〜♪〜〜〜♪
桜笑
菜乃〜!お腹減った、購買行こ!!!
菜乃
うん
菜乃
…ねえ桜笑
桜笑
ん?
菜乃
…宮代から、告白されたんだよね?
桜笑
…っ!
桜笑
い、言わなくて…ごめん
菜乃
ううん
菜乃
私も桜笑だったら
菜乃
勝手に人の気持ちを他の人に言っちゃうのってどうかなって思うから
桜笑
…そっか
菜乃
…それでね
菜乃
私のことなんだけど……宮代のこと…好き、かもしれない…
桜笑
!?
菜乃
驚くと思うし…私も信じらんないけど…
菜乃
あ、だからと言って桜笑を恨んでるわけでもないし嫉妬とかは一切ない
菜乃
菜乃
でもこれからは…私も頑張りたいって、思ったの
桜笑
そっか…菜乃…
桜笑
あたしが言うのはヘンかもしれないけど…ほんとに応援してる
菜乃
…うん
桜笑
(きっと京介くんも菜乃のいいところに気づいてるはず)
桜笑
(いつか絶対好き同士になれるよ)
桜笑
(だって2人はこんなにいい子たちなんだもん)
桜笑
(世界で1番ってくらい、幸せになって欲しい)
桜笑
んまあ案の定って言うか購買は売り切れだったね〜
菜乃
ごめん、私のせいだ
桜笑
なに言ってんの
桜笑
っていうか今日カバンにお菓子入ってたと思うんだけど…
桜笑
あ、あった、これ食べよ
菜乃
ありがと…ってなにそれ
桜笑
今日見つけて思わず買っちゃった、可愛くない?
菜乃
まあまあ
桜笑
くっそー、まじかよぅ…────え
いつものような軽い会話を繰り広げ
たくさんの生徒たちとすれ違う
でもその瞬間だけは、時が止まったような気がした───。
菜乃
桜笑?
あたしは何かを考える前に振り返り、その袖を掴んでいた
そしてあたしが気づいたときにはその人は驚いた顔をしてあたしを見ていた
桜笑
───どうして
桜笑
どうしてここにいるの?
それは
…っ
紛れもなく
ごめん……
見習いくん、だった。
桜笑
…菜乃
菜乃
ん?
桜笑
これ、見える?
菜乃
へ?これって…その先輩のこと?
菜乃はじろりと足元の上履きの色を見てから言う
桜笑
…見えるんだね
桜笑
それにその制服…ちゃんとここのだよね
桜笑
ねえ、白校生なんだよね…見習いくん
菜乃
見習いくん…?
…っ
白也
おーーーい!し───
っ!白!
白也
え?何ー?
白也
早く行こう、お腹空いた
…先、行って
俺は話さないといけない人がいるから
白也
…ん?おっけー
桜笑
(…"俺"?)
桜笑
…菜乃
菜乃
ん、瑠々ちゃんと食べとく
桜笑
ありがとう
桜笑
…それで、なんなのそれ
"僕"は…ウソをついた
ごめん
桜笑
…なにそれ
…っ
ほんとはずっと生きてて───
桜笑
違う、その前に…
桜笑
僕って何?
桜笑
あたしの前では他人行儀ってワケ?
…っあ、いやこれはクセで──
桜笑
なんのクセなの
桜笑
いつもは俺、なんでしょ?
…うん
俺…は、きみと会う少し前に、デスくん…いわゆる死神くんに出会った
ってワケだから、私はベリートットに行くからね!
ん、俺はアースの死因不明のやつでも探しに行くわ
あーそれね、頑張って
お前他人事すぎだろ…
…?
街中で
訳のわからない会話を、している2人がいた
別に人の会話を盗み聞く趣味はないけれど
大きな声で話していたし、なにより"物理的に浮いていた"から目に入らないわけがなかった
そこで1人になった彼に俺は話しかけた
…ねえきみ
ひゃわっ!?!?
…
な、なんだよ…てかお前誰!?
まさかニンゲン…!?
なに言ってんの
それよりきみがどうやってそこに浮いているのか気になるんだけれど
は、はぁ?
ごめんね、そういった研究は聞いたことがないから興味があるんだ
いや…わ、悪いけど俺急いでるから
ウソを言わないで───
え?
伸ばした手は、空を切る
その瞬間俺は彼がこの世にいるはずでない存在であることに気がついた