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結衣

……

結衣

あれ、葬式じゃない……?

目が覚めると、 見知らぬ階段を上がっていた。

結衣

また知らない場所……

ヒュー……

冷えた風が下から吹き上げる。

結衣

ここ、どこ……

振り向くと、日の出が輝いていた。

景色が壮大。 私は、高い山を登っていた。

見覚えのある場所。 そんな気がして、心が温かくなる。

危ないから、
後ろ向いて歩くな……

また、彼がいた。

私の少し後ろを登っている。

結衣

また君がいるんだね

……

結衣

どうして、無言なの?

……

結衣

話したくないの?

結衣

私が嫌いなの?

……

早く前向きな……

怪我したくないだろ……?

結衣

……

彼はずっと下を向いたまま。

私が彼を見つめている間、 とうとう追い抜かされてしまった。

彼の足はどんどん進んでいく。

結衣

ちょっと待ってよ……!

慌てて追いかけようとした時

足を滑らせてしまった。

視界が段差にぶつかる瞬間

私の身体は抱き止められた。

……っ

彼が私の身体を支えていた。

離れた距離が一瞬にして、触れ合った。

カチャ……カシャーン……

結衣

……?

良かった……

階段で止まって安心した

彼は、2人の足元に転がったそれを拾う。

これ、ちゃんと持ってて

彼から手渡されるそれは……

結衣

まただ……

結衣

どんどん景色が変わってく

結衣

今度は観覧車の中……

結衣

私が移動してるの……?

結衣

それとも

結衣

私の夢の中?

私の問いに答えるものはいない。

窓から夕日が沈もうとしていた。

静かな空間と、暖かな日の光。

そっとひとりで目を閉じる。

結衣

心地いいな……

結衣

なんだか知らない場所に行ったり来たりしてるけど

結衣

ここはいい感じ……

結衣

私は……

結衣

私は、

結衣

誰なんだろう……

結衣

今、どうしてここに居るんだろう……

結衣

思えば

結衣

結衣だったかもしれない……

結衣

でも、葬式で聞いた名前

結衣

それも結衣……

結衣

あれ、

結衣

私ってもしかして……

君は一人じゃないよ

結衣

っ……?

気付けば、目の前に彼が座っている。

現れたのか、初めから居たのか。

彼は立ち上がって隣に腰を下ろす。

大丈夫……

どこまでも一緒に行けるよ

君が君である限り……

結衣

どういう、こと……?

彼の目と合いながら、抱きしめられる。

そして静かに……

目を閉じて、キスをした。

夕日の濃い影が私たちを隠すように……

そして

男女がキスをする様子を

私は傍で見下ろしていた……

時を越えよう、届け物と一緒に

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