緋月
緋月
きんとき
チッ、チッ、チッ、
時計の音が規則正しく部屋に響き渡る
規則正しく正確に
そうして”それ”は皆の役に立ててる
けど、俺は?
きんとき
だからってワイテルズを抜けようとしちゃダメ
最近でも2人抜けようとしてるんだから
俺まで抜けちゃだめだよね
きんとき
きんとき
皆に迷惑が、かからないようにしないと
きんとき
きんとき
そう思うけど、きっとだめなのだろう
ずっと完璧でいなきゃ
過去と同じになるのは嫌
あんな過去と…
きんとき
誰かがそばにいて欲しい
俺を必要として欲しい
俺は──になりたい…
きんとき
きんとき
きんとき
きんとき
きんとき
ザシュザシュ
きんとき
ポタポタ…ザシュ
きんとき
きんとき
ザシュザシュ
きんとき
きんとき
そこそこ深く切られた腕
正直これくらいじゃ足りないけど
こんなんじゃ怒られちゃうよね
きんとき
ザシュザシュグサ
きんとき
きんとき
きんとき
でもこれくらいじゃないと
きんとき
きんとき
心配とか迷惑だけはかけたくない
ただでさえ皆の役に立ててないんだから
きんとき
わかんなくなってきちゃった
この感覚…知ってる
今は自由のはずなのに
また何かに縛られてるような
なんだろう
きんとき
きんとき
スマイル
スマホのメモアプリを開いて確認する
スマイル
スマイル
そう呟きながらベットで横になる
今から何をやろうか考える
そういえば最近きんときの元気がない気がする
なんかあったのかな
スマイル
もはやいつも通りだがやることが特に無い
何をしたいか等も特にないため仕方なく近くにあった本に手を伸ばした
スマイル
スマイル
本を読んで悪いことなんてない
ずっとそう思ってる
そんな分かりきったこと今更なんだって話だけどな
スマイル
静かに椅子に腰をかけ本に目を通す
ジャンルは小説
結構長めだから数日に分けて読んでるが中々読み終わらないな…
スマイル
スマイル
気付けば外は暗くなっていて、撮影の時間になっていた
スマイル
本を置きパソコンを開き慣れた手つきで通話に入る
Nakamu
スマイル
きりやん
シャークん
Broooock
きんとき
やば…
結局撮影時間のちょっと前もリスカしちゃってたから余計貧血気味…
今チーム戦だしNakamuしかいない
でも我慢しないと
リスカも貧血なことも
皆のために、俺が…
Nakamu
もっと、頑張らないと
Nakamu
皆の役に立てるようにしたい…
Nakamu
きんとき
Nakamu
きんとき
きんとき
Nakamu
Nakamu
きんとき
きんとき
Nakamu
Nakamu
きんとき
シャークん
シャークん
Nakamu
きんとき
Nakamu
Broooock
きりやん
Nakamu
きんとき
…だいぶきついかも
そこそこ深めにやっちゃってたし
それもあるのかな…
きんとき
シャークん
Nakamu
きんとき
飲み物取ってくるって言ったけど水でいいよね
きんとき
Nakamu
きりやん
スマイル
Broooock
スマイル
スマイル
シャークん
きりやん
スマイル
スマイル
Nakamu
正直心配でしかない
あいつの事だから無理して倒れてたりしないこともないんだよな…
スマイル
ピーンポーン
スマイル
スマイル
ガチャ
スマイル
スマイル
目の前に映る光景
それは血の着いたカッターが机の上に置いてあり、机やその近くは血で汚れている
スマイル
スマイル
とりあえず探すか…
スマイル
床に倒れ込むきんときがいて、その近くにはゲームの画面がついたままのパソコン
スマイル
スマイル
きんときの手首を見てみると大量の深めの傷跡と血
絆創膏や包帯が巻かれた形跡などはなくそのまま
スマイル
きんときは昔からこういうことをしていた
本人は俺が知っていることに気付いていないようだが
学校で手首の包帯が制服から少し見えていた
それに高校と言ったら
きんときはよく周りから頼られていた
男女双方から人気があり、廊下で主に女子からきんときの噂がされるほどだった
本人は無自覚のようだったが
スマイル
スマイル
スマイル
スマイル
きんとき
きんとき
スマイル
きんとき
スマイル
きんとき
スマイル
きんとき
スマイル
きんとき
スマイル
きんとき
スマイル
きんとき
スマイル
スマイル
きんとき
スマイル
きんとき
スマイル
きんとき
きんとき
スマイル
少々ため息をつきながらきんときのアカウントでdiscordを開く
Nakamu
スマイル
きりやん
スマイル
スマイル
スマイル
シャークん
スマイル
Broooock
スマイル
Broooock
スマイル
Broooock
Broooock
スマイル
Nakamu
スマイル
スマイル
シャークん
きりやん
きりやん
きりやん
Broooock
スマイル
Nakamu
きんとき
とりあえず寝てこい…とか言われても
思い出すと未だに傷が傷んで寝ることすらできない
きんとき
もう嫌
ただ…
ただ俺は……
──が欲しいだけなのに…
ただ…──になりたいだけなのにッ……
きんとき
きんとき
やっぱ俺は
”あいつ”と違って
きんとき
…俺は1粒の涙を流し、眠りについた。
数十分後
スマイル
Broooock
スマイル
きんとき
スマイル
イヤホンを外しながら優しく話しかける
きんとき
スマイル
スマイル
スマイル
きんとき
その言葉に戸惑う
”偽装”ってばれた?
皆に嫌われた?
だってここへ来る前にちゃんと作り笑顔も完璧にしてきた
でもばれちゃった
きんとき
きんとき
きんとき
きんとき
スマイル
きんとき
きんとき
スマイル
きんとき
きんとき
スマイル
彼がイヤホンを抜きまとめながら言う
Nakamu
Nakamu
シャークん
シャークん
きんとき
もう、何もかもどーでもいいんだから…
きんとき
きんとき
きりやん
きんとき
きんとき
スマイル
スマイル
きんとき
”過去”
できれば言いたくないけど
──になる為…なら…
きんとき
Broooock
きりやん
きんとき
Nakamu
きんとき
俺の母さんは、病気を持っていたそうで
俺は生まれつき持病があるとされていた
だがそんなことはなく健康に生まれるという”奇跡”を起こした
でも母さんは、俺を産んで一ヶ月後にしんだ
kn.父
kn.父
kn.幼
kn.兄
kn.父
kn.父
kn.兄
kn.幼
kn.父
kn.幼
嫌で嫌で仕方なくて
まだ小さい時…小学1年生の時くらい
そんな時に家を出た
kn.幼
とにかく父さんから逃げたくて
隣町の方の公園まで走ってきた
体は傷や痣だらけ
そんな状態でそのままいられる訳もなく
ただ、その場に倒れた
通行人.A
通行人.A
通行人.B
通行人.A
通行人.B
通行人.B
通行人.A
通行人.B
通行人.A
偶然通りかかった、30代程の2人の女性
この2人がいなければ、今頃しんでたかもね
警察官.A
通行人.B
通行人.A
警察官.B
通行人.A
通行人.A
通行人.B
警察官.B
通行人.B
警察官.A
心優しく、とりあえず救おうとしてくれる方々
尊敬してるし、会えるならまた会いたい
kn.幼
通行人.B
通行人.A
kn.幼
kn.幼
通行人.B
kn.幼
警察官.A
kn.幼
警察官.A
kn.幼
警察官.A
警察官.B
kn.幼
警察官.B
警察官.B
警察官.A
警察官.B
警察官.A
警察官.A
kn.幼
警察官.B
kn.幼
警察官.B
kn.幼
警察官.A
kn.幼
kn.幼
警察官.B
kn.幼
警察官.A
通行人.A
通行人.B
警察官.A
ただ親から逃げたかった
兄から逃げたかった
だから施設に入った
施設の人.A
kn.幼
広くて、俺より小さい子もいて
正直、ちょっと嬉しかった
ただ一目見ただけで
「暖かい場所」ってわかったから
kn.幼
施設の人.A
施設の人.B
施設の人.B
kn.幼
この時、少し分かった
これがずっと求めた
”──”なんだって
今はもう、わからないけどね
きんとき
Nakamu
Nakamu
シャークん
シャークん
Broooock
Broooock
きりやん
きりやん
スマイル
スマイル
きんとき
きんとき
きんとき
Nakamu
きんとき
きんとき
きんとき
Broooock
きんとき
きんとき
スマイル
きんとき
スマイル
きんとき
きんとき
きんとき
きんときのことに何も気付けなかった
今までなにも出来なかった
俺はやっぱりだめだな
それに、俺は…
スマイル
𝒏𝒆𝒙𝒕↪
コメント
28件
フォロー失礼しますm(_ _)m めっちゃ好き
スマイルあああああああああ
通行人さんの口調好きw 隣町ってわかるのすごいな...