その日の放課後…
圭
圭くんが廊下から呼んでる。
果歩
と言って、ノロノロとカバンを持つ。
亜矢
亜矢が心配そうに見る。
果歩
亜矢
圭くんと並んで廊下を歩いた。
圭
果歩
どうしようかな。でも、ちょっと疲れちゃった。
圭
読まれちゃったかな
果歩
圭くんは、ものすごく敏感に、 人の気持ちを読む人だ。 だから、とっても優しい。 また、駅でバイバイした。
1人で電車に乗って やっとホッとできた気がした。
モブ
サトルが片耳イヤホン外して言った。
慎吾
モブ
慎吾
モブ
慎吾
モブ
慎吾
……
慎吾
亜矢
慎吾
亜矢
慎吾
亜矢
慎吾
亜矢
慎吾
亜矢
慎吾
亜矢
慎吾
亜矢
慎吾
亜矢
慎吾
亜矢
亜矢に押されるようにして、 慎吾は廊下に出た。
……
なぜか、亜矢と隣駅のモールに来ている… 慎吾は、慣れない状況に戸惑った。
亜矢とは、果歩と3人ではよく話すけど、 2人でいると、どうしたらいいかわからない、ってとこだ。
すんなり『ブサメンヒーロー』4巻を買って本屋を出た
CDショップの前を通りかかる
慎吾
亜矢
慎吾
2曲めが流れたとき、 不意に右のヘッドフォンだけ外された。
慎吾
狭いブースに半身入れて、
亜矢
慎吾
亜矢
慎吾
慎吾は、左耳も外すと、 まるごとヘッドフォンを亜矢に手渡した。
亜矢
亜矢は笑ってそれを両耳にかけた。
慎吾
慎吾は平積みされてる新譜を1つ手に取ると、レジへ歩いて行った。
慎吾
亜矢
慎吾
CDショップを出て歩く。
亜矢
慎吾
亜矢
亜矢は慎吾の腕を強引に取ると、アイスクリームショップに入って行った。
慎吾
亜矢
慎吾
亜矢
慎吾
亜矢
慎吾
亜矢
慎吾
亜矢
慎吾
亜矢
亜矢
慎吾
亜矢
慎吾
亜矢
慎吾
慎吾
亜矢
《バコーン!》
亜矢は 乱暴にカップをゴミ箱に投げ捨てた。
慎吾
亜矢
慎吾
亜矢
慎吾
慎吾は亜矢に引っ張られるままに… 今度はゲーセンだ。
慎吾
亜矢は黙って奥に進んでく。
慎吾
亜矢
慎吾
亜矢
慎吾
慎吾はギリギリで長身を屈めて ブースの中に入った。
亜矢
亜矢が慎吾の首に手を掛けて引っ張る。
慎吾
《ハイ、ポーズ》
《カシャッ カシャッ》
《サイゴノイチマーイ》
亜矢は腕にギュッと力を入れた。
慎吾
《カシャッ》
……
出てきたシールを、亜矢は器用にハサミで切り分けて
亜矢
慎吾
亜矢
亜矢は強引に、慎吾のスクバのポケットに半分のプリクラをねじ込んだ。
亜矢
慎吾
亜矢
亜矢は慎吾を置いて、さっさと1人で帰ってしまった。
慎吾
ピンポーン♪
誰かきたよ、お母さん。
ピンポンピンポーン♪
あれ?いないのかな?
ピンポンピンポンピンポーン♪
宅急便かな? しょうがないなもー。
ハンコをもって玄関に向かう。
慎吾
‼︎‼︎ ⁇ 慎吾??
少し迷ったけど、ドアを開けた。
慎吾
はっっ!不覚! 家でくつろぐ定番スタイル。
『中学ジャージ』ネーム入り。 オバハンお団子ヘア付き。
果歩
慎吾
慎吾の笑いが収まるまで、 少し待ってやった。
慎吾
果歩
慎吾
果歩
慎吾は、急に真顔になって
慎吾
と、頭を下げた。
そのアタマを、
《バシッ》
と一発、叩いた。
果歩
慎吾
《ドスッ》
今度は、腹に一発。
慎吾
果歩
慎吾
果歩
乙女として一生の不覚っ!
慎吾
ふくれる私の、おだんごアタマに 手を載せて慎吾が言った。
こら心臓!キュンキュンするなっ!
果歩
《バタンッ》
ドア閉めちゃった。
夜、亜矢に 『慎吾が謝りに来たよ』 ってLINE入れたけど、返信は来なかった。
寝ちゃったのかな…明日また報告しよう
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翌日
果歩
亜矢
果歩
亜矢
果歩
亜矢
果歩
亜矢
果歩
亜矢
これで、みんな、元どおり!
圭
圭くんです。
もうみんな慣れたみたい。 教室もザワつかない。
でもなー…
果歩
圭
果歩
圭
果歩
圭
果歩
圭
また教室がザワついた。
果歩
圭
果歩
無邪気に毎日教室に来る圭くんだけど、 付き合う気もないのに… 正直 気が引けてて…
作戦失敗。
図書室に向かって2人で歩いた。
圭
果歩
圭
ケッコーわかりやすい。圭くん、アタマいいな。 2-Aか。特進に編入したんだ。さすがだね
圭
果歩
本当は、少ししか無かった宿題は、 アッサリ片付いてしまった。
果歩
圭
果歩
圭
果歩
圭
ものすごいフラッシュバックが 襲ってきた。
私は、小学校に上がる前、3か月だけ、 親の都合でロスに住んだことがある。
行くって聞いたときは、 瑞樹と慎吾と離れるのがイヤで、さんざんダダをこねていた。
毎日不機嫌に幼稚園に行って、 怒ったり泣いたりして、 周りを困らせていた。
ある日、瑞樹と慎吾が家にやってきた。
果歩、これあげるから
と慎吾が差し出したのは、戦隊ヒーローのお年玉袋。
なーに?これ
開けてみな
瑞樹が言った。
袋を開けると、 中に折り畳んだ紙が入ってた。 さらに開けると、ハガキくらいの紙に
『つよいおまもり』 『あめりかで いちばんつよい』 『10000000000000000000000000000』
数字は紙の端から端まで書いてあった。
『だから かほわ だいじょうぶ』 『おれたちが ついてる』
これ、持ってれば大丈夫だから、な、瑞樹
そうだよ、大丈夫だよ、果歩
これ、すっげー強いんだぜ!
がんばって、字、書いたから
オレなんかゼロいっぱい書いたぜ!
慎吾は数字しか書いてないじゃないか!
しょうがないだろ!
だいじょうぶだ
私は 『つよいおまもり』 を持って、ロサンゼルスに 行くことにした。
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果歩
圭
圭くんの瞳が真っ直ぐ私を見た。
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