ギィィ…
ギィィ…
ギィィ…
あれ、私何してたんだっけ?
あぁ…
そうだ。
私、
・・・・・ 死んだんだっけ。
「空中楼閣の船旅」
前編
ギィィ…
ギィィ…
ギィィ…と言う不思議な音が
耳の奥に入ってきた。
その音で目が覚め、
ゆっくり目を開けると
私は
少し古びた船 に乗っていたのだ。
登坂 悠良
スッと立って辺りを見回すと
老人がたくさん船の上で
色んな人と会話を楽しんでいるように見えた。
他にも
小さい子どもが1人、
20~30代の人が2、3人
船の上でくつろいでいたり、
会話を楽しんでいたり。
計30人ほどの人が船に乗っていそうだ。
登坂 悠良
この場所に恐怖心を抱いている人は
・・・ 私以外誰1人として
見当たらない。
登坂 悠良
登坂 悠良
船が進んでいるのに
運転手が居ない。
登坂 悠良
登坂 悠良
この船は一体
何処へ向かっているのだろう。
進んでいるのは水の上。
けれど、海とは言えない
水の色。
夜だからはっきりとは分からないけど
青色でも水色でも緑色でもない。
登坂 悠良
水を良く見てみると
その水は
自分を映していた。
登坂 悠良
登坂 悠良
夢にしては 出来すぎているのだ。
…もし、
夢じゃなかったら…?
登坂 悠良
背中がゾッとした。
何も考えたくはなかった。
鳥肌が身体中を
埋めつくし
背中に一筋の水が
タラリと落ちた時、
私は思わず
ゴクリと固唾を呑んだ。
登坂 悠良
怖い
怖い怖い
怖い
…怖い
怖い
登坂 悠良
登坂 悠良
誰か…
…誰か
登坂 悠良
登坂 悠良
急に降りかかった声に
ビクッと肩が上がった。
声がする方をゆっくり見ると
私と同じくらいの年の男の子が立っていたのだ。
登坂 悠良
男の子は私を見ると
男の子は、なぜか…
悲しげに笑った。
登坂 悠良
そうだ、私…
登坂 悠良
死んだんだっけ。
そう言うと
男は右の人差し指で
左胸を指した。
登坂 悠良
自分の左胸辺りを見ると
赤色のバッジがついていた。
登坂 悠良
登坂 悠良
登坂 悠良
登坂 悠良
登坂 悠良
登坂 悠良
登坂 悠良
登坂 悠良
男の子はニカッと歯を見せて笑った。
登坂 悠良
柴崎 音緒
登坂 悠良
柴崎 音緒
柴崎 音緒
音緒はその場に座り、
私も続いてゆっくりと音緒と向かい合うように座った。
登坂 悠良
柴崎 音緒
もう1つ気になる事があった。
登坂 悠良
登坂 悠良
聞けなかった。
ニコニコしているように見える君の顔だったけど
その仮面の下は悲しみで溢れていそうだったから。
登坂 悠良
老人達にはちゃんとバッジがついているのが見えた。
けど、君の左胸を何度も見ても
バッジはついていなかったのだ。
君の死因は何なんだろう。
あなたは誰?
TO BE CONTINUED
コメント
55件
船に乗った人はみんな死者だったなんて…。なんだか悲しいな…。こんなにも死者がいるなんて…。でも、そんな一慶さんの世界観が凄く好き…!!!音緒くん…。死因は…?なんなんだろう…?音緒くんの仮面の下には…。どんな悲しみが溢れてるのかな…? 次は後編…!!楽しみにしてるね!!!
え、続きが気になる… 楽しみにしてますっ