月曜日。
なんとなく気まずくて… いつもより早く家を出た。
2本も早い電車に乗った。
教室に入ると待ち構えてた亜矢が
亜矢
っと、抱きついてきた。
果歩
亜矢
果歩
亜矢
果歩
亜矢
果歩
亜矢
果歩
亜矢
今度アイロンも持ってくるから
果歩
亜矢
果歩
亜矢
果歩
昼休み、本気で逃げなければ。
慎吾
慎吾が教室に入ってきた。
チラッとこちらを見て、 ちょっと驚いた顔をしたけど、 すぐ背を向けられてしまった。
いつもだったら何か言ってくるのに。
『なんで先に行くんだよー』とか。
また、涙が出そうになってきた。
亜矢の背中に ギュッと泣きそうな顔を押し付けた。
亜矢
果歩
圭くんと仲良くしてたこと?
亜矢
あ、そっち
果歩
亜矢
亜矢はそう言うと、私の両頬を手のひらでギュッと包んだ。
果歩
亜矢
みんなーっ!果歩のイメチェンに注目ー!
あれ?果歩?
いいね、カワイイ!
どこの美容室行ったの?
しばらくクラスのみんなに囲まれて
慎吾の姿が見えなくなった。
亜矢って、なんでもわかってるのかな?
…助かったかも。
昼休み…
捕まった。
亜矢は、数人に協力させて 私を拉致したっ。
亜矢
とか言って、教室の後ろで、メイク道具を広げはじめた。
果歩
亜矢
…観念しましょう…
数分後…
亜矢
モブ
私の左腕を押さえてたリサが言った。
モブ
同じく右腕を押さえてたミキが言った。
亜矢
亜矢が鏡を目の前に置いた。
違和感。
かわいくないとは言わないけど、なんか、作り物みたいな。
拉致隊3人は満足そうだけど。
果歩
亜矢
亜矢が不満そうに言う。
果歩
亜矢
果歩
同じく不満そうだったリサが
モブ
と慎吾を引っ張ってきた。
リサお願いっ!空気読んでっっ!
モブ
ミキが言った。
慎吾
果歩
慎吾
亜矢
亜矢が怒鳴る。
慎吾
もうダメだ。
朝からこぼれそうになってた 不安な気持ちが
涙と一緒にあふれ出す。
教室を飛び出して、トイレに駆け込んだ。
どのくらい洗ってただろう。
いいかげん 目の周りが擦れて痛くなってきた。
さっき亜矢が
亜矢
って、小さく言って、 タオルを置いてった。
鏡を見たら、 すっかりメイクは落ちていた。
髪も袖もビショビショ。
トイレから出ると、 瑞樹とバッタリ会ってしまった。
決壊したダムのように、 涙が溢れて止まらなくなった。
瑞樹
果歩
号泣って、ホントにエ〜ンって言っちゃうんだね
瑞樹に連れられて、 トイレ横の階段を上って、
屋上の入り口まで来た。
瑞樹は、私が泣き終わるまで、 ずっと黙って横に座ってた。
瑞樹
果歩
瑞樹
果歩
瑞樹
今日の瑞樹は、優しい。
果歩
また泣きそうになる。
瑞樹
それから、さっきのコトを、 瑞樹に話した。
瑞樹
瑞樹は、フーッとため息をつくと、
瑞樹
果歩
瑞樹
果歩
瑞樹
果歩
瑞樹
果歩
瑞樹
果歩
瑞樹
納得……。
瑞樹は、もうイジワルじゃなかった。
とても、とても優しかった。
ずっと昔から、そうだった。
泣く時は、 いつもそばにいてくれた気がする。
瑞樹
果歩
瑞樹
瑞樹の手が頭にのった。
瑞樹
果歩
瑞樹
果歩
瑞樹
ずっと守ってくれて
サンキュ
果歩
瑞樹は笑ってた。
約束って、終わりがあるんだね。