リッジ
今まで、これが夢であってほしいって思った出来事なんてなかった。
リッジ
だってインフルエンサーには夢であれっていうことなんてない。
リッジ
だって夢みたいなことが、現実に起きてることがよくあるもの。
リッジ
ボクの身の周りはだいたいそうだった。
リッジ
でも、夢であってほしいなんて、初めて思ったかも。
リッジ
そう……今が…………
リッジ
嘘…………やだ……ペチュニア……!お願い、ハッタリだって言ってよ……!
瓦礫の下敷きになっていたペチュニアに呼びかける。
しかし、応答がない。
リッジ
ねぇ……何かのお遊びなんでしょ?早く起きて……お願い……ペチュニアああああああッ!!!!
絶叫と共に、リッジの後ろから、影がリッジの首を掻っ切ろうとしている。
リッジが振り向いた直後、武器なのかモップの付いてないモップ棒を片手に持ったケビンが影を突き飛ばした。
リッジ
ケビン!!
ケビン
リッジ!!早く男子更衣室に行って僕のロッカーからカンテラ出して!!多分強い光があればこの黒いの来ないから!!
リッジ
ぇ……でも……
ケビン
ペチュニアは連れて行けれたら連れて行くから!!!
リッジ
………………ッ
リッジは重い足取りを奮い立たせ、男子更衣室に向かった。
男子更衣室。
リッジ
………………。
リッジはケビンのロッカーから出したまだ電源を入れてないカンテラを視線に上の空になっていた。
ガチャ!!
ケビン
リッジ!大丈夫かい?
リッジ
ペチュニアは……?
ケビン
………………………………。
ケビンは言うか言わないかで悩んでいるのか口ごもった後、口を開いた。
ケビン
ごめん。運ぶつもりだったけど君が余計ショックを受けると思って。
リッジ
……ケビン。聞いていい?
リッジ
ペチュニアは……死んでたの?
ケビン
………………うん。死んでたさ。
ケビン
あの黒いのに殺られたんじゃなくて、瓦礫の下敷きになってて……どかしたけど、お腹に沢山鉄骨っぽいのが刺さってて、血まみれで……
ケビン
……本当にごめん。
リッジ
……はは。ケビンってば錯乱してて嘘ついてる訳?
ケビン
嘘じゃないッ!!!!!
リッジ
!!
ケビン
いきなり黒いのが徘徊してる中ペチュニアは死んだ!!死んだ訳は影関係ないけどあんな状況だから死んでもおかしくないだろ!?
ケビン
黒いのが出てきた理由なんて知らないからどうせみんな死ぬんだよ!!
ケビン
リッジはいいよな!!!こんな時に限ってヤケ起こして現実逃避するヒマあってさ!!
ケビン
現実見ろよォッ!!!!!
そう叫ぶケビンの顔は、絶望、怒り、涙を堪えていた。
いきなり起きた事態だ。生真面目な彼がヒステリックを起こしてこんなに叫び散らかしてもおかしくない。
ケビン
フ-ッ……フ-ッ………………君から離れないけど、しばらく話しかけないで。落ち着く時間をちょうだい。
リッジ
……………………。






