雫
おじさんが言っていた「つきましたよ」は、「駅に着いた」ではなく、琴ちゃんに、霊が「憑いてる」ということ。
雫
琴ちゃんは、寝違えて肩が重くなっていると言っているが、霊に憑かれているため、肩が重いのだ。
雫
おじさんがすがすがしげに笑っているのも、自分に憑いていた霊を琴ちゃんに引き渡せたからだろう。
雫
おじさんに「つきましたよ」と言われて、琴ちゃんは電車から駆け下りるが、知らないおじさんが琴ちゃんの降りる駅を知っているはずが無い。
雫
しかし、琴ちゃんは降りて、ドアが閉まるまで気づかなかった。
雫
寝起きで頭が回っていなく、寝過ごしたと思っていたら、冷静になれず降りてしまうのも無理はない。
雫
もしかしたら、おじさんは、肩を叩くだけで霊を人に渡せたのかもしれない。霊を渡した琴ちゃんを降りさせることで、自分に戻ってくることは確実にないと考え、「つきましたよ」なんてわざわざ言ったのかもしれない。
雫
こうなるのを想像していたのなら、おじさんは策士だったのかもしれない。