次の日
10:09
花屋の作業部屋
りん
...ん。
りん
(あれ...。)
りん
(私、)
りん
(あのまま寝ちゃってたんだ...。)
りん
...。
薔薇の花束を見つめる
りん
...っ、
りん
お店、
りん
はやく開けなきゃ...。
10:15
りん
...。
りん
(お客さんまったく来ない...。)
りん
...。
りん
(さとるが来てくれたら、)
りん
(さとるが笑ってくれるなら、)
りん
(それだけでいいのに...。)
りん
...。
りん
(私は優也さんに着いていくって決めたのに...。)
りん
(私ばっか悩んでるとか、)
りん
馬鹿みたいじゃん...。
16:08
りん
...。
プルルルル(電話の音
りん
...ん。
カチッ(受話器を手に取る
りん
「お電話ありがとうございます。」
りん
「花束の御予約でしょうか?」
さとる
「...りん!」
りん
「...え、」
りん
「さとる...?」
さとる
「...うん、」
さとる
「今日、」
さとる
「東京へ行く前にりんに会いたい。」
りん
「...っ、」
さとる
「自分勝手なのは分かってる、」
さとる
「けど、」
さとる
「最期にりんと話がしたい。」
りん
「...。」
りん
「私...っ、」
さとる
「...場所はメールで送っとくから、」
さとる
「18時にカフェで待ってる。」
りん
「...え、」
りん
「そんな急に言われても...っ、」
さとる
「...あと、」
さとる
「順ちゃんは居ないから。」
りん
「...え。」
ツーツー(電話が切れる
りん
...。
りん
(順子さんが居ないってことは、)
りん
(二人きりで会うってこと...かな、)
りん
(けど、)
りん
(さとるは婚約してるのに、)
りん
(そんなことしていいの...?)
りん
(それに、)
りん
(なんのために会うの...?)
りん
...。
りん
(分からない、)
りん
(分からないよ...。)
りん
(さとるが分からないよ...。)
りん
(覚悟決まって、)
りん
(諦められたって思ってたのに...っ、)
りん
...っ、
りん
(お願いだから...、)
りん
(これ以上、)
りん
無駄な期待..させないで...。
好評でしたら続編描きます🙇♂️