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おれがまだ子供だった頃
よく遊んでいた 人間の女の子がいた
年は同い年くらいで
いつも赤いずきんを被ってる
笑顔がとても可愛くて
今思うと、あれは
おれの初恋だったのかもしれない…
レトルト(子供)
?(子供)
レトルト(子供)
レトルト(子供)
?(子供)
レトルト(子供)
?(子供)
レトルト(子供)
?(子供)
赤いずきんを取る
レトルト(子供)
レトルト(子供)
?(子供)
?(子供)
?(子供)
レトルト(子供)
?(子供)
レトルト(子供)
?(子供)
レトルト(子供)
みんなは人間と狼が 仲良くなれるはずがないって 言ってたけど
おれたちは いつも笑い合っていて すごく仲良し
だから、これからもずっと 一緒にいると思っていた
思っていたんだ…
…あの時までは……
きっかけは いつもやってた鬼ごっこ
はしゃぎ過ぎてたおれは あの子が人間だということを 忘れてしまっていた…
レトルト(子供)
シュッ!!
?(子供)
わざとじゃなかった
でも、あの子の首にツメが当たり 首から血が滴り落ちた
レトルト(子供)
女性
近くにいた女性の叫び声が響き渡る
男性
女性
レトルト(子供)
男性
レトルトに銃を向ける男性
ズドンッ!!
レトルト(子供)
左肩に当たり倒れるレトルト
レトルト(子供)
女性
男性
レトルト(子供)
ワオーン!!
辺り一帯狼の遠吠えが木霊する
男性
女性
狼人間
茂みから数人 唸り声を出しながら出てくる
男性
あの子を抱き上げ 人間たちは逃げて行った
狼人間
レトルトに駆け寄る
レトルト(子供)
狼人間
レトルトのおばあちゃん
レトルト(子供)
レトルトを抱き寄せるおばあちゃん
レトルトのおばあちゃん
レトルト(子供)
痛みのあまりおれは意識を失った…
【現在】
レトルト
仏壇にお供えものをし 手を合わせるレトルト
レトルト
左肩の古傷が痛む
レトルト
あの出来事から二十数年
左肩に受けた銃弾のせいで 左肩から左手まで 日常生活に そこまで支障がないものの 少し障害が残っている
レトルト
あれから色々とルールが出来て 狼にとって 住みやすい環境になった
といっても、それは 「狼地区」「共同地区」だけで
「人間地区」では いまだに狼を殺そうと 躍起になってる人間がいる
『レトルト、人間地区には 絶対近寄っちゃだめだよ? 今度はその左肩のケガだけじゃ 済まないからね?』
レトルト
『あと、人間は弱くて臆病だ。 仲良くなりすぎたら 酷い目にあう。 特に"赤ずきん一族"と "狩人一族"には気を付けなさい』
あの子が "赤ずきん一族" だと知ったのは 病院のベッドの上でだった
「友達と遊んでくるね」 と出掛けてたおれが
"まさか赤ずきん一族の子供と 遊んでたなんて" と周りの大人たちは驚いてたっけ…
レトルト
でも、ばあちゃん
おれ、あの子にもう一度会いたいんだ
会ってケガさせたことを 謝りたい
謝って もしも許してくれたら
その時はあのオレンジ色の花畑で 交わした約束を……