浅見円日
ため息を吐きながら、
念の為持ってきた 折りたたみ傘を手に取る。
と、同じタイミングで木兎が、
脱いだ自分のブレザーを 私の頭上に広げていた。
浅見円日
木兎光太郎
2人同時に出たのは その一文字。
木兎は上着を 傘代わりにして、
一緒に行こうとしてくれてた みたいだ。
気まずい沈黙が流れる。
木兎光太郎
浅見円日
木兎光太郎
浅見円日
ブレザーを着直して 恥ずかしそうに後頭部をかく木兎。
強豪の主将とか 全国5本指に入るスパイカーとか
凄い肩書きは沢山あるのに、
普段はこんなにへなちょこで 普通の男子高校生なんだ。
そう考えるたびに いつも胸がきゅんとして、
何とも言えない 高揚感が頭を支配する。
浅見円日
ぎこちなく声をかけると、
木兎はびっくりしたように 目を見開いてから
大きく頷いた。
木兎に傘を持たせて 駅までの道を歩く。
さっきまで無かった 風が強まって、
傘はミシミシと 音を立てていた。
浅見円日
木兎光太郎
浅見円日
ブワッと風が吹いて、 傘はひっくり返った。
木兎光太郎
浅見円日
私は慌てふためく木兎を 連れて走った。
木兎光太郎
浅見円日
近くの建物の 屋根の下に入った。
おかげで服はずぶ濡れで、
無様に裏返った傘を どうにか直す。
木兎光太郎
浅見円日
バサッとブレザーを 投げつけられる。
木兎はそっぽを向いていた。
浅見円日
木兎光太郎
浅見円日
木兎の声が 小さくなっていく。
私はブラウス越しに下着が 少し透けている事に気付いた。
木兎光太郎
浅見円日
私は恥ずかしさと 木兎の優しさにドキドキしながら
ブレザーを着た。
コメント
3件
天才!! 好きです! 突然コメント失礼します!!
ぼっくん優しい!! 続き待ってます!!!