この作品はいかがでしたか?
648
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エリック
ダラ
ダラ
エリック
エリック
ダラ
???
???
???
中から出てきた金髪の妖精が、声を大にして僕とダラの会話を遮る
声を大にしてとは言っても、僕の通常くらいのボリュームしか出ていない
ダラと僕はその声で会話を中断し、改めて金髪の妖精を詮索する様に見詰めた
大きさは手乗りサイズ
金髪の髪は縛っているのか、長い後ろ髪が上品に肩から前に垂らされている
チラリと見える耳は少し尖っていて、一般的にエルフの耳と言われるソレだった
金髪の妖精は、すっかり黙り込んだ僕とダラを見て再び声を荒らげた
???
???
???
その一言で周りの空気が変わる
先程まで寒さなんて感じなかったのに、今は何だか肌寒い
微かに鼻をヒクつかせた妖精は、見た目ではなく匂いで僕とダラを人間と判断した
小さくてよく見えなかったけれど
目の前にちょこんと立つ妖精の、瞳の色が変わった気がした
ダラ
ダラ
眉をひそめて問い掛けるダラ
その質問の内容に、続いて僕も眉をひそめる
エリック
???
???
妖精は意味あり気にニタリと笑って言い捨てた
偉そうに腕を組んでふんぞり返る姿を見て、僕は確かにと手を打つ
エリック
ダラ
???
???
ーパキンッー
どこかで何かが割れる様な音がした
その見事な金髪を振り乱し、妖精は苛立ちを露わにする
背筋がピンと引っ張られる感覚がした
エリック
???
???
いよいよ死の宣告でもされるのかと息を飲んだその時
家の中から、金髪のちっこいのがもう1人出てきた
エリック
ダラ
???
???
シーナ
シーナ
シーナと呼ばれた妖精は、感情の感じられない声で兄を叱責する
兄妖精は怒鳴るのを止め、コホンと小さく咳払いをした
???
???
シーナ
シーナ
淡々と呟いて、シーナは中へと入って行く
兄妖精は至極驚いた表情を見せた
シーナの肩を掴み、兄妖精は慌てて抗議する
???
シーナ
シーナ
聞こえたシーナの言葉に、僕は思わずダラを見る
ダラは何を考えてるのかその表情からは読み取れなかった
僕の視線に気付いたのか、僕を振り返るダラとバッチリ目が合った
ダラ
エリック
ダラ
???
シーナ
シーナ
シーナ
シーナの声が明らかにトーンダウンする
こちらからシーナの表情は確認出来なかったが、兄妖精の身体がビクリと震えたのは見えた
???
???
シーナ
ピシャリとシーナは言葉を切る
顎に引っ掛けていたマスクをずり上げたシーナ
まるで、もうこれ以上は話さないよ、と訴えている様だった
エリック
ダラ
エリック
こんな話をしてる場合じゃないのに
ダラと話しているとつい、いつもの調子で他愛無い会話になってしまう
しばらく沈黙の時間が続き、ミシェルと呼ばれた兄妖精が深く溜め息を吐いた
ミシェル
シーナ
シーナ
ミシェル
どうやら話し合いは無事に完結したようだ
家の中へと入っていくシーナを、ミシェルはやれやれといった表情で見送る
ミシェルはクルリと身体の向きを変え、僕とダラに向き合った
その表情は一変して、気に入らないと僕たちを睨み付けている
ミシェル
ミシェル
ミシェル
ダラ
エリック
ダラの一言に僕は衝撃を受けた
妖精が出てきたり増えたりして、頭が混乱していたのかもしれない
この場所が元々居た場所と違うのだと、何故忘れていたのだろうか
僕は好奇心が勝ってしまっていたが、この小さな家の戸を叩いたのは何故なのか
それは当然、元いた場所に戻る為だ
こんな重大な事を、僕は完全に見落としていたのだった
エリック
エリック
ダラ
エリック
ズバリとダラに言い当てられ、僕はあからさまに動揺した
そんな僕たちのやり取りを見て、ミシェルは小さく舌打ちをする
ミシェル
エリック
ダラ
驚く僕とは違って、ダラは冷静にミシェルへ問い掛ける
一瞬ミシェルが笑った様に見えた
しかし、瞬き後には先程と変わらぬ鋭い目でミシェルはダラを見据えていた
ミシェル
ミシェル
ダラ
ダラ
ミシェル
家の扉を開けるミシェルを、ダラは人差し指で中へと押しやった
人形ならば、スーッとスライドするかコテンと倒れるかで済む
だが生き物であればそうはいかない
急に背中を押されたミシェルは、弓形に背中を反らせて倒れる様に前へ進む
僕のように反射神経が悪くなければ、ここで1本足が前に出る所
しかしミシェルは
足ではなく、羽を出したのだった
ミシェル
ダラ
ダラ
エリック
ダラ
エリック
エリック
エリック
ミシェル
ミシェル
僕はミシェルの羽を見て瞳を輝かせる
その羽は黒く、一般的に天使の羽と言って想像される形状をしていた
あまり大きくは無い
僕がミシェルの羽を触ろうとした時
家の奥から、重苦しくて居心地の悪い空気がドッと流れ出してきた
目に見えた訳では無いが、流れ出てきた様な気がした
元々白いミシェルの顔から、更に血の気が引いていく
ミシェル
ミシェル
エリック
ダラ
ミシェル
ミシェル
焦った様に声を荒らげるミシェルに従い、僕とダラは赤いポストに指先で触れた
特に意識もせずに瞬きをする
そして目を開けた
目の前には先程触れた赤いポストがある
エリック
エリック
ダラ
ミシェル
ミシェル
エリック
エリック
ダラ
エリック
エリック
自分の目を疑うとはこの事
ついさっきまでミニチュアだった物が、僕にとっての通常サイズとなっている
すげぇとか言いながら、ダラは全く驚いていない
少し辺りを見回し、スタスタと家の中へ入ってしまった
その適応能力は何処で身に付けたのか教えて欲しい
ミシェル
エリック
エリック
ミシェルに引きずられ、僕も家の中へと入る
この数分後
僕の顔から笑みが消える事となる
第3話 『金髪と妖精ともう1人』
コメント
4件
次も楽しみに待ってます(*´ω`*)
もう…、チーぺぺの作品は…面白すぎて神っ!!(๑•̀ㅁ•́๑)✧尊敬する…!!