カレナ
葉夏!
カレナ
早く早く!
カレナ
遅れちゃうよ!
葉夏
分かってるってば!
マナ
皆、今日は私の誕生日パーティーに来てくれてありがとう!
マナ
楽しかったわ!
カレナ
マナが喜んでくれて何よりだよ!
マナ
誕生日プレゼントまで貰っちゃって!
マナ
ホントにありがとう!
葉夏
いいのいいの!
葉夏
私達、もうすぐ卒業でしょ?
葉夏
こういう楽しい事して、思い出に残しておかないと!
カレナ
そうだよ!
マナ
二人共…
マナ
ありがとう!
カレナ
さっきから、ずっとありがとうしか言ってないwww
葉夏
確かにwww
マナ
wwwwwwwwwwww
カレナ
はぁ〜!
葉夏
今日は楽しかったね〜!
カレナ
だよね〜!
葉夏
マナも嬉しすぎて泣いてたし!
葉夏
私的には、上手くいったと思うけど?
カレナ
ホント、上手くいったよね!
葉夏
ね!
カレナ
次は、葉夏の誕生日にやろう!
葉夏
もうすぐじゃん!
カレナ
ホントだね!
葉夏
まぁ、私も考えとくよ!
カレナ
うん!
葉夏
じゃあ、バイバイ!
カレナ
また明日!
カレナ
ただいまー!
ママ
おかえり!カレナちゃん!
カレナ
ただいま、ママ!
ママ
今日はどうだったの?
ママ
楽しかった?
カレナ
楽しかったよ!
ママ
良かったわね!
ママ
カレナちゃんも、誕生日パーティーやってみる?
ママ
きっと、お友達、楽しんでくれるわよ!
カレナ
いや、いいよ。
ママ
どうして?
カレナ
だって、パーティーなんてしたら
カレナ
ママの顔がバレちゃうじゃない。
ママ
ママの事は、どうでもいいのよ。
ママ
ママは…
カレナ
良くないよ!
ママ
え?
カレナ
ママの顔がバレたら、虐められるじゃない!
ママ
そんな事ないわよ。
カレナ
もう嫌なの!
カレナ
やらないって言ってるんだからもう良いでしょ!?
ママ
カレナちゃん…!
翌日
カレナ
最悪…
カレナ
家庭科のプリント、忘れちゃった…
カレナ
家庭科の先生、怖いんだよな〜……
クラスメイト
おーい!
クラスメイト
カレナー!
カレナ
何ー?
クラスメイト
お前のお母さん?が呼んでたぞ。
カレナ
なっ…!
カレナ
ママ!
ママ
あ、カレナちゃん。
ママ
これ、忘れてたでしょ?
ママ
カレナちゃん、夜遅くまで頑張ってたじゃない。
ママ
だから…
カレナ
来ないでよ!
カレナ
何で勝手に来るの?
カレナ
ママの顔が皆に見られたら、私、恥ずかしいの!
カレナ
プリントの事はもう良いから、早く帰って!
ママ
ごめんね…
カレナ
…………
パパ
カレナ、ちょっと話がある。
カレナ
?
カレナ
なに?パパ。
パパ
ママの顔のことについてなんだけどな、
カレナ
(今日の事だろうな…)
パパ
ママの顔は、半分ただれているだろう?
カレナ
うん。
パパ
今までママは、顔にやかんをあててしまったから
パパ
ただれてしまった、と言ってきていたけど
パパ
本当は違うんだ。
カレナ
え…?
パパ
ママの顔が半分ただれているのは、
パパ
もっと深い理由があるんだ。
パパ
カレナがまだ4才ぐらいの時かな?
パパ
パパとママは、あるハイツに住んでいたんだ。
パパ
カレナが生まれて、ママは仕事が忙しくなったんだ。
パパ
そしてある日。
パパ
パパ達が暮らしていたハイツで火事があった。
パパ
カレナはまだ小さかったから、
パパ
ママが濡れたタオルでカレナを包んで
パパ
熱い熱い炎の中に入っていったんだ。
パパ
ママの顔のただれは、その時に出来たものなんだ。
パパ
ママは、カレナを必死で助けようとしてくれていたんだよ。
カレナ
そうだったんだね…
来ないでよ!
早く帰って!
恥ずかしいの!
カレナ
うぅ……
カレナ
ママ…!
ママ
あらあら。
ママ
泣きついちゃって。
カレナ
ごめんね、ママ…
カレナ
私、酷い事言っちゃった…
ママ
良いのよ。
ママの顔のただれは、
私にとって、誇りです。