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??

あぁ……可哀想に……

??

ええ、ほんとに……

??

まだ若かったのに……っ

ここは、誰かの葬式場のようだ。

??

ほんとに
残念でなりません。

??

あんな事故に巻き込まれるのが

??

よりによって……

??

僕も、些細なニュースだと思っていたんだ

??

普段よくテレビを見てるから

??

見慣れていた……と言ったら

??

いや、言うまでもなくて……

??

だからバチが当たったんだろうねぇ……

??

そんな命を軽んじているから、よりによって

??

自分の家族に何かあるなんて、

??

思いもしなかったなんてね

??

おば様……!

結衣

ここは一体、
誰の葬式なんだろう……

花に囲まれ、遺影が飾っている。

けれど、写真立ての中には 何も写っていない。

誰の姿も見えない。

結衣

人がいない……?

……

結衣

……

彼と目が合った。

結衣

君は……

結衣

さっきの……?

彼は式に出席していた。

不意に彼は立ち上がると、

式場を去っていこうとする。

??

こら、待ちなさい

……

??

ちゃんと最後までいなさい

彼は止まるどころか、 そのまま走り去ってしまった。

??

また勝手に……

??

まあまあ、しょうがないんじゃないか……?

??

まだ高校生だろ

??

成長しているように見えても、これだけのことだ

??

抱えるには重すぎるんじゃないか?

??

また、そうやって凪を甘やかすんですから

??

見てましたか礼儀作法

??

ちゃんと凪くんは出来ていたじゃない?

??

いいえ

??

態度が良くなかったと思います

??

足がちゃんと立っていないし、ずっと無口だし、

??

下を向いたままで何を考えているか分からないし

??

何より……

??

結衣ちゃんを見ようとしなかった。

結衣

え……?

結衣

(私の名前……?)

??

さ、もう行こうよ

??

それは凪くん自身との戦いだよ

??

そうだ

??

きっと心の整理がまだ出来ていないんだよ

??

自責があるって事かしら……

??

そうかもしれない

??

事故が起きた時、
凪は結衣ちゃんのために

??

飲み物を買いに行っていた

??

そのわずかな時間に、車が歩道すら越えて

??

結衣ちゃんの待つ公園に突っ込んだんだ

??

もしそこで、結衣ちゃんを待たせなければとか

??

俺が離れなければ……

??

そんな事を思ったかもしれないって……?

??

確かにそうかも……

??

さ、まずここを出よう

??

この後も、私の家に来るんだろう?

??

そうでした……

??

さ、行こうか

ご遺体の家族は、会場を去っていく。

皆、私のすぐ傍を通り抜けた。

私に気付く人は、誰もいなかった。

時を越えよう、届け物と一緒に

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