口だ。
僕がまごまごしたから、いつものようにからかっているのだろう。
そんなことは、わかっているのに。
ユウヤ
スズ
スズ
立花さんは気にしたふうもなくそう言って、クレープにスプーンを突っ込む作業を再開する。
しかし僕の胸には、重くて冷たいものがのしかかったままだった。
ユウヤ
スズ
そして気づけば、口が勝手に動いていた。
ユウヤ
ユウヤ