くまぁぁ
くまぁぁ
くまぁぁ
くまぁぁ
シャボン玉は四方八方に広がっていく
赤 幼い
赤
赤君が明るい声で歌い出した
黄 幼い
黄君はシャボン玉を追いかけて
公園中を走っている
桃君は今までに無いぐらい 楽しそうに笑っていて、
なんだか僕も嬉しくなった
しばらくして
突かれた僕は、少し休もうと ブランコに座った
すると桃君もやってきて 僕の隣に腰を下ろした
青 幼い
桃 幼い
彼はふうっと息を吐き軽くブランコ こぎなからしみじみ言う
桃 幼い
青 幼い
青 幼い
青 幼い
桃 幼い
桃 幼い
青 幼い
桃君のブランコが止まる。
桃
彼は少し眉を寄せて首を傾げたけれど、
僕は、確信を持って「そうだよ」と深く頷いた
桃君はまだ知らないんだ
自分がどんなに特別な人なのか。
でも僕は知っている
桃君の素敵なところを
今の僕にはうまく言葉にできないけれど
桃 幼い
桃君は、ベンチに置いてあった荷物を持ってきて
スケッチブックと色鉛筆を取り出す
青 幼い
桃 幼い
桃 幼い
青 幼い
綺麗なものを見て感動して
その気持ちを絵に残す
そんな発想など全く持っていなかった 僕は驚きにめを開いた
また、見つけた
桃君の素敵なところ
桃 幼い
桃 幼い
僕は大きく頷いた
青 幼い
さっきよりも優しく そろそろと息を吹き込む
勢いがよすぎて弾けて消えないように
少しずつ少しずつ慎重にい 空気を送り込んでいく。
桃 幼い
桃 幼い
それが飛び立つと、すぐに次のシャボン玉が生まれた
桃
桃
桃
桃
ぶつぶつとひとりごとを言いながら観察した後
桃君は、色鉛筆を動かした
彼は絵を描き始めるととんでもない 集中力を発揮して 話しかけても反応しなくなる
桃 幼い
桃君がふと目を上げ 空を噛み締めるようにつぶやいた
なんて穏やかな時間で 幸せな時間だろう
自然と頬が緩んだ
この時間が永遠に続けば良いのにー。
そんな事を考えながら ストローをふうっと吹く
ふうっと息を吹きかけてみたけれど だめで
力尽きたように一気に落ちていく
そして地面に触れるか触れないか ぐらいのところで
音もなく弾けて消えた
まるで、初めからシャボン玉なんて なかったかのように…
青
その瞬間、目が覚めた
見慣れた天井がやけに遠く感じる
瞼の裏にはひとりぼっちで 消えていった
シャボン玉の残像がくっきりと 残っていた
ふ、と唇が歪む
なんて古い夢を見たんだろう
何年も前のことだ
彼らとあんな風に退屈なく 過ごしていた幼い日々は。
もうあんな時間は過ごせないだろう
過去には、戻れない
未来にも飛んで行けない
あるのは現実だけ
何にも知らなかった能天気な自分を懐かしんだって
振り返ればきらきら輝いて見える あのころが眩しいだけだ
思い出なんて、ただの過去の残骸だ。
この先どんな出来事が待ち受けているか 想像を巡らせたって
それはどうせ希望的観察だ。
自分の未来に輝かしいものに なるなんて保証はない
“今”から逃れることはできない
逃げてはいけない
青
唇からもれた、情けないほどか すれた声だった
長い長い夏休みは、もう終わった
学校が始まる
僕はひと息吐いて、 のろのろと起き上がった
くまぁぁ
くまぁぁ
くまぁぁ
くまぁぁ
コメント
3件
表現の仕方すごく好きです、🥲💖続きが楽しみです!🎀 くまぁぁ〜!様は最近知ったのですがすごく素敵な作品で更新が生き甲斐です🫶🏻
表現力と語彙力凄すぎませんか!? 言葉が一つ一つ美しい…🥺💞