テラーノベルの小説コンテスト第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

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零の部屋

第5話 - 第一回　人生経験談

2024年03月26日

#自己紹介

雨晒しの原稿用紙ー雨原零

雨原零

第一回ー

雨原零

人生経験談ー

神風呪縛

イェーイ

神風呪縛

っていう雰囲気でもないな
この場所

神風呪縛

このコーナーではなにを紹介していくんだい

雨原零

誰かの生きる希望になるようなお話をしようかなと

神風呪縛

雨原もたまには良いこともするんだねぇ。

雨原零

当然ですよ

雨原零

だってここは、TwitterでもInstagramでもTikTokでもない、

雨原零

友人や家族から侵入される恐れがない場所よ。

雨原零

それに年齢制限がスマートフォンにかかっている人でも手軽に利用できるネットワークよ

神風呪縛

まあ、TikTokは12才から

神風呪縛

Twitterなんかは18才からだものな

神風呪縛

tellerはログインで電話番号を入力もしないでよいし誰でも気軽に始め易い

神風呪縛

……心に傷を負った少年少女も含め。

雨原零

その通り。

雨原零

だから、ここで活動をすべきだと思ったの

雨原零

他にも同じようなことをしている人はいるけれど、

雨原零

私は一度苦しみを乗り越えた人間。

雨原零

ひょっとしたらもっとみんなのそばに寄り添ってあげられるかもしれないわ

神風呪縛

お前のような変人は無理だと思うぞ

雨原零

そうかもしれないけど！

雨原零

ひょっとしたら、誰かの力にはなれるかもしれない。

神風呪縛

「冷徹・冷酷血も涙もない帝」の名をどこに捨てたんだろうなお前は

雨原零

どっかそこら辺よ

雨原零

でもどこなのかは知らない

雨原零

私も人間を嫌わず生きれるようになったのよ。進歩よ。

神風呪縛

おめでとう

1,死にたかった話

神風呪縛

なんか暗いな

雨原零

でも過去形よ

雨原零

色々あったの。

雨原零

まず、友達に見捨てられたわ

雨原零

自分の身を犠牲にする覚悟で、

雨原零

仲間外れにされる覚悟で、
幼い頃からの友人を救ったの

雨原零

その子を一人にしないように、私、ずっとそばにいたわ。

雨原零

その子はね、ボーイッシュで優しくて、みんなと仲良しだったの

雨原零

だからみんなにひがまれてて。私見捨てられなかったの

神風呪縛

……それで、どうなった

雨原零

その子からあっさり切り捨てられたわ

雨原零

それが人生初の裏切りというものだったわ

雨原零

でも、私の幸せを一番に願ってくれている両親にはとてもそんなこと言えなくて

雨原零

担任にもそんなこと言えなくて、一人でからに閉じこもっていた

雨原零

……そんなとき、救世主が現れたわ

神風呪縛

よかったな

神風呪縛

だから過去形なのか、
死にたかったっていうふうに

雨原零

ふふ、どうかしら

雨原零

その人は、クラスでの評判はあまり良い子ではなかったけれど、ひとりぼっちだった私に

雨原零

積極的に話しかけてくれたわ

雨原零

でもね、結論から言っちゃうと

雨原零

進級後その子はストーカーになっちゃったわ

神風呪縛

……雨原零。さすがに同情する。酷い人生だな

雨原零

話を戻して進級前。

雨原零

担任にいじめられていたことを打ち明けたわ

雨原零

裏で文句言われていたし、

雨原零

なんなら表でも言われてたの。

雨原零

本当にクラス全員から無視されてて。

雨原零

そんな状況が三ヶ月かそこら続いた。

雨原零

ついに、私は担任に打ち明けたわ

雨原零

私はこんなことをされています

雨原零

もう本当に辛いのです

雨原零

神風呪縛

よかったな、伝えられて。それで収束して、お前はここにいるってわけか。

雨原零

……さあ？

雨原零

でも結局先生が働きかけてもその子達はやめなかった。

雨原零

その後、その子達はSNSを通じて私を遠回しに侮辱したりもした。

雨原零

それに便乗した他のクラスの人からの扱いもひどくなった

雨原零

SNSの投稿にものすごい量のいいねがつけられていたわ。とはいっても百には満たなかったけれど。

雨原零

でも、当時の私にとってはたくさんよ。本当に、たくさん。たくさんの人が、私を痛ぶることに賛成しているって感じた。

神風呪縛

…………それは辛い

神風呪縛

で、その最初出てきた、お前が救った裏切り者の友人は

雨原零

その子の親がいじめに気づいて

雨原零

私と一緒にいてやれって言ったりしたみたいで、

雨原零

遊びに行く機会が増えた

神風呪縛

よかったじゃないか

雨原零

ううん、その子はただ親から言われたからそうしてただけ

雨原零

私の心はむしろそれによって踏みにじられたわ

神風呪縛

…………偽りの友情、か。

雨原零

何もかもくだらなくなって、死にたくなった。

雨原零

死にたくなった。

雨原零

死にたくなった…………

雨原零

そのうち担任まで私の話をまともに聞いてくれなくなって。

雨原零

その後の話だけど別件でその担任は逮捕されたわ。

神風呪縛

ざまあ、だな。

雨原零

ええ、正直そう思っているわ

雨原零

それでねそれでね。

雨原零

突然学校が休校になったわ。ものすごくあり得ないことが起こって。

雨原零

神様だけは私のことを助けてくれたのよ。

雨原零

人間は私のことなんて救ってくれないもの。

雨原零

結局最後まで私を裏切らなかったのは両親だけ。

雨原零

両親には感謝してもしきれないわ

神風呪縛

それで、その後どうなった？進級した後。

雨原零

まず、いじめてきた連中のうち数人は不登校になったわ。

神風呪縛

で、担任逮捕。唯一の味方はストーカーと化す。

雨原零

あともう一人他のクラスに味方いたんだけど、その子は他のところに行っちゃった

雨原零

それで、主犯格はしぶとく今も幸せそうにしているわ。

雨原零

まあ、私よりは幸せじゃないでしょうけど。

雨原零

それに私は平和になったおかげで学力向上。

雨原零

えげつない進化を遂げた私に歯向かうものはいなくなったわ

雨原零

またの名を王。神とか化け物って呼ぶ奴もいたわ。

神風呪縛

学力おそろしや

雨原零

いじめられていた当時は頭が悪くてね

神風呪縛

逆転劇だね

雨原零

馬鹿って罵ってきたあの連中は誰に向かってそんなことを言ったのか分かってんのかしらね

雨原零

県模試一位だぞ

神風呪縛

しれっと自慢するな

雨原零

ストーカーから守ってくれる人とも出会い、素敵な担任にも恵まれ、

雨原零

私の人生は好転したわ。

神風呪縛

人間って変われるものだな

雨原零

と、言いたいところだけど、

雨原零

私の悲劇はこれで終わりではなくてね。

雨原零

しばらくの期間いろんな立場のいろんな人間からのモラハラとセクハラに悩まされることになるわ

神風呪縛

可哀想

雨原零

でしょう？

雨原零

その話はそんな甘い内容じゃないし今でもまだ俯瞰して見られるほどの話ではないから、

雨原零

ここでは端折るけれど、

雨原零

すごく身近な人間からのモラハラに関しては当時私気づけなかったの。でもね、ある人がそれっておかしいよって教えてくれて。

雨原零

その人が私の人生を変えたと言っても過言ではないの。

雨原零

まあそうね。ハラスメントの嵐の間は何度か飛び降り自殺を試みたわ。

雨原零

近場に高い建物がなかったし、腕力的に窓をよじ登れなかったから諦めたけれどね

神風呪縛

逆に腕力があったらどうなっていたのか。

2,終わりに

雨原零

でも、今は幸せなの。

雨原零

不幸って重なるわ。

雨原零

でも幸せも重なるの。

雨原零

昔自殺を考えたことがあったって話したら

雨原零

生きていてくれてよかったなんて言ってくれる人がいて。

雨原零

それに今は生活も安定しているわ。

雨原零

全てが満たされた生活じゃない。やっぱり今も人間は信じられないし。

雨原零

でも、生きていてよかったって思える瞬間は誰にでも絶対に来る。

雨原零

でも、死んでしまったらそんな瞬間が来なくなるわ。

神風呪縛

確かにな

雨原零

人生、誰かがいい方にも悪い方にも導いてくれる。

雨原零

誰かを信じれば変わる。それが尊敬だろうと恋慕だろうと別にいいのよ。

神風呪縛

……そうか。

神風呪縛

で、進化した雨原。いまの野望はなんだ？目指す道は？

雨原零

いまの野望はね、喫茶店に行きたいわ。

雨原零

思い出が深い場所。

神風呪縛

行けてないのか

神風呪縛

その思い出の深い場所に

雨原零

ええ、色々あってね

神風呪縛

来年、再来年には、いまの状況のことも俯瞰して「不幸だった」と言っているのだろうなお前は。

雨原零

そんな気がするわ

雨原零

人生ってずーーっと辛いのよ

雨原零

死ねるものならそれがいいわ

神風呪縛

おい、お前がそっちサイドに行ってどうする

雨原零

あら、本当ね。

雨原零

でも、こんな死にたいって思いながら、

雨原零

消えたいって思いながら、

雨原零

それでも生きていて幸せな瞬間はある。

神風呪縛

例えば

雨原零

誰かに生きる希望を与えることができたとき。

神風呪縛

……つまり？

雨原零

毎日が幸せなの。

雨原零

私は毎日誰かを救えている。

雨原零

なんの技能も持たない、知識も持たない、こんな自分でも、

雨原零

唯一できることがあって、
誰かを幸せにしてあげられている

神風呪縛

唯一できることって？

雨原零

私の場合は、

雨原零

不測の事態に備えることと心の波紋を読み取ること。

神風呪縛

秘書かマネージャーだね、特技が

雨原零

ええ、そうなの

雨原零

だから近々秘書検定を受けようと思ってるのよ

神風呪縛

いい人生じゃないか

雨原零

本当にそうよ

雨原零

こんなふうに幸せになれたのは、

雨原零

自分の心の傷に向き合い、
私は人間が嫌いなのではなく、
過去に出会ったすべての人間が嫌いなだけなのだ

雨原零

そう自分の中で分かったとき。

雨原零

今そばにいる人間を強く思っている自分を愛せたこと。

雨原零

それが復活の糧だったと思うの

雨原零

鬱のような症状は今でも時折ぶり返す。

雨原零

でも、幸せよ

雨原零

三島由紀夫の作品に

雨原零

幸福という病気の療法というものがあるわ

雨原零

人よりも自身は不幸であるという優越感の中で生きる現代人のマウントの病理を忠実に描き出した作品よ

雨原零

そう、不幸をステータスだと思っているうちは幸せになんてなれない

雨原零

幸せな自分を愛せない限り、幸せにはなれない

雨原零

このしがなく拙い文章が傷ついた人の立ち上がる糧の一部となれれば幸いです。

神風呪縛

糧になれる、かな？

雨原零

ならないと思うわ

雨原零

でもこれが、私の歴史。

雨原零

自分語りは以上で終わります。

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