この作品はいかがでしたか?
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2時間目、
飛貴が不安がっていた英語の小テストが終わり、
チャイムが鳴ったのを確認して教室を出た。
行先はトイレ。
飛貴はクラスの男子と騒いでたし、
引き止められずすんなりと行けたから良かった。
いつもなら
"俺も着いてく"
なんて結構な爆弾発言が飛び出すから、
茶化されたり馬鹿にされたりで結構苦労。
トイレに行くのにも苦労って、…何事。
思い出してクスクスと笑いがこぼれる中、
着いたトイレ前から
"きゃははっ"
と高い笑い声がした。
何故かそれで足がピタリと止まり、
行くなと脳から全身に伝わる。
「そう言えば、りさのクラスの愛川さん、浮所くんと付き合ってるらしいよ」
「あぁ、…愛川さんね、2か月前から付き合ってるらしいよ?」
「2か月前?じゃあ私の方が好きになったの先って事??」
「それなのにほのか、浮所くんと付き合えてないじゃん」
「うわぁ…あんな地味な人に好きな人取られるとかほのか可哀想~」
一瞬視界がぐらついて、
足元が竦む。
この状況にどうすればいいか分からなくて、
とりあえずトイレの中から聞こえる声に耳を傾けるしかなかった。
「ほのかの方が何倍も可愛いじゃん」
「それは私も結構思う」
「浮所くんもどうしてあんな地味な子選んだんだろ?」
「もしかしたら愛川さんの告白の圧に負けて渋々付き合ってるとか?ww」
「ありえそうww」
"違う"
…そう大きな声で否定したかった。
それに、
飛貴が仮にも好きでもない女の子と付き合うはずがない。
飛貴は誰よりも人の気持ちを優先に考えてくれる。
それは少ない期間だけど、
隣に居たからこそ分かる事。
でも、
「とりあえず釣り合わないよね」
"「愛川さんじゃ」"
その言葉だけは、
"違う"
と否定できない自分が居た。
コメント
13件
ナルシストだー(棒) 愛川さんの方が絶対可愛いと思う人🙋✋
お話大好きです‼フォローできたらでいいのでお願いします🙇⤵
やばい(( 神作すぎた((