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高橋side
頬杖をつきながら
眠さに耐えるゆうかを見て
もわもわと思い出す。
"俺がサッカーをしなくなった理由"
それは明らかに中3の頃だった。
高橋恭平
高橋恭平
高橋恭平
中学3年生は、
夏の引退に向けて
部活が更にハードになってきた。
そのおかげなのか、
応援に来る女の子がたくさん居て。
俺と、もう一人の"あいつ"
を求めて
放課後の校庭は女の子で埋め尽くされていた。
そんな中、
試合終了後に見つけた女の子。
俺もまぁまぁ見た目には自信あったし、
俺の事を見に来てくれたのかなって思った。
けど違って。
その女の子と目が合えば
すぐに目をそらされた。
そして、隣に居た
"あいつ"の元に駆け寄った。
女の子
"あいつ"
"あいつ"
"あいつに水を渡した女の子。"
なんやろ。
このズキズキした感じ。
女の子が"あいつ"に向ける笑顔が羨ましくて。
……変な感じだった。
それを紛らわそうと
他の女の子の方に行くけど、
どうも向こうが気になって仕方ない。
何度も振り向けば、
皆に見せつけるかのように笑い合う2人。
高橋恭平
高橋恭平
"苦しい"
どうしようもない怒りと苦しみに襲われて、
いつもより早くロッカーに戻った。
なんなんだって。
何度も胸の辺りを叩いても
出てくるのはため息ばっかり。
そんなとき、ガチャリとあいたロッカー室のドアに目を向けると
出てきたのは、
さっきまで女の子と話していた"あいつ"だった。
"あいつ"は感情もなく俺の隣に座るのが気に食わなくて
"お前、あの子と付き合ってたりすんの?"
と、自然に言葉が出ていた。
今も忘れない。
その時の"あいつ"の
ニヤッっとした
裏のある笑み。
"あいつ"
高橋恭平
"あいつ"
"あいつ"
"あいつ"
"あいつ"
"あいつ"
"あいつ"
"いらない女くらいおんねん。"
そう吐き捨てた"あいつ"に限界が来て。
やっと気づいた。
あの女の子が好きなんやって。
俺とあいつは大体、
連帯プレーで点をとっていた。
俺がゴール前までボールを持っていって、
"あいつ"がシュート。
俺が居なければあいつは何もできない。
だからサッカーを辞めた。
コメント
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待って、これに気付かずに次のを読んでいた我……←