橘日向は嫌がらせを受けていた。
ある日、階段で見知らぬ先輩に 声をかけられた。
橘日向
ヒナは、あの件については 自分が全面的に悪いと 理解していたので
黙って下を向いた。
橘日向
それでも黙っていると
カッとした先輩が コーヒー缶をヒナにかけようとした。
もちろん 中身はまだ沢山入っており おまけに湯気を立てている。
被ってしまえば火傷は免れない。
橘日向
ヒナは咄嗟に顔を背けて 熱さに備えた。
が、いつまで経っても 熱さを感じない。
恐る恐る目を開けると
目の前に大きな背中が見えた。
成瀬
どうやら自分の前に立って 庇ってくれたらしいと 理解する。
成瀬と言うらしいその男は
ピアスを沢山空けている上、 顔がとても整っていた。
ヒナの周りには居ない、 色気のあるタイプのお兄さんで
ヒナは少しドキドキした。
成瀬
成瀬は黙ってコーヒーまみれの 自分の制服を見る。
橘日向
橘日向
お礼を言おうとすると 先輩らは舌打ちした。
橘日向
泣きそうになりながらも否定する。
橘日向
ヒナの言葉はそこで途絶えた。
成瀬が突然口を開いたから。
成瀬
成瀬
大谷
佐藤
ノールックで上の階にいた 友人らしき人から 何かを受け取って
実行犯の先輩の上でひっくり返した。
先輩の制服を、靴を、床を 茶色い液体がしゅわしゅわと 音を立てながら濡らしていく。
成瀬
もう一人の先輩に空の ペットボトルを叩きつける。
橘日向
ヒナはパクパクと口を開いたが 言葉が出なかった。
佐藤
佐藤
大谷
先輩に呆然としながら尋ねられると
成瀬は小首を可愛く傾げて言った。
成瀬
成瀬
先輩らが逃げるように 去っていった後
成瀬は振り返って へにゃっと笑った。
成瀬
成瀬
その光のない真っ黒な目で見つめられ
ヒナは震えて座り込んだ。
橘日向
成瀬
上では成瀬の友人達が相変わらず 爆笑していた。
さくしゃ
さくしゃ
さくしゃ
さくしゃ
コメント
14件
サイコパス伽羅って…確実にイケメンなのがいいですよね(? ギャップというギャップが凄いというか 無意識サイコパスって全体的に何故か可愛く見えてしまうというか… この性格を何とか改善したいです…🫣(((
ん?え?成瀬?
続き待ってる!庇うとか最高