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本橋 鈴

…行ってしまいました。

本橋 鈴

…一葉くん!!

俺は優しく鈴の頭を撫でた。

如月 琉生

…大丈夫だよ。

如月 琉生

一葉なら。

優しく鈴を包んだ。

如月 琉生

…ここなら誰にも見えない。

如月 琉生

泣いていいよ、鈴。

本橋 鈴

…す、すいません。

本橋 鈴

…。

鈴は俺の腕の中で 声を殺して泣いた。

なぁ、鈴。

俺さ、鈴に言わないと いけないことがある。

もし、願いが叶うなら

鈴のそばにいさせて下さい。

若草 椥

…ん。

どこだ、ここ。

真っ暗だ。

前も後ろもどこも光がない。

どこが前なのかも分からない。

俺、何してたんだっけ?

俺は少し前に進んだ。

若草 椥

…あれ、ドアがある。

俺はドアノブをクルリと回した。

若草 椥

おぉ…

そこには花畑が広がっていた。

若草 椥

凄い…、綺麗だな。

 

…!!

花畑の中に1人

若い女性が立っていた。

若草 椥

…誰だ?

女の人は俺に気づいたのか こちらに向かって走ってきた。

 

…駄目!!!

若草 椥

…え?

 

ここに来たら、駄目だよ!
椥ちゃん!!!

若草 椥

…え、なんで俺の名前。

若草 椥

(どういうこと…)

若草 椥

…!!!!

若草 椥

(…腰まである長い髪の毛。優しい瞳。)

若草 椥

…お、母さん?

椥の母

…、ごめんね。

椥の母

椥ちゃんをおいて、
先に死んじゃって。

椥の母

ごめんねっ!!!

お母さんは膝を床について顔を両手で隠しながら泣いた。

若草 椥

…え、

若草 椥

…。

若草 椥

お母さん

若草 椥

顔をあげてよ。

椥の母

…私なんて母親失格よね?

椥の母

お父さんも椥も龍も

椥の母

…この世に置いていってしまったんだから!!!

若草 椥

…ううん、

若草 椥

お母さん、

若草 椥

俺は今、幸せだよ。

若草 椥

大丈夫。

椥の母

…そっか。

椥の母

良かった、

若草 椥

あのさ、俺ってここで何してんだろう。

若草 椥

お母さん、知らない?

椥の母

…あ、

椥の母

ここは、あの世。

椥の母

ここの花畑に足を踏み入れないで!!!

椥の母

ここに入ると、あなたは

椥の母

死んでしまうわ。

若草 椥

…え。

椥の母

今、椥ちゃんは生死をさ迷ってる。

椥の母

まだ、大丈夫よ。

椥の母

さぁ、帰りなさい!!

若草 椥

…でも、

若草 椥

せっかく、お母さんに会えたのに

若草 椥

どうしても、そっちに入っちゃ駄目なの?

椥の母

…駄目よ!!

椥の母

椥ちゃんがまだ来るところじゃないわ。

椥の母

ここに来るのは、まだ先でいい。

椥の母

私、待つのは得意なの!

若草 椥

お母さん…。

椥の母

…ごめんね。

椥の母

育ててあげられなくて…

椥の母

でも、私ここでずっとあなたを見守ってるから

椥の母

今度、あなたが本当に死んだときは

椥の母

恋バナしましょうね?笑

若草 椥

お、母さん。

俺はお母さんに抱きついて泣いた。

椥の母

…ふふっ。

椥の母

椥ちゃんは温かいね。

椥の母

まだ、こんなに小さいのね。

椥の母

椥ちゃん、

椥の母

またね。

椥の母

もう、ここには来ちゃ駄目だよ。

椥の母

ほら、向こうに人が待ってる。

お母さんが後ろを指差した。

若草 椥

…え?

俺は後ろを振り返った。

若草 椥

…誰だ?

後ろにはひとつの光。

向こうのドアの所で1人の男が手を差しのべていた。

若草 椥

(逆光になっててあの人の顔が見えない。)

若草 椥

…でも

何かいけないといけない気がする。

若草 椥

お母さん、俺、

若草 椥

行かなきゃ。

椥の母

…うん。

椥の母

あの人は椥にとって

椥の母

きっと大切な人よ!!

若草 椥

…うん!

俺はゆっくりとあの男の方へ歩き出した。

もう振り返らない。

若草 椥

…あ!

刹那 真白

…椥!!

刹那 真白

帰ってこい!!

若草 椥

…真白。

ドアの所に立っていたのは

真白

お前だったんだな。

若草 椥

…真白!!

若草 椥

真白、真白、真白!!!!

俺はドアの向こう側にいる真白に抱きついた。

若草 椥

…ん。

刹那 真白

…!!!

刹那 真白

おい、椥!!

刹那 真白

聞こえるか??

目を開けると

そこには

今、一番会いたかった

君がいた。

刹那 真白

おかえり、椥。

若草 椥

…ただいま。

さよなら僕たちの世界。

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よければ、君の中で僕は叫ぶ/いつかこの世界から消えるなら/最後の秋、君に花束を贈る。も見てみてください! by 雨恋

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