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美月

次に狐憑きの人が現われそうな場所かぁ

美月

うーん……

優花

ねぇ

優花

ここはどうかな?

美月

どこ?

優花

学校

優花

私達、学校と公園から近い人気のない場所を探していたけど

優花

そもそも学校自体が夜は人気がない場所じゃない?

美月

あ なるほど

護法童子

可能性はありますね

美月

よーし じゃあさっそく……

護法童子

待ってください

美月

なに? いそがなくていいの?

護法童子

急ぐ必要はありますが

護法童子

まずは準備をしましょう

そのころ――

津田未来

私が思いついた場所は学校だった

津田未来

うちの学校は、校舎の陰に隠れればまず外からは見えない

津田未来

これはいい思いつきだ

津田未来

私はさっそく学校に美和を連れてきた

津田未来

そうだ、せっかく外からは見えない場所なんだ

津田未来

いつもよりもっと思い切ったことをしよう

中村美和

……………

中村美和

はっ

中村美和

津田さん? ここは?

津田未来

(ちっ 意識が戻ったか……)

津田未来

中村さん、あなたの呪いなかなか解けないわ

津田未来

だから、今日はいつもより強い儀式をしようと思ってここに連れてきたの

中村美和

そうなんだ

中村美和

どうすればいい?

津田未来

まず、服を脱いで

津田未来

全部

中村美和

!!

中村美和

ここで……?

津田未来

呪いを解きたくないの?

中村美和

……わかったわ

中村美和

…………

中村美和

これでいい?

津田未来

じゃあ次

津田未来

足を開いて、手を地面について

中村美和

こう?

津田未来

そしたら 目を閉じて

中村美和

うん

津田未来

よいしょっと

中村美和

これ なに?

津田未来

首輪よ

中村美和

首輪!?

中村美和

なんで?

津田未来

あっはははははは

中村美和

な、何、どうしたの、突然?

津田未来

そのかっこう、まるで犬みたいね

津田未来

もう動物になっちゃえばぁ?

中村美和

そんな……

津田未来

ほら そのかっこうでおしっ・でもしてみせなさいよ

中村美和

いやあぁぁぁ

ちょっとからかったらまた美和は正気を失い、犬のように走り出した

いい気味!

このまま朝まで人間に戻らなかったら

クラスメートにこの姿を見せてやれるのに……

と、そのとき――

美月

そこまでよ!

津田未来

!!

美月

あっ 逃げた!!

優花

美月ちゃん でも今は……

美月

そうね

美月

狐憑きの人優先!

中村美和

ぐるるるる…………

中村美和

ダッ

美月

あっ こっちも逃げた!

美月

待て!

中村美和

ハッ ハッ ハッ ハッ

美月

は、早いっ!

美月

本当に人間なの!?

美月

追いつけないぃぃぃ

美月

でも……

出発前のこと――

護法童子

よいですか

護法童子

狐憑きを解除するには 狐に憑りつかれた人を

護法童子

大量のお札で囲む必要があります

美月

でも

美月

そんなことできるの?

美月

また逃げられちゃう気がする

護法童子

そうですね その危険性はあります

護法童子

ただ

護法童子

前回の公園と比べると

護法童子

今回の場所は比較的に閉鎖されています

護法童子

人間なら出口を見つけて逃げられるでしょうが

護法童子

獣状態になって思考力が落ちているなら

護法童子

邯鄲には外に出られないでしょう

美月

なんか

美月

校庭に迷い込んだ犬みたい

護法童子

まさにそんな感じですね

護法童子

そこで、一人が追い詰めながら

護法童子

もう一人はアレを使ってください

美月

アレ?

優花

ってなんですか?

護法童子

そこの壁、今開けますね

プシュ、といって工場の片隅の壁が開いた

美月

そこ、倉庫になってるんだ

優花

なんかいろいろはいってる!

護法童子

その奥のやつです

優花

これは……

護法童子

ドローンです

美月

ドローン!

美月

でも、私達使い方わかんないよ

護法童子

大丈夫です

護法童子

それには 姿勢制御および状況判断用のAI

護法童子

通称『朱雀』が搭載されています

護法童子

現場に持っていって電源を入れてもらえば

護法童子

ゲームのように簡単に操作できますし

護法童子

カメラを通じて私も遠隔からサポートします

美月

そんなことできるんだ!

美月

じゃ どっちやる?

美月

私 ドローン操ってみたい!

優花

えっ いいけど……

優花

その場合、私が走って追いかける役?

美月

あっ うーん……

結局、私が追いつめる役をやっている

美月

待て待てーー!

今頃優花がドローンを準備して……

美月

来た!

美月

空を飛んでるだけあって早い!

ドローンは狐憑きの人の進路を予想して壁に追いつめていった

中村美和

グウウウウウ………

そして――

プシュッ

美月

お札がドローンから発射された!

それは狐憑きの人の頭上で広がり

全身を覆うように舞い落ちた

中村美和

ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…………

すごい悲鳴が聞こえて

狐憑きの人は地面に倒れてもがき苦しむように動きまわり

やがて動かなくなった

美月

やったの!?

優花

美月ちゃん 行ってみよう!

美月

うん!

そこには、裸の女の人が地面に横たわっていた

中村美和

………………

さっきまで苦しんでいたようだったのに

今はとても穏やかな顔をしている

美月

これなら大丈夫そうだね

優花

うん

優花

文字通り 憑き物が落ちたような顔をしているね

私と優花は事前に用意してあった毛布をお姉さんにかけ

落ちていた服を拾ってきてそばに置いておいた

お姉さんはそのうち目を覚まして自分で帰るだろう

私達も引き上げることにした

美月

あっ

美月

そういや逃げていった人いたね

優花

ああ そうね

美月

また護法と相談しなきゃ

美月

でも

美月

今はとりあえず帰ろっか

優花

うん!

そのころ――

護法童子

二人とも 上手くいったようですね

護法童子

では

護法童子

ここからは私の仕事をすることにしましょうか

護法童子(コンテスト版)

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