テラーノベルの小説コンテスト第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

一覧ページ

妹へ。幸せになってこい。

第1話 - 妹へ。幸せになってこい。

2020年06月22日

#恋愛

影猫

大和

娘さんを、僕にください！

茂

ああ、よろしく頼んだよ

澪

幸せにね、逢香。

逢香

うん！

拓海

俺は認めねぇけどな

茂

拓海！

逢香

お兄ちゃん…

俺は拓海。今日、妹が彼氏を連れてきた。

逢香が小さい時は、いつも俺の後ろにくっついて離れなかった。

だが、歳が増えて行くごとに、それは無くなった。

そして今日は男を連れてきた？俺は絶対許さないからな。

逢香

ごめんね、大和。

大和

いいよ、大丈夫。

大和

んじゃ、今日は帰るね。

逢香

うん。また。

俺は…どうすればいいんだ…

逢香

お兄ちゃんなんで認めてくれないの？

拓海

まだ何処の馬の骨かも知らない奴を認めれるわけねぇだろ

逢香

…もういい！

逢香

お兄ちゃんなんて嫌い！

拓海

おい！ちょっと待てよ！

拓海

おい！

俺はある日、大和を呼び出した。

大和

なんですか、お義兄さん

拓海

あぁ、ごめんな

拓海

まず、ひとつ聞いていいか？

大和

はい

拓海

お前は本当に、妹を幸せにする覚悟が出来てるのか？

大和

…はい。

大和

出来てます

拓海

本当に？

大和

もちろんです

大和は、逢香との馴れ初めを話し始めた。

大和

それは、ある日のことでした。

大和

僕は、いつものように家に帰るべく改札を出て帰ろうとしていました。

大和

でのその時突然、

逢香

『おっそーい！』

逢香

『もー！ナンパに絡まれて大変だったんだから！』

大和

『え、え！？ちょ』

逢香

『(すみません、話合わせてください((ﾎﾞｿｯ…)』

大和

後ろを見ると、いかにもガラの悪い男が立っていました。

ガラの悪い男

『ちっ、ほんとに彼氏居んのかよ。』

大和

そこから、歩幅を合わせながら歩いていると…

逢香

…ぐすっ、

逢香

ご、ごめんなさいいいぃぃい!!!(泣)

大和

突然泣き出しちゃって…

大和

彼女が落ち着いてから近くの公園に移動して、話を聞くと、

大和

仕事の帰り道に、

ガラの悪い男

『ねぇねぇ、今から俺と遊んでよ』

大和

と、迫まれて、咄嗟に、

逢香

『か、彼氏と待ち合わせしてるので無理です…』

大和

と、嘘をついてしまったみたいで、

大和

その瞬間に、僕が改札から出るのを見て、

逢香

『もー！おっそーい！』

大和

となってしまったわけです…

拓海

そうだったのか…

大和

はい。

大和

そこで、念の為に連絡先を交換しておいて、その場では別れました。

大和

でも、友人主催の飲み会で再会して、

2人

『「あっ！」』

2人

『「あの時の！」』

大和

『あっ…//.』

逢香

『あははは！』

逢香

『全部ハモっちゃいましたね！笑』

大和

『そうですね…(笑)』

大和

そこから僕と逢香さんと連絡を取り合っていって、

大和

『僕と、付き合ってください』

逢香

『…はいっ』

大和

そこから僕達は付き合って、2年経って、今に至るわけです。

拓海

そうか…

拓海

…お前になら、あいつを任せられるかもな

大和

えっ…それって…

拓海

妹のこと、よろしく頼むな。

拓海

浮気なんてしたら許さねぇからな

大和

…！

大和

はい！必ず幸せにしてみせます！

これでいいんだ。これで。

拓海

あ、そうそう

そこで俺は、大和にある提案をした。

そして、結婚式当日。

澪

良かったわねぇ…

茂

そうだなあ…

司会進行役

『ここで、新婦様より、お兄様へのお手紙です。』

拓海

…え？

逢香

『お兄ちゃんへ。』

逢香

『実は、お兄ちゃんに謝らないといけないことがあります。』

逢香

『大和君に全て、話を聞いてしまいました。』

逢香

『お兄ちゃんが私を本当に大切にしてくれていたのは、知っています。』

逢香

『でも、大和君を家に連れてきた時、見たことも無いような顔で拒否されたことには、驚きました。』

逢香

『なんで許してくれないの…と私自身、お兄ちゃんのことを嫌いになってしまうところでした。』

逢香

『でも、』

逢香

『大和君からの話を聞いて、全て、私のことを思って言ってくれてたんだと、そう気づきました。』

逢香

『ありがとう。そしてごめんなさい。』

逢香

『私は結婚して、新しい家庭を築きますが、』

逢香

『お兄ちゃんは、私にとって、大事な家族です。』

逢香

『こんな妹のお兄ちゃんになってくれてありがとう。大好きです。』

妹からの手紙。涙が止まらなかった。

拓海

お礼を言うのは、俺の方だ。

拓海

こんな兄貴の妹でいてくれて、ありがとな。

拓海

そして、

拓海

ここで逢香に、1つプレゼントがあります。

ここで俺が出した提案は、

大和

フォトムービー…ですか

拓海

ああ。あいつの小さい頃からの写真で今までの思い出を作ってやりたくてな。

拓海

作っても…いいか？

大和

…もちろんです

拓海

…ありがとう。

小さい頃から現在までの写真。

それを、物語にした。

楽しく笑いあったこと、喧嘩したこと、色々なことがあった。

でも、それがあったから、今がある。

だから、俺はこう言うんだ

拓海

幸せになってこい。逢香。

この作品はいかがでしたか？

0件

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう！

影猫

プロフィール

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい！がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

妹へ。幸せになってこい。

第1話 - 妹へ。幸せになってこい。

作者の他の作品すべて見る

#恋愛の新着小説
一覧

関連するタグ

妹へ。幸せになってこい。

第1話 - 妹へ。幸せになってこい。

作者の他の作品すべて見る

#恋愛の新着小説一覧

関連するタグ

#恋愛の新着小説
一覧