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ボスキと主様

69 - 第69話 暗雲からの覚醒 第2章

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2024年09月30日

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翌日

ハウレス

あれから目が覚めていないのですか?

ルカス

うん。私も驚いているよ。
今まで1度もこんなことはなかったからね。

ボスキ

〇〇。なぁ、起きろよ…。

アモン

起きてくださいっす…。

フェネス

ボスキ…。アモン…。

ハウレス

どうしたら良いのですか?ルカスさん。

ルカス

正直、様子を見るしかないだろうね。
別に脈も正常だし、脳波も異常は見られないし。

ハウレス

そんな……。

ルカス

私は、今回のことは、ケースとして見るのははじめてだけれど…〇〇さんは絶望し悪魔化したハウレスくんと似たような状況じゃないかと思っているよ。

ボスキ

ルカスさん。それはどういうことですか?

ルカス

つまり、自力で目覚めようという意思がない限り………目覚めないかもしれないということだよ。

フェネス

そんな…〇〇さんが自ら目覚めるのを拒否しているということですか?
ルカスさん

ルカス

そうとしか、考えられない状態だね。ただ、外から声をかけ続けるしかないと私は考えるよ。そして、ここまでは、医師としての意見だったけれど…。

ルカス

ここからは、私、個人として、話をさせてもらうよ。
本当に何してるんだい?こんな傷つくまで守らなきゃならないものが、本当にそこにあったのかい?!

アモン

俺は…。

ルカス

私だって、君たちのように〇〇さんを好きな気持ちはあるよ。だけれど、〇〇さんを尊重して接してきたつもりだし、傷つけるなんて以ての外だよ。

ハウレス

ルカスさん…。俺も人のことをとやかくは言えませんが、ボスキやアモンはやり方や言い方は間違っていたかもしれません。

ボスキ

ちっ…。何いい子ぶってやがる。

アモン

そうは言えないっす。

ハウレス

黙って聞け。

ボスキ

…………。

アモン

…………。

フェネス

それで?ハウレス、話を続けてよ。

ハウレス

あぁ。〇〇さんは、はじめボスキと付き合っていたのは、みんなが知るところですが、俺たちとも付き合ってくれました。それは、ルカスさんもではないですか?

ルカス

そうだね。

ハウレス

でも、この形を許してくれたのは、他でもない。ボスキです。〇〇さんの優柔不断さを理解して、自分が苦しむとわかっていながら、俺たちと〇〇さんが付き合うのを許してくれた男です。

ハウレス

アモンも〇〇さんがボスキへの実らないと思い込んだ愛で苦しみ、今と昔を比べられて苦しんでいた〇〇さんを救おうとしただけです。

ハウレス

やり方は間違っていたかもしれません。でも、2人とも全力で〇〇さんを愛した結果が、傷つくことに繋がってしまった。ただ、それだけです。そして、その道を選んだのも、また、〇〇さんではないですか?

ルカス

………そうだね。
フフッ。人は何故こんなにも傷つけあってしまうんだろうね。
本心とは違うことをしてしまうんだろうね…。

フェネス

それでも、愛したい愛されたいと願うからではないですか?ルカスさん。

ルカス

そうだね。すまなかった。私も〇〇さんが好きなあまり、熱くなってしまったようだ。

アモン

責められて当然のことをしたっす。

ボスキ

あぁ。俺もだ。

みんな………。

ボスキ

〇〇?!

アモン

〇〇さん!!

すぅ~すぅ~。

ルカス

昨日からうわごとのように、みんなを呼んでいたよ。

ボスキ

〇〇。悪かった。俺はここにいるからな。

そういい、主のベッドの横で膝をつき、主の右手を自身の両手でしっかり握るボスキ。

アモン

俺もいるっす。ちゃんと〇〇さんが、目を醒ますまでいるっすから…だから、お願いっす。目を開けてくださいっす。

アモンも主の横へ来て、膝をつき、主の左手を自身の両手でしっかり握った。

フェネス

俺もいるよ。〇〇さんを待ってるから。ずっと。

フェネスも主の右手を自身の右手でボスキの手の上からそっと添え告げる。

ハウレス

俺もです。〇〇さんを1人にはしません。ずっとお傍にいます。

そして、ハウレスも主の左手に自身の左手をアモンの手の上から添え、告げる。

ルカス

私たちはいつだって〇〇さんの味方ですよ。傷つけ合うこともあるかもしれないけれど、傷つけ合った分だけの絆が深まっていくのも確かだよ。だから、帰って来てください。私たちは、ずっとあなたを待っていますから。みんな、〇〇さんだけを見ていますから。

そういい、主を見つめ告げるルカス。

みんなが一様に、主の帰りを待った。

暗闇

そんなことがあったんだ。

[はい。]

それは、傷つくよね。信じた瞬間に裏切られたような気持ちになるよ。

[だから、ここに来てしまいました。逃げてきちゃったんです。すみません。]

悪くないよ。私もあなたと同じだから。

[もう1人の私さん…。]

いい加減、呼び方変えない?なんか呼びずらいし…。

[そうですね。では、〇〇さんと私は、さんを付けます。]

なら、私は〇〇って呼ぶね。なんか自分で自分の名前呼ぶなんて違和感あるけど…。

[ふふっ。そうですね。]

私たちってさ。
性格が真逆だよね。

[え?]

だって、私はボスキが確かに1番だけど、みんなを愛したくて、あなたはたった1人アモンだけを愛したい。ってさ。

[確かにそうですね。]

私、思うんだ。〇〇は私が作った理想なんじゃないかって。

[理想?]

うん。私は、元々ボスキ以外なんて見る気はなかった。でも、みんなの愛に触れてみんなを愛さずにいれなかった。でも、ボスキはそんな私も受け入れてくれて…だけど、私はいつもそこに後ろめたさや罪悪感を抱いてた。

[〇〇さん…。]

だから、私は、分離したんじゃないかと思う。だって、今の私はみんなを愛することに後ろめたさも罪悪感もない。

[私は、〇〇さんと違ってそれは、出来ません。確かに他の方に抱かれもしましたが、たった1人をいつも探していて、ようやく見つけたのがアモンでした。もう、アモン以外見れません。]

うん。そう。私たちは私たちらしく、逆の生き方で生きてる。

[私らしい?アモンもそんなことを言っていました。私らしいとは何ですか?]

〇〇は、素直で純粋で、たった1人だけを愛する生き方ができる人。
私は、素直だけど、意地悪な部分もあって、たった1人ではなくみんなを愛する生き方をする人間。
だから、私たちは、このままでいいんだと思う。〇〇は私が作った偶像かもしれないけど、意思を持って、そこにいる。1つになる必要なんてはじめからなかったんだよ。

[でも、それではいつまでたっても記憶が…。]

共有しようよ。こうやって話せる時に。

[そうですね…。わかりました。無理に1つになる必要はないですものね。]

うん。いつか1つになるかもしれないけど、今は、別々の私たちでいよう。

[はい…。なんだかホッとしたような気がします。そんな言葉をまさか、〇〇さんに言われると思いませんでした。]

うん。私も〇〇にいうと思わなかった。でも、体は共有だからね。忘れないでね。

[わかっています。今の私たちなら合言葉1つで切り替えできそうな気さえしていますし。]

あ!それ試してみる?

[………そうですね!それなら、交代で向こうにいけますものね!]

うん!さっさそくやってみよう!

[では、合言葉を決めましょう?]

合言葉は……。

う~。

ボスキ

〇〇!!

アモン

〇〇さん!!

あ、おはよう。

ボスキ

〇〇。おはよう。
ずっと待ってた。

どのくらい時間たったの?

ルカス

丸1日ですよ。
〇〇さん。

あら~かなりだ~。ってまさか下の世話なんてされてないよね?!

フェネス

すみません////

いや~!!!////もう一度向こう帰る!///

ボスキ

行くな!

アモン

ダメっす!

そういい、ボスキとアモンに 抱きつかれる主。

え?

ボスキ

え?じゃねぇ!!どれだけ、心配したと思ってるんだ?!

アモン

そうっす!!俺が悪かったんす!!だから、行かないでくださいっす!

あ~アモンのことは、話聞いたからわかるけど、私に謝らないであの子に謝ってよ。交代してあげるからさ。

ハウレス

交代するとはどういうことですか?

そのまま。多分今なら、自分で簡単に切り替えられるからさ。

ボスキ

は?どういうことだよ…。

まぁ、見てて。本当に行くかはわからないけど、いったら、ちゃんと謝りなよ?アモン。

アモン

え、あ、はいっす。

じゃぁ、やりますか。
ふぅ~………。

と息を整える主にみなは一様に静かになる。

暗雲からの覚醒!

………………。

ボスキ

……………。

フェネス

………………。

ハウレス

……………。

ルカス

……………。

アモン

……〇〇さん?

はい。上手くいったみたいです。

ルカス

完全に2つの人格に分離したというのかい?!そんなことは、ありえない!今までそんなケースは見たことがない!

ハウレス

では、これがはじめてのケースということですか?

ルカス

うん。そうなんだけど、普通、統合することはあっても、分離してた人格が完全分離なんて…まして、自分の意思で切り替えるなんてことはありえない…記憶もそうだけど、今回のは何かおかしい。

フェネス

何かおかしいってどういう…。

私たちが決めたからだと思います。

ボスキ

何を決めたんだ?

私は、たった1人アモンを愛する生き方を、〇〇さんはボスキさんが1番だけれど、みんなを愛する生き方を選びました。性格も何もかもが真逆だと気づいてしまいましたので。

アモン

〇〇さん…。

ボスキやみんなにはすみません。私とは別れてください。私はアモンだけを見たいのです。

ボスキ

〇〇………。

でも、〇〇さん、もう1人の私はボスキを選ぶと思います。みんなのことも。
ただ、体が1つである以上、共有すると話はしましたから。完全に別れるというのもおかしな話ではありますが。

フェネス

つまり、今の〇〇さんの時は、アモンだけで、もう1人の〇〇さんの時は俺たちと付き合ったままでいいってことですか?

はい。

ハウレス

俺は、〇〇さんの意思を尊重します。俺たちにとっても、もう1人の〇〇さんが自分たちが愛した人だと思ってしまってるのも確かですから……。

ボスキ

俺は、関係なく〇〇を愛してる。別れるつもりはない。

ボスキさん……。

(私は……それでももう、あなたを見るのを辞めました。)

ごめんなさい。私ではボスキさんの気持ちにお応えはできません。

ボスキ

………………。

ボスキ

(俺があの時……守れていたら…こんなこと言われずに済んだのか?)

アモンと2人にしてもらえませんか?話がしたいので。

ボスキ

あぁ。わかった。

フェネス

わかりました。
〇〇さん。

ハウレス

かしこまりました。
主様。

ルカス

はい。何かありましたら、すぐ呼んでくださいね。医師として、きちんと主様の体調を診ることだけはさせてほしいですから。

はい。わかりました。
ルカスさん。

そして、アモンと2人きりになった 診察室で話をする主。

アモン…。

アモン

はいっす。

私は、本当にアモンだけを選びましたよ。アモンは、それでも昨日と同じ事が言えますか?私は、誰も選べない人間だと。

アモン

言わないっす。
それに、あれは、俺のただの強がりっす。〇〇さんを他の誰かに渡したくないと思いながら、〇〇さんが俺だけを選んで縛り付けられ、苦しむなんてことになって欲しくなかっただけっす。

…そうだったんですね。私は誤解していました。あなたも、もう1人の私を私の中に見ているのだと…。違ったのですね。愛故に私を本当に心から思った言動だったのですね。

アモン

はいっす。結果的に苦しめてしまってすみませんっす。もう、あんなこと言わないっす。俺だけを見てくれて嬉しいっす。愛してるっす。
〇〇さん。

はい。私もです。

そして、主の唇にアモンは 唇を重ねる。

ちゅっちゅっレロ

んっ...///

アモン

(ずっと〇〇さんを愛するっすよ。)

そして、口付けを交わしたあと、主はアモンにいう。

みなさんももう1人の私と会いたいはずです。だから、今日は交代します。1日ずつ交代になるかどうなるかわかりませんが、また会いましょう。アモン。

アモン

はいっす。待ってるっす。ずっと。

はい。

……………。

アモン

……………。

暗雲からの覚醒!

…………。

アモン

みんなを呼んでくるっすよ。

うん。お願いね。
アモン。

アモン

はいっす。

彼女とはなんとかなった?

アモン

はいっす。
もう大丈夫っす。

そう。良かった。

そして、再び元の主に戻ったのを確認し、アモンは寂しさと嬉しさを覚えながらみんなを呼びに行った。

次回へつづく

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