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次の日

学校

時雨

(昨日は散々だったなあ……)

私の手には絆創膏が貼ってあった

時雨

(クロが引っ掻くなんてあんまりないのに)

時雨

(でも、クロが最近変だった理由は)

時雨

(あの赤い髪の男の子と一緒にいたからか)

クロと喧嘩したとはいえ、謎が解けた気がした

時雨

(男の子、ちょっと優しかったな)

なんだか久しぶりに、誰かを相手に笑えた気がした

クラスメイト

ねえ緋水

時雨

!?

時雨

な、なに?

クラスメイト

ちょっと先生から教材運ぶの頼まれててさ

クラスメイト

緋水暇そうだしやっといてくんない?

時雨

え、その

時雨

そんなに重いの?

クラスメイト

いや?一クラス分だし

時雨

(じゃあなんで自分でやらないんだろう……)

クラスメイト

私色々やることあるからさ

クラスメイト

緋水ならやってくれるでしょ?

時雨

……

時雨

う、うん……

クラスメイト

マジ!?じゃあ頼んだわ〜

彼女はそう言うと、友達の方へ向かっていった

時雨

(なんか良いように利用されてる……?)

時雨

(私だってそんな雑用気が進まない……)

でも断ることなんてできなかった

私なんかが楯突けば、どうなるかわからない

時雨

(やっぱりカースト上位は怖いな)

私はこうして、外では怯えた生活を送っていた

時雨

(なんか今日も散々だったなあ……)

時雨

(皆んなの中に、きっともう“ある”んだ)

私という人間のイメージが

でもそれは単なる独断と偏見なのだ

時雨

(覆したいけど、無理かな)

その時

クロ

にゃー

時雨

え、クロ……?

私にはわかる。間違いない

時雨

なんでこんなところにいるの?

時雨

いつも会わないじゃん

私はそれを不審に思った

クロ

にゃー

クロは私の前を少し進むと、こちらを振り向いた

金色の目と、視線がぶつかる

時雨

……どうしたの?

時雨

まあそっちからも帰れるけど……

クロが何か訴えかけているような気がして、私はクロの進む方へ付いていった

クロに大人しく付いていった先

そこには昨日見た空き家があった

時雨

(ここずっと空き家だよね……)

時雨

(古びてるし、取り壊さないのかな)

時雨

あれ、クロ?

クロ

……

空き家を見つめてぼーっとしていると、クロが気づけば目の前から消えていた

軽やかな足取りで進むクロの先には、見覚えのある人が居た

千切豹馬

お、なんだお前か

クロ

……

時雨

(昨日の人だ……)

ほとんど他人同然の人に連日出くわすなんて

そんなのありか……?

時雨

(私このまま帰った方がいいかな?)

時雨

(クロのお友達だし、私は扱い酷いけど飼い主だし……)

千切豹馬

アンタはこいつの付き添い?

時雨

え、ああ……うん、多分

付き添いと言うと少し違う気もする

千切豹馬

お前、クロって名前だったんだな

クロ

……

時雨

あ、安直で覚えやすいかなって……

千切豹馬

確かに覚えやすいけどさ、そのまんまだな

時雨

うん、多分白かったらシロって付けてたと思う

今思えば、確かにちょっと個性のない名前を付けた気もする

千切豹馬

じゃあ、アンタはなんて言うんだよ

時雨

私……?

時雨

わ、私は時雨

千切豹馬

しぐれ?

千切豹馬

あんまり聞かねえ名前だな

時雨

うん、よく言われるよ……

千切豹馬

俺は千切豹馬

時雨

千切くん……

時雨

千切くんもあんまり聞かないよ

千切豹馬

だろうな

千切豹馬

俺も生まれてこの方同じ苗字のやつに会ったことねえし

千切くんという少年は、見た目によらず話す人のようだ

時雨

(もっとクールな人なのかと……)

千切豹馬

……

千切豹馬

桜花高校って、あの?

時雨

ああ、うん。近くにあるところ

千切くんは私のジャージの文字を見るなり、そう溢した

千切豹馬

じゃあ時雨は頭良いんだな

時雨

ううん、学校内ではあんまり

学校のことを思い返すと、胸に針を指したような痛みが襲った

時雨

その、ありがとう

千切豹馬

ん?

時雨

クロと仲良くしてくれて

千切豹馬

いや、そんな仲良くねえよ

千切豹馬

結構一緒にいるのに全然懐かねえし

千切豹馬

時雨が一番わかってんじゃん

時雨

ま、まあ……

どうしてここまで人に懐くことがない子に育ってしまったのだろう

時雨

(……わかんないな)

自分の育て方が悪かったのか、しつけが悪いのか

はたまた性格のせいなのかもわからないけど

時雨

(……)

そんなことを考えられるくらいに、私は落ち着いていた

気は遣えど、久しぶりに対等に同年代の人と話せた気がした

クロ

……
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