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咲野藍

はぁ〜快適〜

エアコンが完備している保健室は神だ。

いつもキンキンに冷えている。

6月に入ったというのに、最近は雨ではなく日差しばかりが照りつけている。

6月になると女子は夏服になり夏が来たなと実感する。

咲野藍

なんで毎日こんな暑いんだろ

保健室は締め切っているので、保健室を出ると地獄である。

小日向芽依

夏だからだろ

姫沢咲良

今日は外には行けないわね

咲野藍

確かに

夏になると暑すぎて外に出れないのだ。

だから私達は授業中は保健室に来る生徒の邪魔にならないように1つのベットに座りカーテンを閉めて話しているのだ。

藤岡知子

そういえば藍ちゃん

咲野藍

なにー?

藤岡知子

あの手紙担任に渡してきなさいよ

咲野藍

あー…

あれか

小日向芽依

なに手紙って?

藤岡知子

ただのアンケートよ

姫沢咲良

私達そんなのもらってないわ

昨日先生から手紙をもらっていたのだ。

私は教室に行かないから担任からもらったらしい。

明日に書いて渡してほしいと言われた。

昨日書いて手元にはあるのだが…

そうなると1個気になる点がある。

咲野藍

それ…私が持っていくの?

藤岡知子

当たり前じゃない

咲野藍

はぁー…

つまり私は一人で教室に行かなければならない。

過酷だ。無理だ。

小日向芽依

いやいや、いくらお前が人混み苦手だとして教室は行けるだろ

咲野藍

やだ。無理。

人混みも嫌いだが、あの教室がそもそも無理なのだ。

藤岡知子

そうよ、あなたもいつまでもここにいるわけにはいかないでしょ?

この流れだと行くしかないのか…

姫沢咲良

ほらさっさと行ってきなさい

咲野藍

…じゃ、行ってきまーす

藤岡知子

行ってらっしゃい

私は手紙を手に取り自分が登校するはずだった教室に向かった。

咲野藍

2年の教室ってどこだよ

私は2年になってから1回も教室に入ったことがない。

だから分からないのだ。

あ、あった。

教室には2年1組と書いてある。

確か私は2年1組だったはず。

つまりここか

中には担任の先生が見える。

咲野藍

はぁ〜…

この扉を開けたら教室に入れるのに手が上手く動かない。

落ち着け。過去は過去だ。

女子

ねぇ、あれ噂の「咲野藍」じゃない?

咲野藍

…?

女子

え?あのヤンキーしてるって噂の?

たくさんの視線がこちらに向いている。

だから来たくなかったんだ。

男子

でも保健室に登校してるんじゃなかったの?

男子

なんで今更ここにいんの?

女子

はっきり言って邪魔なんだけどwww

女子

それなー!ww

全身に脂汗がでる。

嫌だ。嫌だ。嫌だ。

なんで私がこんな目に。

誰か…誰か…助けて…

成瀬春樹

せん…ぱい?

咲野藍

え?

成瀬春樹

なんで教室にいるんですか?というか入らないんですか?

「なんで教室にいる」というのは私が普段保健室に登校しているからだろう。

ん?ていうかなんでこいつもここにいるんだ?

ここは2年フロアのはずで、こいつは1年のはずだ。

咲野藍

てかなんであんたもここにいんの?

成瀬春樹

あー、僕は2年フロアに用があったんですけど

成瀬春樹

先輩がいたからもういいです!!

成瀬春樹

僕は先輩最優先です!!

咲野藍

なにそれ

咲野藍

本当頭おかしいよあんた

成瀬春樹

そうですね!!

女子

なんで春樹さまとあいつが喋ってんの?

女子

たしかに

こいつといると、心なしか周りの声が聞こえても気にしなくなってきた。

成瀬春樹

ていうか先輩の用事は?

咲野藍

いや、えっと…

成瀬春樹

分かりました、自分の担任の先生にその手紙渡したいんですね?

咲野藍

こわ…お前なんで分かるん

成瀬春樹

先輩のことなら何でもわかりますよ!

なんでこいつは2年1組が私の教室だと分かるんだろう。

それにどうして私の用事が分かるんだろう。

成瀬春樹

ちょっと待っててください

成瀬春樹

氷室先生ー!

この「氷室」というのが私の担任の先生である。

てかなんでこいつが私の担任の先生の名前知ってるんだ

咲野藍

(ますます怖くなってきた…)

すると氷室先生は教室から廊下に出てきた。

氷室健人

どないしたん?

成瀬春樹

先生、先輩が用事があると

氷室健人

ん?先輩?

咲野藍

お久しぶりです

氷室健人

おー!久しぶりやなぁ!

この先生は私の担任であり、教えている科目は数学である。

わかりやすく、ノリがいいことから生徒から人気がある。

ちなみに関西弁で喋っている件に関しては、この先生は関西出身ではない。

つまり、エセ関西弁ということだ。

咲野藍

これ渡しに来ました。

氷室健人

おう、ありがとうな〜

成瀬春樹

ん?「久しぶり」ということはお二人は面識あるんですか?

2年になってから一度も教室に登校してないのになぜ「久しぶり」ということなのか不審なのだろう

咲野藍

先生とは去年から絡みがあったから

成瀬春樹

へぇ〜そうなんですね〜

本当だ。先生は去年からお世話になっている。

成瀬春樹

じゃ僕はもうすぐ1年のホームルームが始まりそうなんでさよなら〜

あいつは手を振ったが私は返さなかった。

氷室健人

仲良いんだな?

咲野藍

良くないです

きっぱり答えた

氷室健人

なぁ、ちょっと話があるんやけどちょっと時間ええか?

咲野藍

分かりました

私は速く保健室に行きたい気持ちを抑えて先生について行った。

連れて来られたのは美術室だった。

氷室健人

まぁ、ここ座りなさんな

咲野藍

ありがとうございます

氷室健人

それにしてもほんま久しぶりだなぁ〜

氷室健人

元気にしとったか?

咲野藍

はい、元気です

氷室健人

最近6月なのにめっちゃ暑いからきぃつけぇや

氷室健人

あ、あとこれ

咲野藍

なんですかこれ?

氷室健人

一学期の期末テストの範囲表

氷室健人

これ見てがんばりぃや

氷室健人

藍は頭いいから期待しとるで

咲野藍

あの

私のこの言葉で先生が静かになる。

咲野藍

私はぐらかされるの嫌いなんです

咲野藍

わかってますよね?先生も

咲野藍

だから速く本題に入ってください

先生の話し方からして私の顔色をうかがって話をしているのはすぐにわかった。

とっとと本題に入ってほしい

氷室健人

わかった

氷室健人

実はお前も保健室登校が続いてるやろ?

氷室健人

単刀直入に言うとそれを直してほしいんや

氷室健人

もちろん今すぐにとはいわへん

氷室健人

段々と改善していけばええんや

咲野藍

嫌です

私はすぐに答えた。

氷室健人

なんでや

咲野藍

あの教室と自分が嫌いだからです

氷室健人

それは…どういうことや?

咲野藍

それだけです。さようなら

氷室健人

待てや、まだ話すことが

咲野藍

私は話すことは何もありません

咲野藍

あと、今の状態を改善したいとは思いません

咲野藍

では

私は美術室を去ろうとした。

氷室健人

「あの時」みたいになんで教室が嫌なのか教えてはくれないんか

咲野藍

私は無視してこの場を去った。

何故か美術室はクーラーをつけていないのに寒かった。

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