裾間 智
どうしておにぎりに針を入れたんだ?
千年 雪
え?
千年 雪
私おにぎりに針なんて入れてない.....
裾間 智
本当に?
千年 雪
(私は少し悲しくなった。)
千年 雪
(智は私を信じていないの?)
裾間 智
もちろん君のことを信じてる
千年 雪
私は.....
裾間 智
うん
千年 雪
針を入れていない
千年 雪
これは真実。本当よ
裾間 智
じゃぁ3つ目のおにぎりはどうやって握った?
裾間 智
裁縫しながらやってたり
千年 雪
まって
裾間 智
なんだ?
千年 雪
私おにぎり2つだよ?
千年 雪
握ったの
裾間 智
え?
千年 雪
ちょっと待ってて
千年 雪
見て。
裾間 智
これは.....
裾間 智
(裁縫セットの針は全て揃っていた)
千年 雪
千年 雪
でも
千年 雪
あなたはこれを見ても信じないかもしれないね
裾間 智
え?
千年 雪
智が仕事に出ている間に買ってきたって思ったら
千年 雪
私、何も言えないもん。
裾間 智
いいや
裾間 智
それは無い
千年 雪
え?
裾間 智
俺の道具には針だろうと印があるんだ
千年 雪
どういう....こと?
裾間 智
針を見て手持ちの方黒くなっているだろ?
千年 雪
ホントだ....それも全部
裾間 智
あぁ
裾間 智
全部そうなっている
裾間 智
しかも雪は俺としか外出しないから
裾間 智
事前に針を買ったと思えない
千年 雪
私、それにおにぎりを包んだ時も2つだったよ?
裾間 智
!
裾間 智
(そういえば持った時も2つだった気がする)
裾間 智
ごめん
千年 雪
....え?
千年 雪
なに?
千年 雪
突然どうしたの?
裾間 智
俺冷静じゃなかったんだ
裾間 智
誰かが
裾間 智
誰かが俺を殺そうとしているのかと思うと....
裾間 智
だからお前を疑った
裾間 智
ごめん
千年 雪
うんうん
千年 雪
大丈夫
千年 雪
今日はさ
千年 雪
もう寝ない?
裾間 智
え?
裾間 智
まだ昼じゃ.....
裾間 智
あれ!?
裾間 智
(気がつくと外は暗くなっていた)
裾間 智
そうだな
裾間 智
おやすみ
千年 雪
おやすみ
翌日
裾間 智
ん?
千年 雪
おはよ
裾間 智
元気ないな
裾間 智
まだ朝なのに
裾間 智
どうかしたの....
千年 雪
それどころじゃないよ!
千年 雪
見てよ
裾間 智
え?
裾間 智
(見渡すと家の中はぐちゃぐちゃになっていた)
千年 雪
寝ている間に
千年 雪
泥棒に入られたみたい
千年 雪
なにも取られてないけど
千年 雪
ねぇ智
千年 雪
私怖いよ
千年 雪
私突然押されて思いっきり手切っちゃうし
千年 雪
あれおかしいよ
千年 雪
包丁の切り方じゃない
裾間 智
(それは俺も考えていた)
裾間 智
(まるで糸で切られたような切られ方だった)
千年 雪
それにミシンが一時的に壊れて
千年 雪
体動かなくなって
千年 雪
手縫ってしまうし
千年 雪
こんな偶然あると思う?
裾間 智
おかしい....よな
千年 雪
うん
千年 雪
もうおかしくなりそうよ!
千年 雪
それに今日は泥棒
千年 雪
それにね言い忘れてたんだけど
千年 雪
機織りが勝手に使われてたの
裾間 智
え?
千年 雪
その横に織物があった
千年 雪
白と鶴の綺麗な柄
千年 雪
ほら、これ
裾間 智
ん?
裾間 智
何だこの赤いシミ
裾間 智
(まるで血みたいだ....)
裾間 智
(ん?.....鶴.....?)
裾間 智
まさか!
千年 雪
なに?
裾間 智
おい!出てこいよ!鶴!
鶴
やっと気づいたんだ
千年 雪
鶴?
裾間 智
(鶴は人の姿をして出てきた)
裾間 智
俺が鶴を罠から外して食べようとしたんだ
裾間 智
でも逃げた
裾間 智
その時の鶴だろ?
千年 雪
そんなことが....
裾間 智
今更何の用だ!
裾間 智
お前に用なんかないぞ!
裾間 智
俺には雪がいれば....
グサッ
千年 雪
と....も
バタッ
裾間 智
(俺の隣で雪はナイフで胸を刺されて倒れていた)