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Kow
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2人で公園に行った日から、1週間が過ぎた
友達と遊んだ日の帰り道、家の前で祐希君の家にちらっと目を向けた ずいぶん遅い時間なのに、灯りはついていない 二階の窓のカーテンも、閉まったまま
…まだ帰ってないんや
立ち止まってスマホで時刻を確認する
藍
次に連絡が来たのは、三日後の金曜日の夜
石川祐希
藍
石川祐希
石川祐希
藍
石川祐希
藍
空いたと言っても1週間半くらいしか経ってないけど、 久しぶりに会う感じがして、正直少し嬉しい
石川祐希
藍
土曜の昼過ぎ
祐希君の家に入るのは6年ぶりくらいかな? 勝手に入ってきてくれていいって言われたけど…
少し緊張しながらドアを開け、玄関に入った
藍
玄関のたたきに見慣れない革靴が一足だけ揃えて置いてある
藍
階段の途中の手すりのところに、潰れた段ボールが何枚も立てかけてある
祐希
Tシャツにジャージで、首にタオルをかけた祐希君が部屋から出てきた
二階の部屋は、開いていない箱が壁際に積まれていて ベッドと机のあいだに細い通り道だけができている 机の端には、飲みかけのペットボトルが置いてある
藍
祐希
祐希
祐希
藍
祐希
藍
カッターでガムテープを切ると、箱の中から本が出てきた 文庫、参考書、ビジネス書…背表紙の角が、どれも少し白くなっている 祐希君は、棚の前にしゃがんで、本を端から詰めている 「これどこ?」「そっち」と短く言い合うたび、段ボールの音と、テープを剥がす音が続く
一時間ほどたった頃、重い箱を二人で持ち上げる その時、祐希君のシャツから洗剤と少し汗が混ざったような匂いがした
藍
祐希
祐希
祐希君は手を離した後、少し離れて窓のほうを向いたまま 首のタオルで顔や体を拭きだした
祐希
藍
祐希君は小さな声でよかった…笑と呟く
藍
藍
祐希
夕方になり、やっと荷解きも終わろうとしていた
その時、最後の段ボールの底から厚い表紙のアルバムが出てきた 表紙には、薄く埃が積もっている
祐希
藍
藍
祐希
藍
すぐに並んで床に座って、ページを開いた 長い間張り付いていたビニールのフィルムがめくるたびにぺり、と音を立てる
小学生の祐希君。中学の制服を着た祐希君。 少し不機嫌そうな顔をしていたり、満面の笑みだったり
藍
祐希
ページの途中で、手が止まった 補助輪を外した自転車にまたがって、顔をぐしゃぐしゃにして泣いている小さな男の子 その後ろで、サドルを支えたまま少し大きい男の子が笑っている
祐希
祐希
藍
祐希
藍
写真の中の祐希君は、歯を見せて楽しそうに笑っていた
藍
祐希
祐希
藍
祐希
祐希君はこっちを見て微笑んだ
他にも2人で写ってる写真が沢山あったが、 覚えていないものが多かった
アルバムが閉じられて、床に置かれた 祐希君が立ち上がって、窓の鍵を閉める
祐希
藍
窓の外は少し暗くなり始めていた