私
ひゃあ......
私
被害、多いね。
舞花
そうだね。
外壁の一部が崩れてしまっていたり、
看板も落ちていたり。
冬の冷たい風が心を通り抜ける。
私
はあ。
舞花
元気出してよ。
そういう舞花の声も沈んでいる。
舞花のお母さん
そろそろつくよね?
私
はい。
?
た......て
?
助けて......
私
!?
?
の、ぞみ......
私
お父さん?
苦しそうな顔をしてこちらを見ている。
飛鳥
お父さん......?
がれきに下敷きになっている。
お母さんと私にひどいことを散々してきたお父さん。
それなのに今更助けてもらおうというのか?
人間助には助けないと......
そう思うほど、心臓がどくどくと跳ねる。
私
あのぉ……先行ってて。
舞花のお母さん
どうして?
私
ちょっと、ショックで……
私
先にお母さんに会っておいてくれませんか?
飛鳥
……わかった。
お父さん
希美……
お父さん
お願いだ。助けてくれ。
私
私たちがどれだけ悲しんできたか分かる?
私
私が、どれだけお父さんのせいで
私
辛い思いしてきたか分かってるの!?
お父さん
すまん。すまんから、
お父さん
助けてくれよォ……
反省はないの……?
プツッと私の中でなにかが切れた。
私
もう、無理。
私
私も今お父さんみたいな最低の人になっちゃう。
お父さん
はぁ?
私
お父さん、ごめん。
私
お父さん、ありがとう。
私
私、お母さんの為に行くよ。
3人がいる所へ歩き始める。
お父さん
ま、まて!
お父さん
俺は?
私
ごめんなさい……
ポロッとひと粒、涙が落ちた。
私
私、人殺しだ……
舞花
あ、希美!
私
お待たせ。
飛鳥
もうちょい先か?
私
うん。
結局、3人は少し離れた場所で待っていてくれていた。
あともうちょっと。
足元はボコボコしていたり、がれきが落ちていたりしていて
危ないところもある。
グラっ
舞花
よ、余震かな……?
どんどん揺れが大きくなっていく。
舞花のお母さん
頭、守って!!!
私
……!
頭の上から看板が降ってきた。
舞花
危ない!
ドンっっ
私
うわっ!
舞花が私に体当たりした。
飛鳥
ま、舞花っ
その看板は舞花の頭の上にへと 落ちてくる。
私
き、きゃああああ
私は手で顔を覆った。
恐る恐る目を開ける。
舞花は
看板の下敷きになっていた。
私
ま、舞花ぁ!
舞花
痛いよぉっ
どうも抜けれないようだ。
舞花のお母さん
な、なんとかして看板を……!
舞花
いいよ。
舞花
私、まだ大丈夫。
舞花
いってきて!
私
は?
私
……舞花何言ってんの?
舞花
知ってるよ。
舞花
希美のお母さん結構ケガ、やばいんでしょ。
舞花のお母さん
……っ。
舞花
あ、お母さんは良かれと思ってだよ。
舞花
急いでケガさせないようにって。
舞花のお母さん
なんで分かるの?
舞花
表情見てたらわかるよ~
舞花
とりあえず、行ってよ。
飛鳥
そんな!
舞花を置いていけないよ……
舞花を置いていけないよ……
舞花
いって、いって!
舞花は笑顔を見せる。
私
やだ、やだよぉ!
舞花のお母さん
ほんとに大丈夫なの?
舞花
うん。
飛鳥
母さんはここにいたら?
飛鳥
俺は希美と一緒にいく。
飛鳥
一緒に医療所に行こう。
あの時
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To be continued