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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

藤岡知子

じゃあ、今から体育祭の救護係の活動内容を話していくわね

6月に入り、7月に行われる体育祭の準備や練習が本格的に始まった。

この学校の体育祭は生徒は個人競技、団体競技の中から1つずつ絶対に選ばなければならない。

また、当日活動する係も選ばなければならない。

私は保健室から動きたくないので今年は救護係にした。

今となってはその考えが甘かったのだ。

成瀬春樹

はーい!分かりました!

咲野藍

はぁ…

藤岡知子

春樹くん、ちょっと声が大きい

なんとこいつと一緒の係だったのである。

成瀬春樹

先輩、係頑張りましょうね!

成瀬春樹

ふたりきりなんですから

咲良と芽依はそれぞれ違う委員会に行った。

だから体育祭の係活動のときはこいつと二人きりなのである。

咲野藍

マジでやだ

成瀬春樹

嫌がってる先輩も可愛いですね〜!!

咲野藍

やめろ!くっつくな!!

最近こいつはスキンシップが多くなってきた。

いきなり抱きついてきたり、触ってきたり。

本当に気持ち悪い。

藤岡知子

そこ、いちゃいちゃしない

成瀬春樹

は〜い!

咲野藍

いちゃいちゃしてねぇよ…

藤岡知子

じゃ説明始めるね

救護係は各学年2人ずつ出すことになっている。

だからこの場には私とこいつとその他に4人いる。

主な活動内容は、当日の負傷者の手当である。

この係は負傷者が来ない限り、することがないのだ。

だから私はこの係を選んだ。

なのにこいつと一緒なんて…

成瀬春樹

先輩頑張りましょうね〜!

咲野藍

むり

成瀬春樹

そういえば先輩は競技何選んだんですか?

咲野藍

徒競走と綱引き

成瀬春樹

僕は借り人競争と、綱引きです!

咲野藍

お前が借り人とか終わったやん

成瀬春樹

もしお題で「好きな人」が出たらすぐ先輩を連れていきますからね!

あぁ…終わった。

体育祭当日休もうかな…

ちなみに私は全て余り物から選んだのである。

成瀬春樹

最高の体育祭にしましょうね〜!

咲野藍

もう嫌だ…

藤岡知子

次に当日の活動内容だけど―

こいつの声がうるさすぎて、説明が一切入ってこなかった。

咲野藍

疲れた〜

今日は、係活動や体育祭の練習がほとんどだったため、めっちゃ疲れた。

小日向芽依

部活行きたくねぇな〜

姫沢咲良

わかる

藤岡知子

なに言ってるの、速く行ってきなさい

咲野藍

そうだそうだ

小日向芽依

じゃ、行ってきます

姫沢咲良

私も

咲野藍

行ってら

小日向芽依

あ、そういえば

あと一歩で保健室から出るところの芽依が振り返ってきた。

小日向芽依

お前テスト期間だけど、あれやってから帰んの?

確かに。今はテスト期間だ。

咲野藍

あー、じゃやってから帰るわ

小日向芽依

りょうかーい

そう言って芽依は保健室から出ていった。

咲野藍

じゃ、私も行きまーす

藤岡知子

そんな長くしないほうがいいわよ?

咲野藍

わかった

先生とちょっと会話を交わし私も2人のちょっとあとに保健室を出た。

咲野藍

じゃあ、やりますか〜

ここは私の教室である。

今は全員部活に行っていて、ここには私一人しかいない。

クラスの奴らは知らないと思うが、私はテスト期間になるとここで勉強している。

さっきの芽依の「あれ」というのはこのことだ。

家に帰っても、もちろん勉強するが、ここで勉強したほうが集中できるのだ。

なにしろ一人で勉強するというのは誰にも邪魔されないでいい―

成瀬春樹

せ〜んぱい

咲野藍

は?

咲野藍

なんであんたがここにいんの?

なんでここにいるんだ?

ここで勉強していることはこいつに言っていないのに。

成瀬春樹

先輩がいっくら待っても出てこないから先輩のお友達に聞いたんです

成瀬春樹

そしたら「教室にいるはずだ―」って

あいつら…余計なことしやがって

成瀬春樹

で、先輩何してるんですか?

咲野藍

見てわかんない?勉強してんの

成瀬春樹

先輩って意外と努力家ですよね〜

咲野藍

私を褒めてもあんたのこと好きにならないよ

成瀬春樹

くそ〜!

こいつ考え浅っ…と思いながらペンを握って勉強した。

成瀬春樹

先輩いつまでやるんですか?

咲野藍

なんであんたに言わないといけないの

成瀬春樹

え、一緒に帰ろうと思って

咲野藍

帰らねーよ

成瀬春樹

じゃ、終わるまで待ってます!

咲野藍

いいから帰れ!!

結局この日はこいつが邪魔してきて、勉強にならなかった。

この日は漫画を買って、喫茶店で勉強をする予定だ。

好きな漫画の新刊が出たのだ。

誰だって買いに行くだろう。

咲野藍

楽しみ〜!!

今日は完全プライベートだから誰かに邪魔されたら許せな―

成瀬春樹

先輩じゃないですか!!

成瀬春樹

奇遇ですね!!

咲野藍

死ね!!

そんな事を言ったらすぐこれだ。

フラグ回収が早すぎる。

成瀬春樹

いきなり死ねは酷くないですか!?

咲野藍

うるさい黙れ

ほんとに死んでほしい

成瀬春樹

ていうか、先輩私服可愛いですね〜!!

咲野藍

死ね

成瀬春樹

褒めただけじゃないですか!!

プライベートだから私服なんだが、1番こいつに見せたくなかった。

成瀬春樹

先輩今日なにか用事あるんですか?

咲野藍

漫画買って喫茶店で勉強

成瀬春樹

じゃあ、僕もついていきます!

咲野藍

は?

なんでこいつがついてくるんだ?

咲野藍

なんでついてくんの?

咲野藍

あとお前用事あるんじゃないの?

成瀬春樹

前に言ったじゃないですか!!

成瀬春樹

先輩が最優先って!!

咲野藍

お前抱きつくな!!

どうやら私はプライベートでもこいつに縛られるみたいだ。

漫画を買い終わり喫茶店に向かっていた。

6月になり、本来は梅雨なのだがここらへんは夏かと思うぐらい熱かった。

そのため、漫画が売っていた図書館は冷えていて天国だった。

成瀬春樹

喫茶店ってここから近いんですか?

咲野藍

ここからすぐ

成瀬春樹

そうなんですね〜

成瀬春樹

大丈夫ですか先輩?暑くないですか?

咲野藍

なんであんたに心配されるしかないの

成瀬春樹

また強がっちゃって〜

はぁ…もうこいつのせいで余計に暑くなってる気がする。

その時だった。

はいはい、デート中の君達〜

ちょっといいかな?

成瀬春樹

なんですか?

咲野藍

デート中じゃねぇよ!!

金欲しいんだけど

無視すんなよ!と思いながらもこいつの要求に聞いていた。

成瀬春樹

どうします?先輩!

小声で聞いてきた。

咲野藍

成瀬春樹

先輩?

咲野藍

おめえよぉ

咲野藍

せっかく人が楽しいところだったのに邪魔すんじゃねぇよ!!

ガハッ…

一発蹴りを入れる。

咲野藍

おい、それでもう終わりかよ?

くそが!

オラッ―!!

パンチおそ…

殴ろうとした手を掴み曲がらせる。

あぁだだだだだ!

分かった!分かった!

もう手を出さん!だから離してくれ!

咲野藍

じゃあ、速く行けよ

そう言うと、あいつは一目散に去っていった。

成瀬春樹

カッコいい…

咲野藍

は?

成瀬春樹

先輩超〜かっこよかったです!!

咲野藍

うるせぇ

成瀬春樹

あれ、どこ行っちゃうんですか先輩!

咲野藍

「喫茶店」行くんじゃないの?

成瀬春樹

はい!

成瀬春樹

先輩、さっき「いいところ」って言ってませんでした?

咲野藍

言ってない

成瀬春樹

言いましたよ〜!!

咲野藍

それ以上言うとあいつと同じ目に合わすぞ

成瀬春樹

こわ〜!!

「こわ〜」と言いながらもあいつはニヤニヤしていた。

「いいところ」なんて断じて言ってない。

とても暑かったのに何故かさっきよりは涼しかった。

先輩、大好きです。

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