ころん
僕、活動始めてまだ3年しか経ってないけどさ、

ころん
こういう活動してるとたくさんの人が活動者としての"ころん"を
好きになってくれるでしょ?

りさ
うん

私の目を見てきちんと話すころんくんには、
いつものおちゃらけた感じは一切なかった。
私もそれに応じてきちんと話を聞いた。
ころん
最初は純粋に嬉しかったよ、ファンがどんどん増えていってさ。

ころん
今だってありがたいと思ってる。

ころん
...でも、
ファンの人たちが好きなのは、
多分"僕"じゃなくて、活動者としての"ころん"なんだよ。

りさ
...そんなことないよ。

ころん
うん、たしかに考えすぎかも...でもどうしてもそうやって考えちゃう。

ころん
だから、活動者"ころん"としてじゃなく、

ころん
一人の人間として"僕"を確かに好きでいてくれる、

ころん
そんな人に近くにいてほしかった。

ころん
できればりささんにそんな人で
いてほしくて...それで、活動のこと黙ってた。

ころん
活動者としての"ころん"をりささんに知られないように。

ころん
"僕"自身を見てもらえるように。

ころん
本当にごめん....

分かりやすく眉を下げているころんくん。
ちょっとだけ可愛いな、なんて思っちゃった。
りさ
...ふふ、そんな謝んなくていいよ。

りさ
思ってた以上にちゃんと理由があってびっくりしちゃった。

ころん
...りささんは、"僕"のことこれからも好きでいてくれる?

りさ
うん、ずっと好きでいるよスッ

私は手を伸ばし、
正面に座るころんくんの頭を撫でた。
私と同じ、
少しお高いシャンプーを使っている
ころんくんの髪は、
すっごくふわふわでサラサラで、
触り心地が良かった。
ころん
...あぁ、もぉー!

ころん
りささん超好き!

ころん
やっぱ付き合お?

りさ
だ、だから、

りさ
年上をからかうなってば...!

ころん
お?もしかして今ちょっと照れちゃった?

りさ
照れてないっ

ころん
ふははっ、絶対うそじゃんw顔赤いもんw

りさ
赤くないからぁっ泣

...結構真剣な話をしてたはずなんだけど、
いつのまにかいつもの雰囲気に戻ってました。
...でも、
君自身をずっと好きでいるよって言ったのは、
嘘なんかじゃないからね。
君は大切な、弟、だから...