一日目…
遠井
遠井さんが唐突に放った言葉に俺は困惑した。
ジェル
そう訪ねても遠井さんは無表情のままで、どこかへ行ってしまった。
まさか、あの噂が本当だとは俺はまだこの時思ってもいなかった。
どこにでもあるただの«学校の怪談»程度にしか考えていなかった。
でも、今日の遠井さんは何だかおかしい。
ジェル
漠然と不安を感じてた時だった。
今にも泣き出しそうな表情を浮かべて友達の莉犬が近づいてきた。
莉犬
怖い話が大っ嫌いな莉犬からしたらただの噂話も恐怖の対象になってしまうのだ。
ジェル
俺は必死に莉犬を慰めるが、不安なのは莉犬だけじゃないのだ。
ころん
放課後の教室で、遠井さんに「カラダ探し」を頼まれた俺たちは話し合っていた。
ころん
さとみ
莉犬
ななもり。
るぅと
ころん
ころんの言う通り、普通ならそう思ったかもしれない。
でも、今日の遠井さんの目はマネキンのようで。どこを見てるのか分からなく冗談には見えなかった。
ころん
その言葉で俺たちは教室をあとにした。
この後何が起こるかも知らずに……。
学校から帰った後、俺はいつものように眠くなるまでるぅととメールをする
いつも通りの変わらない夜…だと思っていた
るぅと
莉犬と同様で、怖いのが苦手なるぅとが珍しく怖い話を始めた。
ジェル
その文を打った時チクッと胸が傷んだ。
昨日一緒に提出しに行ってれば、遠井さんはこんな冗談を言わなかったかもしれない。
るぅと
今日のるぅとはヤケに乗り気だ。
どうして赤いかなんて、考えなくてもわかる。
ジェル
るぅと
なんだか、メールの相手がるぅとじゃない気がする。
いつもなら、どちらかが返信しなければメールが終わるのに、返信してなくても携帯電話が鳴り響く
何回も何回も……。
ジェル
俺は不安と恐怖、そして鳴り止まない携帯への怒りにるぅとに電話をかけた。
ジェル
るぅと
ジェル
るぅと
俺の携帯にはるぅとから大量のメールが来てて、るぅとには俺から大量のメールが来てる。
じゃあ、このメールは誰が送っているの…???
背筋に悪寒が走った
ジェル
そういい電話を切り、恐る恐るメールボックスを開いた。本当は確認なんてしたくない。
ジェル
るぅとからのメールなのに、るぅとが送ったものとは思えなかった。その分は全て
無視するな
と、沢山送られていたのだ。
気味が悪い…そう思った時新しいメールを受信した。その内容は……
やっと見たな?
…と書かれていた。
ジェル
この恐怖から逃れたい一心でカラダを縮めた。
ジェル
ジェル
そうおもっていたときだった。
急に冷たい風が吹いた。おかしい、窓は全て閉めているはずだ。
異変に気づき、ゆっくり目を開けるとそこは………
ジェル
理解が追いつかず、固まる俺。
俺は、学校の玄関の前で寝転んでいたのだ。
慌てて体を起こした。パジャマだったはずの服装が制服に変わっていた。
ジェル
周りを見回すと、莉犬、るぅと、なーくん、さとちゃん、ころんが居た。
さとみ
大の字で寝ていたころんを起こしたのはさとちゃんだった。
ころん
ようやく異変に気づいてキョロキョロと周りを見回すころん。
ななもり。
莉犬
るぅと
ころん
ななもり。
るぅと
ジェル
皆が唐突の出来事に戸惑っているときだった。
目の前でギィ…と音を立て玄関の扉が開いたのだ。
るぅと
…と、校門の方を見ると
ころん
ジェル
るぅと
ななもり。
そう言ってポケットからスマホを取り出すなーくん。
ななもり。
俺も含めてみんな首を横に振った。
ジェル
そして、また着信が来ているメールボックスを興味本位で開いた。そこには…
赤い人
赤い人は歌を歌う
赤い人に追いつかれたら背中にしがみつかれる。そして、歌を歌い終わったら「殺される」
さとみ
きっと全員さとちゃんと同じ思いを持っているだろう。俺もそうだ。
莉犬
ころん
ななもり。
ころんに続いてみんな校舎に入っていく。
取り残されるのだけは嫌だ、俺もみんなについて行った。
校舎は外とは違う、ひんやりした寒さに覆われていた。
ころん
…と、ころんが言った時だった。
キィィィィィィ………。 と言う音を立てドアが閉まった。
ころん
と言いながらころんがドアへ向かってるその時……
〘 ザザッ……トントン……。〙
近くのスピーカーから音がした。こんな時間に放送室に誰かいるの??
〘赤い人が、生徒玄関に現れました。皆さん気を付けてください。 〙
ジェル
さとみ
ころん
ドアをがむしゃらに叩くけれど、開くことは無かった。しかも、
莉犬
莉犬がころんの背後を指さして震えていた。
さとみ
1番冷静だったさとちゃんの顔が真っ青になった。それを見た全員が2人の視線の先を見る…
そこには、頭から足まで真っ赤に染った女の子が立っていた。
さとみ
そう呟きさとちゃんがその場から逃げようとしたその時だった。
バタッ………
後ろから短い悲鳴と何かが倒れる音がした。
るぅと
全員がそこで見たのは、さとちゃんらしき肉の塊の上で笑う「赤い人」の姿だった。
ジェル
俺が気づく頃には手遅れだった。
«ねぇ、赤いのちょーだい»
真っ赤に染った女の子が俺をみてニタリと笑ったのだ。 そして次の瞬間 俺の頭が床に転がって、首から上が亡くなった。自分の体を見つめていた。
ジェル
ジェル
ジェル
そのことに気づいたのは俺が死んでから。 最後に見た景色は、俺の体を楽しそうに引きちぎって遊ぶ女の子の姿だった。 続き出します ここまで閲覧ありがとうございました。
コメント
1件
続き楽しみです( * ॑˘ ॑* ) ⁾⁾