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くじら🐋
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Let’s go↓
あの日、すべてを奪われた。
あるWW1の会議で、集まった時。
初めて見た『君』に、すべてを奪われた。
一目惚れって、存在するんだって思った。
アメリカ
イギリスの…親父のことで限界だった心に、 まるで光が差したみたいだ、と思った。
そんなことを思っていると、
アメリカ
目が、合ってしまった。
日帝
微笑んで、くれたのか…?
アメリカ
……どうするか? 決意なんて最初から固まってる。
絶対、話しかけに行くしかないだろう。
アメリカ
アメリカ
日帝
アメリカ
日帝
アメリカ
アメリカ
焦りがめちゃくちゃ目に見えてる気がする…‼
じたばたしていると、突然
日帝
アメリカ
日帝chanが笑いだした
日帝
アメリカ
アメリカ
それが、すべての始まりだった。
逆に、すべての原因でもあった。
時は立ち、ナチスがポーランドに侵攻を開始した。
フランスにも、親父にも、ソ連にも。
俺は距離的に大丈夫だったけど、 ソ連と敵対したくなくて、連合国側についた。
ソ連に主権を、世界の主導権を握られるのが、 俺には怖くてたまらなかったから。
そんな自己満足の理由でありながら、 当然のように日帝chanも、 WW1と同じで、連合国側だと思ってた。
でも、日中、日露戦争、満州事変が起こってて。
アメリカ
日帝chanは、枢軸国へ行った。
そんなの、ちゃんと考えればわかった。
俺はただその事実から逃げて、 自己満足の理由で連合国について、 自分を守る代わりに他人を傷つけた。
そんなので、英雄になれるわけないだろう?
アメリカ
一人、呟く。
会議室にはまだ俺しか来ていない。
そこに日帝chanはいない。
俺がなりたかった俺もいない。
せめて、最後に。 日帝chanが生きている間に。 もう一度、一目惚れした彼に。
会いたかった。
アメリカ
静かに席を立つ。
そしてそのまま、自分の航空機で日本に向かった。
航空機から見えるのはひどく青い空だったのに、 地上はひどく赤い海だった。
その一角に、降り立ってみる。
アメリカ
思わず火の海に、息が詰まる。
日帝chanは、生きているのだろうか。
勘で降りただけの場所なのに。 なんだか此処に、 日帝chanがいる気がしてならない。
アメリカ
アメリカ
声が枯れるまで、叫び続けた。
周りの人の視線が刺さっては、 熱くなって、消えた。
その視線を抜けて、最後の一声を振り絞る。
アメリカ
なんで…いないんだよ。 この、馬鹿日帝。
そんな思いを込めた、一声。
日帝
気付けば目の前に、日帝chanの影が見えていた。
見つけられた嬉しさと、 「米帝」と呼ばれた悲しさ。
相反する二つの感情が混じりあって、 複雑になって、 解が、出せなくなっていく。
アメリカ
やっぱり、迷惑だったんだよ。 英雄気取りの俺が来たところで。
今の日帝chanにとっては、 「アメリカ」じゃない。
ただの敵、宿敵、「米帝」だ。
アメリカ
またもう一度、日帝chanと生きられたら。
そんなお花畑を想像した自分が憎い。 少しでも期待してしまった自分が憎い。
嗚呼、駄目だ。
此処にいたら、涙が止まらなくなりそうだ。
アメリカ
だから、だから。 そう心の中で必死に言い訳をして、
体を180度、回転させた。
そしてそのまま、もと来た道を戻ろう。
これは、逃げてるんじゃない。 だから、大丈夫、大丈夫。
俺が勝手に、期待しちゃっただけ。
足を、少しずつ速く進める。
アメリカ
何か考えるだけで、泣いてしまう。
必ず日帝chanが、フラッシュバックする。
だから、強く、目を瞑って歩いた。
日帝
数十歩行ったところで、叫び声が聞こえた。
アメリカ
思わず、立ち止まってしまった。
アメリカ
止まったら、泣いちゃうだろう?
駄目だ、駄目なんだよ。
アメリカ
そんなの、分かってるよ。 でも、動かないんだ、足が。
動きたく、ないんだよ。
日帝
日帝chanの弱弱しい声が聞こえる。
駄目だ、こんなの。
誰が、耐えられるんだよ。
アメリカ
俺が今できる全力の泣き笑いを日帝chanに向けて。
そしてまた、歩き出す。
確かその日が、8月15日だったのを覚えている。
アメリカ
強い日光で目が覚める
今日は確か、8月の………
そうだな。
アメリカ
アメリカ
そう言い隣で眠る彼の可愛らしい耳を触る。 ふわふわしていて心地よくて、猫みたい。
アメリカ
少しだけ揺れ動くその耳を見ながら、 思わず笑みがこぼれてしまう。
その笑みを感じたのか、彼が目を覚ます。
そして寝ぼけた意識と声で、 今日も俺の名前を朝一番に呼ぶ。
日帝
日帝
アメリカ
今度は俺が、日帝chanの英雄になるから。
そう笑う彼にまた見惚れながら、 彼をもう失わないように守ろうと決意した。
コメント
3件
元々少なかった語彙力が更になくなってしまった…
そうですよね…戦時中はイヤでもアメリカ兵を撃たなければならないから、憎む理由を作って「鬼畜米帝」と呼ばせたり、戦う口実を作り続けていたのが日帝でした。 アメリカさんは、本心では、戦いたくなかったんでしょう。何度も何度も、日帝たちに「話し合い」を訴え続けた国ですから。 でも、味方についている陣営同士が対立していても、個人個人が憎み合っているわけじゃないんですよね。 日本に生まれたからと言って、アメリカに生まれたからと言って、 ソイツのことが嫌いになれるわけじゃない。 そんな葛藤の見られる良い作品をありがとうございました。
あああああああああ!!!!!!(五月蝿い) 日帝、アメリカ、ぁ…あぁ……… アメリカの精神年齢が幼く、恋愛下手で初心なのがバレバレな序盤。 雲行きが怪しく、互いの道が違えた中盤。 そして、ふたりいっしょに目を覚ましたラストシーン。 すべてが、どこか苦しくて愛らしい話でした。