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フェル美

今回からまた瑠音パート!

フェル美

はじまるよ〜!

晴天のヨコハマにて

瑠音

はぁっ、はぁっ……

瑠音

なんで…………こんなことに…………

立原道造

ほらほら!この程度でくたばるなよ!

瑠音

………………もうやだ…………

遡ること1時間

ポートマフィア傘下 黒蜥蜴の拠点にて

尾崎紅葉

……という訳で、諸君らには此奴をマフィアの戦闘員として使えるように訓練してやって欲しい

広津柳浪

幹部殿の頼みとあらば、断る道理もありません

広津柳浪

然し……何故我々のところへ?

広津柳浪

暗殺の手解きならば、我らよりも優秀な教師がいる筈。それに、我々も子守の為に存在しているのではありませんが

尾崎紅葉

ま、そう思うのも道理じゃ

尾崎紅葉

じゃがこの子は不死身の異能者、その力を狙って他の組織に狙われる事も十二分に考えられる

尾崎紅葉

……現に、マフィア内でも実験に使いたいだのとほざく馬鹿がおる

尾崎紅葉

広津、そなたらならば、不死者の護衛も十分務まるじゃろう

尾崎紅葉

瑠音を頼むぞ

広津柳浪

承知いたしました

広津柳浪

……立原、銀

広津柳浪

瑠音の面倒を見てやってくれ

立原道造

了解!……って何で俺たちが……

(文句を言うな、と言いたげに道造をつついた)

立原道造

わかったわかった!下手な事したら紅葉の姐さんに何されるかたまったもんじゃないしな

立原道造

てことで宜しくな、瑠音

瑠音

…………よろしく

瑠音

…………あなたたちは……何をする人たち……?

立原道造

黒蜥蜴のことか?まぁマフィアの切り込み隊みたいな……荒事専門部隊だな

(頷く)

瑠音

……荒事専門……

瑠音

なら…………怪我したり……殺されたりとかも……する…………?

立原道造

ま、するな

立原道造

でもその程度でぴーぴー泣いてるような奴はマフィアで生き残れねぇ。たとえ女子供でもな!

瑠音

そっか…………

瑠音

…………たのしそう

……確かに素質はある

立原道造

うぉっ!?急に喋んな!

立原道造

……ともかく、だ!瑠音、お前はケンカとかした事はあるか?

瑠音

…………たくさん怪我して、怪我させたことはほんのり覚えてる……けど、ケンカは……よくわからない……

立原道造

……じゃあ、運動は得意か?

瑠音

…………うんどう……?

立原道造

誰だこんなのに荒事屋の素質があるとか言い出したの!!!

……報告では、かつての主人から殺され方を教え込まれたという記憶があると……

立原道造

……よし!ここは体力作りからだ!

そして現在に至る……

瑠音

あの…………ぜぇ、ぜえ………

瑠音

走りこみと、マフィアの仕事に…………

瑠音

はぁ、はぁ………………

瑠音

…………何の、関係が…………?

立原道造

ん?そりゃあ、何をするにも体力は無いと駄目だからな

立原道造

潜入にしろ殴り込みにしろ、今のお前みたくすぐへばってたら役に立たないだろ?

立原道造

それに……

街の人

おっ、キミらもランニング中?

立原道造

こんちは!今日はいい天気ッスからね!

街の人

だな!頑張れよ!

立原道造

…………てな具合で、顔見知りができたりする

瑠音

……誰今の人

立原道造

N社の役員だ。俺たちもマフィアである以上に……ヨコハマの住民だからな

立原道造

こうやって街を走ってたら情報収集にも繋がるし、馴染みができたら相手を油断させやすくもなる

瑠音

意味…………あるんだ……

立原道造

まぁな!あとは何より……

立原道造

こうやって体動かしたり、色んな人に会うのって気持ちいいだろ?

瑠音

気持ちいい…………

瑠音

……こういうのも、「気持ちいい」なの……?

立原道造

……お前、よっぽど禄でもないとこで育ったんだな

立原道造

さて、もう一走りしていくぞ!

瑠音

……まだ走るの……?

立原道造

上の者の命令は絶対!だからな!

瑠音

…………はぁ……

同日、武装探偵社にて…

与謝野晶子

……敦、ちょっといいかい?

中島敦

与謝野先生……さっき運び込んだ人のことですか?

与謝野晶子

ああ。アイツの事だけど……妙なんだ

与謝野晶子

鏡花が夜叉白雪で切りかかったのは確かなんだろう?

与謝野晶子

……尤も、アイツの服は初めっからボロボロで血塗れだったから、どれが夜叉の付けた傷だか判ったモンじゃなかったけど

中島敦

それで、妙なところって何なんですか?

与謝野晶子

妾が異能を使っても無いのに、傷一つない体だったンだ

中島敦

えっ!?でも、確かに血を流して倒れてたし、切り傷を塞ぐ為に処置もしたんですよ!

中島敦

なのに傷跡がないって……

与謝野晶子

妾に似た治癒の異能の持ち主ッてのは考えられるけど、そんなヤツがヨコハマにいればどの組織も黙っちゃいない筈だ

与謝野晶子

……鏡花を襲おうとした危険人物なのは確かだから、寝台に拘束しておいたよ

与謝野晶子

アイツが目を覚ましたら、じっくり話を聞いてやらないと……

死にたがりのわたし、殺したがりのあなた

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