ソウマ
地下みたいなところだからかやけに暗いね
アセビ
慣れれば明るく見える
アセビ
が、最初のうちは動きにくいだろうな
ソウマ
ここで剣術指導してくれるのか?
アセビ
仕方ねぇからしてやる
アセビ
だが、まずはお前がどのくらい素人なのか知りたい
アセビ
その剣でワシを殺すつもりで斬りかかってこい
ソウマ
真剣ですよこれ?
ソウマ
斬られたら大怪我とかじゃすまないんじゃ…
アセビ
たわけが
アセビ
ウツギから聞いた話じゃど素人なんだろ?
アセビ
そんなど素人から攻撃を受けると思われてるのはな
アセビ
あまりわしをナメるな
ソウマ
怪我してからあれこれ言うのはナシでお願いしますよ?
アセビ
その言葉そのままお主に返してやる
アセビ
ほれ、ワシはこの木刀で相手してやる
アセビ
素の力だけでなく剣技も使わせてやるから
アセビ
本気で殺しに来い
アセビ
さもなくばワシがお主を殺るぞ?
ソウマ
わ、わかりました
ソウマ
それじゃあ爺さんには悪いけど死んでもらいます!
ソウマ
はぁああ!!
アセビ
アセビ
大振りすぎて分かりやすいな
ソウマ
ならこれで…
アセビ
アセビ
読めとる読めとる
ソウマ
くそ…
アセビ
一撃で仕留めようとするからそんな分かりやすい攻撃なんじゃよ
ソウマ
んな事言っても…
アセビ
別に一撃で仕留めなくてもいい
アセビ
意識としては相手に当てること
アセビ
これが大事なんじゃよ
アセビ
盾持ちの相手やワシみたいに剣一本の相手とやり合う時
アセビ
避けられたりすると好きが大きく生まれる
アセビ
なので、なるべく隙のない動きで相手に近づき避けられない状況を作る
アセビ
アセビ
このようにな
瞬きする間もない時間で距離を詰められよける間もなく剣で何とかその攻撃を防ぐ
ソウマ
くうぅ!?
アセビ
このように鍔迫り合いになればあとは読み合いに持って行ける
アセビ
ここからパッと思いつく対処法は
アセビ
・力任せに相手の剣を弾く
・力を緩めてカウンターを入れる
アセビ
大体この二択になるな
アセビ
お主はどちらを選ぶのかな?
ソウマ
ソウマ
この…
ソウマ
クソジジイがァァ!!
アセビ
力で解決するパターンか…
アセビの剣を大きく弾いて突きの姿勢を取りそのままアセビ目掛け突き刺す
ソウマ
くたばれぇぇ!
アセビ
追撃に関しては最適解ではある
アセビ
が、練度が足りないのが傷になっとるな
ソウマ
!?
確実に仕留められたと思ったが突き刺したのは白い霧で本物のアセビは視界から消えた
ソウマ
ど、どういうことだ!?
ソウマ
僕は確かに爺さんを突き刺したはず……
アセビ
アセビ
弾き方が豪快故にワシに印を結ぶ好きを作らせたのじゃよ
ソウマ
!
ソウマの背後から声が聞こえ振り向く間もなく木刀で横っ腹に一撃もらい吹き飛ばされる
ソウマ
ソウマ
ゴホッゴホッ……
ソウマ
く、クソが…
ソウマ
爺さんのくせになんでそんな……
ソウマ
身のこなしが軽いんだよ…
アセビ
ワシ自体は別に早くないぞ?
アセビ
ただ経験に基づく判断をしてるだけじゃ
アセビ
今お主が突き刺したのはワシの幻
アセビ
この空間だから簡単にできる技じゃな
ソウマ
身代わり戦法かよ…
アセビ
それを使わなくても魔法を使えば突き刺される前に反撃も可能じゃ
アセビ
ま、ワシは魔法苦手なのでこういった小細工しかできんがな
ソウマ
ソウマ
とりあえず剣を使う戦闘方法は如何に距離を詰めるか、か
アセビ
今はその程度の認識で問題ないぞ
アセビ
で、この一連の流れでお主の実力も分かった
アセビ
ワシが相手するに値しないようだな
ソウマ
だとしたら誰が僕を……
アセビ
この地下空間は別名『夢幻の間』と呼ばれている
アセビ
お主の記憶にある人物や生き物を思い浮かべると
アセビ
この空間に現れるという不思議体験を出来るぞ
ソウマ
つまり…
アセビ
お主が作り出した幻とやり合うといい
アセビ
だが、油断せぬようにな
アセビ
攻撃を喰らえばしっかり怪我するからな
ソウマ
幻と戦う僕を爺さんは高みの見物ってことになるのかなそれは?
アセビ
そうだな
アセビ
その時の様子次第では課題の追加もしてやる
アセビ
泣いて喜ぶといいぞ
ソウマ
死に損ないの老いぼれって感じがする
アセビ
こんな性格だからこそ中々くたばらないって訳だな
ソウマ
ウツギさんが強く当たる理由も分かった気がする
アセビ
では、ワシはその辺でお主の特訓を見てるよ
ソウマ
剣の構え方とかの話はなしかよ…
アセビ
アセビ
と、最後に言い忘れてた
アセビ
思い浮かべるものはなるべく自身が苦戦した相手にするといい
アセビ
それが人だろうと魔物だろうもと関係なくな
アセビ
その方が修行になるぞ
ソウマ
切羽詰まって苦しむことになりそうだわそれ
アセビ
その様をワシは楽しみにしてるんじゃ
ソウマ
やっぱ性格終わってるよこの爺さん