テラーノベル
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狐拍梨杏
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うりの震える指が、画面をゆっくりとスクロールしていく
プレッシャー
苦しい
明日もちゃんと笑わなきゃ
しんどい
みんなの足を引っ張っちゃだめだ
全部ダメ
もう少し声を大きく
迷惑をかけないように
メモに殴り書きされた、自分を追い詰めるような言葉の数々
じゃぱぱが掠れた声でそれを静かに読み上げるのを、俺たちは言葉を失って聞いていた
えと
えと
俺はもしやと思い写真のアプリを開く
画面が切り替わった瞬間、俺は目を見開く
うり
後から見たメンバーたちがその光景を見た瞬間、空気が凍りついた
たっつん
そこに保存されていたのは、何十枚、何百枚もの、ネットのアンチコメントのスクリーンショットだった
『ヒロ、最近つまんない』
『からぴちに王子様キャラなんていらない』
『もっとちゃんと喋れよ』
画面を埋め尽くす悪意の羅列
そしてその画像の一枚一枚に、ヒロくんの文字で、びっしりと編集機能のメモが書き込まれていた
――『もっと動画を見返して、喋るタイミングを直す』
――『次の撮影では、もっと楽しそうに、完璧な笑顔を作る』
――『みんなに迷惑をかけない。俺がいらないなんて言わせない』
じゃぱぱ
じゃぱぱ
誰かに見せるためじゃない
ただ、自分が「完璧な王子様」であり続けるために、悪意を何度も見返して、自分に呪いをかけ続けていたのだ
うり
俺は自分の髪をむしり取るようにして、その場に激しく膝をついた
うり
うり
うり
うり
床に涙をボタボタと落としながら、うりが狂ったように叫ぶ
いつも優しく笑っていたヒロくんの、仮面の下の本当の姿
あまりにも残酷で、あまりにも健気なその『素顔』を前に
俺たちはただ、涙を流すことしかできなかった
コメント
37件
すみません、また涙腺破壊されたんですけど弁償してもらってもいいですか!?この神主!!!みずもちさん神!!あぁ!

