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おぢ
おぢ
おぢ
おぢ
夏。
およそ7月上旬とは思えない酷暑が、今年も日本国に襲来した。
日本
汗は止めどなく湧き出して、文字通り滝のように流れ落ちてゆく。
空を見上げれば、中身の暑い箱に蓋をしているかのような、嫌になるほど青い空がその目に映った。
ところで、どちらかというと出不精な日本が何故、この炎天下を行くのかというと―
日本
今朝、古くからの知り合いに麻雀に誘われたからであった。
日本は中国とは数千年程前から交流を続けており、互いに兄弟のように想っていた。
……否、互いに、というのは語弊があるかもしれないが。
日本
そんなこんなで道中こまめに急かされながら雀荘に向かっていたのであった。
日本
ようやっと雀荘にたどり着いた日本は、屋内の涼しい空気を胸いっぱいに吸い込んだ。
ほのかに懐かしい香りが鼻に抜ける。黒檀だろうか。
中国
日本
中国
中国
日本
(飲み屋みたいな背景ですみません!)
日本
日本が卓の方を見やると、既に中国の知り合いだという2人が席に着いて談笑していた。
中国に席に座るよう促されて着席する。
中国
日本
かくして、彼らの麻雀が始まった。
数時間後。
中国
日本
中国
日本
中国の知人1
中国の知人2
南四局二本場。親は日本であった。
ここに来てまさかの大逆転である。
日本
中国
中国
中国の知人1
中国の知人2
しばし談笑していると、いつの間にか、窓から卓に西日が射し込んできていた。
中国
中国
中国
中国の知人1
中国の知人2
日本
各々散っていくなか、日本は中国のもとへ進み出でて呼びかけた。
中国
日本
中国
日本
日本
中国
日本
中国
日本
日本
日本
中国
日本
中国
日本
中国
中国
うだうだと稚児のように喚く日本を前にして、中国はいかにも面倒臭そうに了承した。
日本
日本
中国
渋々といった感じで同意した中国だったが、
無邪気に喜ぶ日本の姿に満更でもない様子である。
中国
日本
中国
軽く打ち合わせをした後二人は一旦帰宅して準備することになった。
中国
日本
そして日没後、中国が約束の時間に待ち合わせ場所へ向かうと既に日本がいた。
日中の殺人的な熱気は鳴りを潜め、代わって纏わりつくような暑さを感じてじんわりと汗ばむ。
中国
日本
日が沈んで随分経つというのにおよそ弱まらない暑気さえもものともせずに歩を進める日本。
その足取りはいつも以上に軽い。よほど張り切っているのだろう。
浮き足立った様子の日本の背中を追う。
日本
日本
15分ほど歩いただろうか、ずっと日本の背中を見ていたので、中国は空など全く気にかけていなかった。
中国
ぼやきつつ、本来の目的を思い出して頭上を見上げる。
果たして、空一面の星々に息を呑んだ。
中国
不快な暑気すら忘れて、しばし天を仰いだまま目が離せない。
日本
中国
いつになく柔らかな口調でそう語る日本の声で我に帰り、中国はやや訝しげに日本を見つめる。
日本
日本
日本
中国
日本
中国
そう言って再び夜空を仰ぐ中国の瞳は、淡く琥珀色に輝いていた。
彼の国旗を冠した容姿の、星を宿した眼が、日本は大好きなのであった。
日本
中国
日本
中国
しばしの沈黙を破ったのは日本であった。
日本
日本
中国
日本
中国
日本
中国
中国
日本
日本
中国
中国
日本
決まりの悪そうに頭を搔く日本の上気した頬が星の光に中てられている。
二人の間にまたもや、穏やかな静けさが訪れた。
中国は、頭がぼうっとするような高揚を感じたが、早々に暑気のせいにして見過ごした。
中国
日本
身体が湿るようなほのかな熱気を纏った2国が、天の川を辿るように歩んでいった。
おぢ
おぢ
おぢ
コメント
4件
実山椒さんの中日…新鮮だし、すごく素敵です。互いに気が置けない旧友だと思っていそうな感じが好きです。そして、互いのこと見透かす感じも。長い付き合いがある二人だからこそですね。尊い。 最近本当に暑くて嫌になっていましたが、このお話のおかげでその気持ちが軽減されました。夏っぽさをこんなにいい感じに昇華してくださると、夏の暑さでも許してしまえそうです。ほんで夜空の星を眺める二人のなんと美しいこと…会社帰りの夜に読みたくなるお話だなと思いました。いやぁ本当に素晴らしい。 長々と語ってしまいすみません…素敵な作品をありがとうございました。
日本と中国の関係とか好きになるまでとかとか、大事な要素がすごく薄っぺらくなってしまったので反省です。読んでで「うん?」となる部分も多いと思いますが、ナマ暖かい目で許してやってください。
中日ありがとうございます!!推しカプ供給感謝します🙇♂️ 情景描写が夏っぽさを凝縮した感じで、推しカプが本当に生きているような気分に浸れました!!