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次の日の昼休み。
教室では女子グループのヒソヒソ声が飛び交っていた。
その声はまるで計算された毒。
笑いに混ざってる分、タチが悪い。
(あーあ、また始まった。)
葵はため息ひとつ。
別に何もしてない。
けど、それが目立つということはわかっていた。
周囲のを気にしないようにしても、勝手に視線は集まる。
話しかけられれば自然に返すし、笑顔も崩さない。
けれど、
(それだけで私は敵になるんだ。)
そんな理不尽な校内政治に疲れることもある。
でも負ける気もしなかった。
朝霧 葵
誰かに嫌われたって関係ない。
葵はそう思いながらも、ふと後ろの席から感じる視線に気づいた。
朝霧 葵
花巻 貴大
朝霧 葵
花巻 貴大
花巻 貴大
花巻貴大。青城のゆるキャラかつ観察眼の鋭い男。
冗談めかして、言葉の端に本質を突いてくる。
朝霧 葵
花巻 貴大
その一言が葵の胸を少しだけ揺らした。
(この人はもしかしたらちゃんと見ようとしてくれてるのかもしれない)
そう思った途端少しだけ心が軽くなる。
誰にもわかって貰えないという呪いが
少しだけ緩んだ気がした。
けれど。
葵の前に現れたのは女子グループのリーダー格。
真っ赤なネイル。完璧な制服の着こなし。
その口元には笑みと棘が混ざっていた。
葵は一瞬表情を止めたあと、ゆっくりと笑った。
朝霧 葵
(来ると思った笑)
朝霧 葵
嵐の予感に胸が高鳴る。
でも逃げるつもりは無い。
ヒロインじゃなくても
悪女でも
私は私だ。
コメント
2件
なんか折れない人ってまじかっけぇー 今Lチキ食べながら見てるけど普段の倍おいしいw