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その木の下であなたを待ってる【完結】

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その木の下であなたを待ってる【完結】

5 - その木の下であなたを待ってる[完]

♥

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2019年12月16日

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刹那は直ぐに起きて学校に生えている 大きな桜の木の下に行った

そこにはある者の姿が見えた。 天狗の面を付けた恐らく由紀だ

刹那

やっと見つけたぞ。

天狗

……。

刹那

お前の本当の姿は俺は知ってる

天狗

もうそこまで来てるのですか

刹那

お前は……いや

刹那

君は由紀なんだろ?

天狗

………。

天狗

どうしてそう思う?

刹那

僕はこの時間を2回だけだけど経験してる。その中で僕は2度君に合っていて

刹那

その度に君は由紀や僕の事を話してくれた。

刹那

2回目の時は由紀の記憶を見せてもらった

刹那

その中で由紀はある者と約束していた

刹那

それがその姿である天狗だった

刹那

そして、由紀が息絶えたあとの悔いの感情が僕は見えた。

刹那

由紀は【祭りの日に刹那に会いに行こう】と誓っていた

刹那

そして今日がその祭りの日であり、天狗との約束の日でもあると僕は推測した

天狗

……

天狗

正解だよ。刹那

刹那

やっぱり君が由紀なんだね?

天狗

そう。私が由紀なの。

そう言い由紀は天狗のお面を外した。 お面の中の顔は昔となんら変わりのない いつもの由紀がいた

由紀

やっと私って知ってくれた。

刹那

気づけなくてごめんな由紀

由紀

いいよそんなの。

由紀

私ね。ずっと後悔してたの

由紀

あの時刹那に言えなかったことがあって、ずっと刹那はそれが心残りなのかなって

刹那

うん。ずっと心残りだった。

刹那

僕が早く行けば由紀は死なないで済んだのかもしれないし……

由紀

もうすぎた事だし今更悔いても仕方ないよ

由紀

それに私、死んじゃってからいい事があるって気づけたから

刹那

それが今まで僕に説いてきた【死をどう捉える?】て質問?

由紀

そう

由紀

私は死んでから色んな事を知ったよ

由紀

ホントにあの世があった事。未練ある人が亡くなるとホントに現世に縛られるってこと

由紀

私は死んで最初は後悔しかなかったけど私の死をきっかけに刹那は変わってくれたよね?

刹那

もう誰も僕の前で死んで欲しくない

刹那

僕が弱かったから由紀が死んじゃったって思ってたから

由紀

そんな事ないよ。刹那は他の子よりもずっと強いよ

刹那

でも、僕は喧嘩なんかした事ないし…

由紀

そんな物理的な強さじゃないよ

刹那

え?

由紀

刹那は他の子より心がずっと強いと思う

由紀

きっと他の子なら友達が目の前で亡くなってたら立ち直ることは出来ないと思う

由紀

でも、刹那は違った。

由紀

私がいなくなって自分に責任があると思って強くなろうと前向きに生きてくれた

由紀

霊体の私はずっと見てたんだよ刹那を

刹那

ぼくをずっと見てたの?

由紀

最初はずっと落ち込んでたけど、だんだんと前向きに生きようとしてたのわかったよ

由紀

それに、独り言で【僕は由紀の分も生きるんだ】なんて言ってたしね

刹那

やめてよ恥ずかしい

由紀

ふふっ……。でも、ホントに強くなったね刹那

刹那

きっかけはどうであれ由紀がいてくれたおかげで僕は頑張れたよ。

刹那

でも、未だに僕は変な期待をしてる。

刹那

もう一度だけ肉体を得て由紀に会いたいって…

由紀

それは……どうやっても叶わないわね

刹那

わかってる

刹那

今こうやって話せてるだけでも僕はもう満足だよ

由紀

それじゃ、伝えられなかった言葉を今伝えるね

由紀

私ね。刹那の事がずっとずっと大好きだったんだ

由紀

あの時刹那が先に私をここに呼んでくれた時すごく嬉しかったの

由紀

もうそこで成長してるなって感じれたから

刹那

僕は由紀と一緒に居られるようになってから大好きだったんだ。

刹那

だからあの時に思い切って告白しようと思って

由紀

なんだ。結局私たち両想いてやつだったのね

刹那

そうだね。

由紀

じゃあ今まで隠してきた想い全部ぶつけ合いましょう

そこからはとても楽しい時間を過ごせた。 今まで隠してきた想いを全部話せるからだ

刹那

そうだ!

由紀

どうしたの?

刹那

じつは頼まれてたんだよ

由紀

なにが?

刹那

由紀の両親に言われたんだ

刹那

もし見つけたら一度でいいから見てみたいって

由紀

……

由紀

私パパにママに顔見せたくないよ

刹那

どうして?

由紀

言う事聞かないで刹那を助けに言ったから

由紀

今も怒ってるはずだよ

刹那

そんな事ないよ。

刹那

由紀のご両親は由紀の持ち物全部大切に保管してたよ

由紀

そうなんだ……

刹那

一緒に会いに行こう

由紀

うん。分かった

由紀の家

刹那

どうもこんにちは

由紀の母

あら?刹那君どうしたの?

刹那

実はちょっとお話したくて

由紀の母

お話?

刹那

今日って祭りの日じゃないですか

由紀の母

そうね今もう祭りの真っ只中じゃない

刹那

その中で、ふるい言い伝えっていうご存知ですか?

由紀の母

もしかしてこの日は死者がやって来るってこと?

刹那

その中で言い伝えって信じてます?

由紀の母

信じてるわよ

由紀の母

いつか必ず私ので前に現れてくれるのを信じてる

刹那

なら、もし今その願いが叶うなら?

由紀の母

え?

刹那

由紀。おいで

由紀

マ、ママ?

由紀の母

由……紀?

由紀

そうだよママ。私だよ。由紀だよ

由紀の母

ホントに由紀なのね?

由紀の母

あの時の由紀なのよね?

由紀

前よりも大きくなったでしょ?

由紀

今日限りだけどただいま

由紀の母

おかえり。おかえり由紀……

それから12時前まで話し込んだ。 感動の再会。僕はここにいるのは場違いなので家の外でゆっくり休んでいた

由紀

あれ?刹那は

由紀の母

私らの関係を崩さないように気を使って出ていってくれたよ

由紀

変わらず優しいな刹那は

由紀

ごめんママ。もうお話出来そうにないや

由紀の母

いいのよ。私は貴女があの世でも元気ならそれでいいもの

由紀

ホントに………ママ大好きだよ

そういい由紀は母の元に行き手を腰にかけ優しく抱いた

由紀の母

私もよ……由紀

由紀の母も優しく抱き返した

刹那

良かったな由紀に由紀のお母さん

由紀

じゃあ私刹那とお話してくるね

由紀の母

えぇ。最後まで楽しんできなさい

由紀

ごめん。気を使わせて

刹那

気にしないでよ

刹那

親子の再開に僕は邪魔でしょ?

由紀

ホントに……刹那は変わってないね

刹那

この後どうする?

由紀

あの木の下でまた話そっか

刹那

そうだね

〜霞小学校前〜

由紀

やっぱりここが落ち着くな

刹那

そうだね

刹那

僕は由紀とこうして話せてるだけで嬉しいし落ち着くよ

由紀

ふふっ…。あの木の下で座って話しよ

そう言って学校の大きな桜の木の下で由紀と過ごした。

それは夢のような時間だった。彼女と別れ既に10年近く経っている。

当時の夢であった彼女とこの木の下で話す事ができたのだ

もうこれが夢でもいい。それでも彼女とこうやって話せてるこれだけで幸せなのだ

彼女の一つ一つの仕草がとても懐かしくて話もろくに入ってきたものではなかった

しかし時は残酷だ……

刹那

もう少しで祭りが終わるね

由紀

そう……だね

刹那

どうしたの?

由紀

私は死者なの

刹那

それは知ってるよ。この日だけしか……

刹那

!?

刹那

まって!じゃああと数分で由紀は…

由紀

居なくなっちゃうの…

刹那

で、でも次の祭りにも会えるよね?

由紀

知ってるでしょ?私と天狗の約束

刹那

………

由紀

私と刹那が1度でもこうやって会えたら私はもうこの世にはいられない

由紀

地縛霊は未練がありそこに留まる

由紀

私もそうなるはずだった

由紀

でも、私は天狗に救われた。

由紀

地縛霊になる代わりに天狗の真似をしていろと条件をつけた

由紀

私はその条件をのんだ

由紀

でも、代わりに刹那にこう会えたら私は成仏してしまうという約束を交わした

刹那

そ、そんな………

刹那

こんなに僕は君が好きで…

由紀

私もそう…

由紀

でも、こればかりは抗えない

由紀

そういう運命なんだよ

刹那

あの時ぼくがもっと早くみつけてれば…

由紀

昔の事を悔やんでも仕方ないでしょ?

由紀

私はこの最後の瞬間は笑顔でいたいんだよ

由紀

泣くなんてみっともないでしょ?

刹那

……

刹那

由紀はいつも強いよ

刹那

僕なんかまだまだ女々しいみたいなとこもあったりするのに

由紀

刹那は強いって何度も言ってるでしょ?

刹那

ホントに行っちゃうんだね…

由紀

うん…

由紀

あれ?なんでだろ……

由紀

泣かないって決めてたのに……

由紀

止まんないよ……

刹那

最後に……

言葉をそこで止めて由紀にと近づき 優しく抱きしめた

刹那

ホントに今日までありがとう……

由紀

…。なんで、お礼なんか……

刹那

僕は君がいたから頑張れたんだよ

刹那

君がいたから僕は強くなれた

刹那

僕の夢は決まってるんだ。

由紀

そうなんだ……

由紀

ちなみに何になりたいの?

刹那

医者になりたいんだ

刹那

由紀のような不慮の事故で怪我した人を僕が治してあげたいんだ

刹那

そうやっていけば僕達のような人はきっといなくなるよ

由紀

立派な夢ね

徐々に由紀の体が透けていく…

ホントに彼女とはここで別れるのだというのがわかってしまう…

由紀

大丈夫だよ刹那

由紀

あんたは立派な医者になれるわ

由紀

その夢をバカにするのがいたら私が?代わりに怒ってあげるわよ

刹那

ありがとう………由紀

由紀

そろそろ時間ね。

由紀

じゃあ私からの最後の贈り物

そういい由紀は刹那の頬に口付けをした

刹那

由紀……

由紀

大好きだよ刹那……

その言葉を最後に由紀は光の粒にとなり風に乗って消えていった

刹那

僕は君にたくさんのものをもらったよ

ゴーン………ゴーン……

祭りの終わりと12時を伝える鐘が鳴る……

その鐘の音はこの島全体に響き渡った 僕の心の中はぽっかりと大きな穴が空いてしまった

二度と彼女に会うことは無くなった。 それを思うと心が痛む

でも、もう前みたいに挫けない。 だって由紀は僕にたくさんの勇気をくれた

今日だってたくさんのものをもらった。 だからもう大丈夫…

由紀……僕は1人で生きていけるよ

刹那

聞こえてるのか分からないけど

刹那

ありがとう。由紀

あれから何年経ったのだろう…… 僕は夢であった医者になれた

色んな人と話をしてそしてその人が元気になった姿を見るのが今の僕の生きがいだ

そんな僕は未だに独り身だ。周りはみんな【早く結婚しなよ】なんて言ってるけど

僕は絶対にしない。だって僕にはたった1人のかけがいのない【大切な人】がいるんだから

今日はその大切な人が亡くなった日 仕事は休ませてもらい地元に帰る

そして正装をしてあの人の待つ場所に行く

刹那

あれから何年経ったのかな

刹那

僕はずっと元気だよ

刹那

夢だった医者になってね

刹那

沢山の人の命救ってるよ

刹那

僕は生涯を終えるまできっと1人なんだよ

刹那

だって僕には君がいるからね

線香を焚きながら1人でお墓に向かい話しかける僕。周りの目なんて気にしない

そんなの知ったことでは無い。僕は人生で1番愛した大切な人と話してるんだ

どんな目で見られても、どんな罵声を受けても絶対に挫けない

これが彼女との約束だと僕は思ってる

刹那

じゃあそろそろ行くね

刹那

また来年も絶対来るからね

そう言ってゆっくりと立ち上がった時風が僕の頬を通り過ぎた

その風はとても暖かく僕のために吹いたのかと思ったぐらいだ

刹那

なんか…嬉しいな

去りゆく刹那にまた風が吹く

刹那

風が……

刹那

由紀?

その風と共に刹那にだけ聴こえた声 【ありがとう刹那】

刹那

……こっちこそだよ

刹那

じゃあまた来年。必ず来るから

そう言ってお墓を後にした

由紀

刹那……

由紀

ホントに強くなったね

由紀

感謝の言葉しか言えないけど

由紀

ホントにありがとう刹那

由紀

大好きだよ……

その木の下であなたを待ってる 〜END〜

どうもこんにちは主です

まずは今日出す日でないのに出してしまってすみません(?)

書いててもう早くみんなに見て欲しくて上げてしまいました

このお話はシリーズとして短いですが、皆様のお気に召したでしょうか?

私はこの作品を書いていてとても楽しかったです!

自分の作品なのに何度か涙目になってることもありましたw

皆さんが感動したのかどうかは分かりませんが、少しでもウルってきてくれてたら嬉しいです

まだまだ文や表現がなっていないところもありますが、今後ともよろしくお願いします!

では!また別の作品でお会いしましょう!!

誤字脱字が多い主ではありますがww

ご愛読ほんとにありがとうございました!!

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