主
主
主
主
主
主
主
主
彰人はモテる。
声も見た目もかっこいいし 周りを気遣って行動できる。
勉強は苦手だが運動神経もいい。
俺にはもったいない相手だ。
でも彰人は、当たり前のように 俺の隣にいてくれる。
冬弥
モブ女
モブ女
モブ女
彰人
彰人
手紙…… ラブレターだろうか?
やはりすごいな、彰人は
彰人
彰人
彰人
彰人
彰人
冬弥
彰人
冬弥
彰人
彰人の部屋
彰人
彰人
見慣れた部屋。
彰人が寝て起きて、毎日過ごす部屋。
ゴミ箱に入ってるゴミは、 大体服のタグや生活してる中で出るゴミ。
そして、誰かからの手紙。
冬弥
捨てる理由は分かってる。 必要ない手紙だからだ。
今更性格が悪いとか、ちゃんと読めとかは 思わない。
彰人はこういう人だと、 俺はよく知ってるから。
俺だけ、俺だけが知ってる。
彰人
ひらっ
やっぱり。読まずに捨てた。
冬弥
彰人
彰人
あの子はきっと、 勇気を出して手紙を書いたのだろう。
こんな呆気なく捨ててると知ったら、 悲しむだろうか。
彰人の全部を知ったら、 あの子も幻滅するのだろうか。
なら、俺は彰人の隣にずっと__
彰人は、 俺の全てを受け止めてくれるだろうか。
手紙を捨ててくれて嬉しいと思ってる俺を、好きになってくれるだろうか。
別日
ああ、めんどくせえ
いちいち手紙なんか書かないで、 口で言えばいいだろ。
靴箱に入れられた名前のない手紙を見て、 そう思った。
名前も書かずに何がしたいのか。
どうせまた長々とした告白だろう。 まぁ、捨てればいいだけの話。
彰人
冬弥
冬弥はオレが手紙を読まずに捨ててることを 知ってる。だから今更隠す必要もない。
オレは気にせず、 名前のない手紙を封筒のまま捨てた。
ああ、やっぱりか。
今彰人が捨てた手紙は、 俺が書いた手紙だった。
「好きです。」と、一言だけ書いた手紙。
彰人は長文が嫌いだと、俺は知ってるから。
昼休み、 名前を書かずに彰人の靴箱に入れた。
別に。
読んでくれると期待していたわけじゃない。
ただ彰人なら、俺が書いたんだって 彰人なら、俺の字だって 気づいてくれるんじゃないかと 思ってしまっただけで。
彰人なら、彰人なら
俺を、分かってくれるんじゃないかと 思っただけで。
彰人
彰人
冬弥
彰人
彰人は、俺にしか見せない優しい顔をして 俺を心配していた。
なんでそんな顔するんだ。
なんで俺だけに。
なんにも分かんなくなって、 俺は彰人の部屋を飛び出した。
彰人
部屋から出ようとする冬弥を 追いかけようとしたとき。
ゴミ箱の中が見えた。
いや、正確には、 さっき捨てた封筒の文字が見えた。
「彰人へ」
それは確かに見たことある、 綺麗で オレに勉強を教えてくれる字だった。
「好きです。」
なぁ、冬弥。
なんでお前、こんなことしたんだよ。
なんで。
手紙じゃなくて、口で言ってくれよ。
なぁ。
主
主
主
コメント
2件
書いてくだせぇ、、!