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97話目です!

nmmn注意⚠️ キャラ崩壊注意⚠️ 誤字脱字注意⚠️ 二次創作

ご本人様には一切関係ございません!
苦手な方はback推奨!

では!

どうぞ!

第97話『影の声、影の手』

湿った空気がまとわりつく朝だった。

カーテン越しの光はまだ弱々しく、部屋の端を照らすだけで、世界全体が灰色に沈んでいるようだった。

こさめがゆっくりまぶたを上げた瞬間――頭の中心を、鋭い痛みが貫いた。

こさめ

……っ……!

耳鳴り。

ぐわんと頭が揺れるような感覚。

目を開けたことを後悔するほどの痛みに、こさめは布団を握りしめた。

しかし、それは数秒のことだった。

すっと痛みが消え、耳鳴りも遠ざかる。

荒い呼吸のまま瞬きを繰り返すこさめの視界に――心配そうに覗き込む顔が映る。

らん

……起きた?

らん

こさめ!

らんだった。

ほっと肩を落としながら、でも心底安心したように笑っている。

らん

よかった……!

らん

こさめ、丸一日寝てたんだよ!?

らん

もう……なつたちに説明すんのめっちゃ大変だったんだから!

怒っているようで怒っていない。

ただ、心配と安堵がごちゃ混ぜになった声。

こさめはゆっくり上体を起こし、ぼんやりと焦点を調整するように瞬きをした。

こさめ

……一日……?

こさめ

そんなに……?

らん

うん

らん

いるまには影のことちょっと話せたけど、なつとすちくんとみことくんに言っても多分『は?』って顔されるだろうしさ……

らんは肩をすくめ、わざとらしくため息をついた。

らん

だから結局、『この雨だし、偏頭痛じゃないかな?』って話でごまかしたよ

その言葉に、こさめは胸の奥がちくりと痛んだ。

こさめ

……そっか

消え入りそうな声だった。

視線は布団へ落ち、そのまま指先をぎゅっと握り込む。

こさめ

……昨日は、ごめん

唐突にこさめが言った。

らんは瞬きをし、少し驚いたように顔を上げる。

こさめ

正直言うと……その時のこさめ、何してたか覚えてないんよね

こさめ

絶対……らんくんのこと、傷つけたよね?

その声は小さく震えていて、“怖がっている” のがありありと伝わってきた。

らんはぽかんとし、それから柔らかく笑った。

らん

傷つけてなんかないよ?

らん

むしろ俺が勝手に抱きついたし

こさめ

……え?

完全についていけていないこさめの頭の上には、はっきりとハテナが浮かんでいた。

らんが説明しようと口を開いたその時――らんの視線が、不意に別の方向へずれた。

何もない空間を見つめるように視線が止まり、らんは小さくつぶやく。

らん

……え?

らん

こさめと話したい?

らん

別にいいけど……

誰かと会話している。

でも、そこには誰もいない。

こさめ

らんくん……?

こさめは不安そうに小首をかしげた。

その瞬間。

らんの身体が、力を失ったようにぐらりと傾いた。

首がかくん、と落ち、まるで電源が落ちたロボットのようだった。

こさめが息を呑む。

そして――わずか一拍置いて、らんは再び目を開いた。

だが、その瞳はさっきまでのらんのものではなかった。

口調も、雰囲気も、音の出し方すら違う。

らんの影

……悪いけど、お前の影、呼んでくんない?

らんの影

正確には、お前の影と話したくてさ

らんの影だった。

こさめは一瞬で血の気が引いた。

胸がぎゅっと縮む。

こさめ

で、でも……どうしたら……また……?

怯えた声に、らんの影は「まぁ待て」と言うように手を軽く振った。

らんの影

ん、大丈夫

らんの影

その辺は心配すんな

らんの影

……そんなに怖いなら、ちょっとした強行突破だな

軽く言ったが、その目は真剣だった。

影はこさめの額に、そっと掌を置いた。

その瞬間――

意識がふっと暗くなり、後ろに引きずられるような感覚が襲う。

吐息すら止まるような静寂。

深い底へ沈むような感覚。

そして――

こさめの瞳が、一瞬だけ黒く揺れた。

次に口を開いた時、その声はまったく別のものになっていた。

こさめの影

……何しに来たわけ?

冷たく、乾いた声。

体中に氷の刃をまとったような雰囲気。

こさめの影だった。

らんの影

おお、敵意むき出しこっわ……

こさめの影

……煽ってんの?

らんの影

べつに〜

らんの影は、ふっと微笑んだ。

らんの影

まぁまぁ、本題入ろ

らんの影

お前も聞いていたんじゃないの?

らんの影

主さ――らんが、お前の主を必要としてるって

こさめの影

……

冷たい沈黙。

らんの影

だからさ、傷つけんのはやめてくんない?

らんの影

特に、お前の主はそれを望んでないはずだ

影の声は優しかった。

らんの影

……勝手に“破滅”へ導いたのは、お前だろ

こさめの影は、ふっと目をそらした。

こさめの影

……まぁ、そう……だね

こさめの影

なんか、楽しくなかった

こさめの影

人を傷つけるって……言ってしまえば楽しいのにさ……

こさめの影

なんか違うって思えた……

その声は弱かった。

らんの影はその言葉に、やわらかく微笑む。

らん

……自分で、自分の主と向き合える?

こさめの影は短く頷いた。

こさめの影

……もう帰っていい?

らんの影

もちろん

らんの影

ちゃんと話し合っとけよ

らんの影は軽く肩をすくめてから、主であるらんへ身体を返した。

そしてこさめの影も、静かに身体を離れた。

同時に目覚めたふたりは――

こさめ

……あれ、何してたっけ?

らん

あれぇ……?

ぽかんと顔を見合わせ、そしてなぜか同時に笑った。

重苦しい空気はもうなかった。

雲間から差し込む光は、さっきよりずっと明るかった。

ふたりの笑顔は、影が薄れていくのと反比例するように、ゆっくりと温かくなっていく。

第97話・了

おかえりなさい!

次回!

𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝♡250

では!

ばいばい!

桜の記憶は散ってしまう2

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コメント

5

ユーザー

どんどん影の仲間が増えてく✨️ 続き待ってます!

ユーザー

やっぱ🌸くんは主でも影でも責任感強くていい人だぁ😭 投稿ありがとうございます!!続き楽しみにしてます!!!

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